心和のラノベ感想

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ソードアート・オンラインIF 公式小説アンソロジー 感想

ソードアート・オンラインIF 2023.11

 

今回は、SAO IFです。

8人の作家+川原さんによるSAOの世界観でのIFストーリー集。それぞれの作家が色んな切り口で物語を展開していて、普段は中々アンソロジーを読んでこなかったので新鮮で面白かったです。意外性では探偵の話が1番だったかなーと。

感想

〜SAO ~if ピトフーイが、SAO事件に巻き込まれていたら~〜

キノの旅などを描かれている時雨沢恵一さんと黒星紅白さんタッグ。既に、時雨沢さんはSAOのGGOでスピンオフ小説を描かれている訳ですが、今回はレンとピトフーイさんの時雨沢&雨沢のあとがきトークのような会話劇になってました。そうそれ!も出て来てました笑。

巫山戯る方向に傾いていて、時雨沢さんらしいなーと思って面白かったです。騒動力。

〜もしキリトとアスナがゾンビゲームで遊んだら〜

ギルドの受付嬢ですが〜の香坂マトさんとあるみっくさんのタッグ。タイトル通りDWOというVRMMOのゾンビゲームをする話でしたが、かなり川原さんの描く展開に近くて違和感なく読めました。意外とキリト目線でバトルするアンソロジーは少なかったので。

かなり高難易度だったものの、運営が予想しないバールのようなもので無双していくキリトは、さながら銃の世界でソードを使っていた彼を彷彿とさせました笑。

面白かったですが、強いて言うなら初期装備のナイフをどう使うかや、クエストのクリアは他の人のクリアになるのか等の設定の説明が欲しかったかなー。

〜ドリームゲーム-くろすおーばー-〜

魔法科高校の劣等生コンビの佐島勤さんと石田可奈さん。あとがきで、2014年に描かれたものの収録だと判明。確かにこういう機会じゃないと文庫に載らないままだったのか。

ALOらしく神話に絡めた話と、機能が抑制された状態でNPCのような形で転移されてしまった達也と深雪が、キリトらと戦う展開でした。なんだけど、序盤はキリトも出て来なくて大丈夫か?ってなりました。各作品のキャラ同士が戦うのはクロスオーバーっぽくて良いですね。一応キリトの勝利?

〜デスゲーム脱落編〜

賭博師は祈らない等の周藤蓮さんと星河シワスさんタッグ。

『スノウルーフ』というギルドに所属するホノがアインクラッド外縁から転落し、即死は免れたものの狭間に飛ばされてしまう話。ある種サバイバルっぽさもある。

ホノは現実ではプロ棋士らしい。現実で体が弱いからVRMMOに来たというパターンはユウキとかと同じか。うーん、展開が暗めであんまし良さが分からず。

〜名探偵コヨミ/まだらのねこ〜

クローバーズ・リグレット等の渡瀬草一郎さんぎん太さんタッグ。こちらも、既にSAOのスピンオフを描かれている渡瀬さんなのですが、これはそのスピンオフを読んでからの方がキャラの関係性が分かりやすくて良かったかなーと思いました。

シードの一種のVRMMOの中で、館の旦那の死の真相を探るという話でしたが、登場人物が妖怪やら蜘蛛女やら何でもありでありながら、ちゃんとミステリーらしくするところはしていて、最後の予想外な終わり方まで独特でした。確かに人狼ゲームっぽさもある。SAOらしさは…NPC辺り? 名前呼びシーンは甘々。

〜at the Children's Step〜

彼女たちのメシがマズい100の理由等の高野小鹿さんとrinさんタッグ。シリカ目線。キリトが年下だったら?の話で、例のシーンの台詞は姉に似ていたから…。まさにIFストーリー。シリカって、本編だとキリトを「君」じゃなくて「さん」呼びだったような。

ハーレムはハーレムだけど、おねショタ感が少しだけ感じられる話でした。

挿絵も可愛かったです。

〜この呪いをどう解いたらいいの-シリカと幽霊少女-〜

月とライカと吸血姫等の牧野佳祐さんとかれいさんタッグ。こちらもシリカ目線。キリトとの出会いすらも本編とは別パターン。ただ、キリトとの話ではなくて、シリカに憑いてしまった幽霊少女を成仏させる話でした。ゴーストまでテイムしてしまうという訳でもなく。

ある意味、モンスターと戦ったりとSAOのアインクラッドらしいけど、やっぱりキリトやアスナらのストーリーと比べるとすこーし退屈かも。シリカって、いじめの逃避でゲームやってる設定だったっけ?

〜もしアスナがレストランを開いた場合の、キリトの立ち位置的なお話〜

グルメ・シーカーズのY.Aさんと長浜めぐみさんコンビ。これも既にSAOのスピンオフを描かれている方の、同系統のストーリー。時期は22層で2人暮らしの頃。飯テロ。

著者のSAOの理解度の高さが窺えるなーというのが、クラインのピザやニシダさん、《逆襲の雌牛》、ラグー・ラビット等の本編に出て来た用語を使っている所。

期間限定レストランで、1日1人の客をもてなそうとアスナが思い立って始まり、キリトは雑用係をするといった様子。同じ言葉が何回か出てくるのが少し気になったのと、もう少しキリトとアスナの絡みは欲しかったなーという感じでした。

ソードアート・オンライン If You Can Smile〜

本人登場。最初の注意書きだけで笑えるのだからずるい。

ライオスとウンベールが毒ガニに噛まれた結果、キリトとユージオがセントラル・カセドラルに行かずに平和な世界線の話らしい。

やはり、川原さんが描かれているだけあって、どっしりと落ち着いているというか、設定面でも安心して読める感じがありました。ピクニック的な穏やかーな話でした。

今回のbest words

SAOが《騒動ああっと・オンライン》になった瞬間から、私達の、生き残るための壮絶な闘いの幕が下ろされた… (p.23 ピトフーイ)

あとがき

SAOの世界観の広さを改めて感じます。本当、何でも出来ちゃうんだよなぁ。

今後もSAOのスピンオフがいくつか出るみたいで、そちらも楽しみ!