【1,000冊読了記念】オススメラノベ紹介

今回は、ラノベ読了数が1,000冊を越えた記念として、これまで読んできた作品で個人的にオススメで読むべき作品を紹介します。

ほぼ有名作品で埋まっていますし、ネタバレはありませんので、何を読んだら良いか分からない!という方にも参考にしていただけたら幸いです。

因みに、電撃文庫が多めです💦

◯目次

物語シリーズ

2006.11

西尾維新/講談社BOX  既刊30冊

様々な怪異に纏わる非日常の出来事に巻き込まれる青春物語。この作品の特徴は、西尾維新の代名詞である言葉遊び。読む人を飽きさせない言葉回しや会話が至高です。

ストーリー、キャラクターの魅力、パロディ、文章力全てが噛み合わさった作品。シリーズは30冊にのぼり現在も刊行中。怪異譚からバトル、ミステリーなど遷移して中弛みがないとは言え無いものの、面白さは健在。

好きなアニメランキングを作るとしても上位に入れたい作品となっていて、会話劇が中心なストーリーでアニメを作る苦悩の話なんかも含めて好き。

 

 

涼宮ハルヒの憂鬱

2003.6

谷川流/スニーカー文庫 既刊12冊

第8回スニーカー大賞受賞作。平凡?な主人公が破茶滅茶ヒロインに振り回されるタイプで、SFチックな展開も見られます。

読者をグイグイ引き込むストーリーと、卓越した比喩表現とラノベらしい読みやすさが合わさった作品です。

京アニでのアニメ化、何度も繰り返すエンドレスエイトが有名ですが、未完扱い。それでも十二分に楽しめます。

 

 

戯言シリーズ

2002.2 ※画像は新装版

西尾維新/講談社ノベルス 既刊10冊

第23回メフィスト賞受賞作。ラノベとしても一般文芸としても評価が高い作品。西尾維新デビュー作。

クビキリサイクルサイコロジカルが個人的にオススメで、奇を衒ったミステリーを読む事が出来ます。

こちらも例によって、ミステリーからバトルものにジャンル移行したりします。周りの天才の描かれ方が秀逸な一方で、物語が進んでも主人公が謎に包まれているのが賛否両論ありそうな所。

 

 

Re:ゼロから始める異世界生活

2014.1

長月達平/MF文庫J  既刊38冊

不登校の高校生スバルが突然異世界転生をし、その先で死に戻りの異能から絶望を塗り替えていくストーリー。

異世界ブームやweb小説の火付け役と言っても過言ではない作品ではないかと思います。

この作品の特徴は異世界で無双するのではなく、絶望に絶望を重ねた状況で、何とか這い上がっていく部分で。ヒロインとの定番の会話も面白いです。

レム可愛い。

 

 

弱キャラ友崎くん

2016.5

屋久ユウキ/ガガガ文庫 既刊13冊

第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞。人生はクソゲーと達観した主人公が、完璧リア充ヒロインから人生の楽しさを学んでいくというストーリー。

この作品の良い所は、ゲームが根幹にあって、そのコンセプトを崩さずに物語を進めていく所です。また、主人公がリア充に変わっていく過程、変わってからも物語が進むのは斬新。

みみみ可愛い。

 

 

刀語

2007.1

西尾維新/講談社BOX  全12巻

企画の一環で書かれた、無骨な主人公がヒロインとの出会いから全国に散らばった刀を回収に旅出る話。

講談社BOXでありながら、二段組ではなくページ数も少なく、1巻辺り1つの刀を回収していく分かりやすさが良いです。西尾維新らしい会話劇も必見。真庭忍軍の活躍にも注目!

 

 

ソードアート・オンライン

2009.4

川原礫/電撃文庫 既刊28冊

言わずと知れた人気作品。VRMMOを舞台として、デスゲームとファンタジーを組み合わせた世界観の広さが特徴。

キャラクターに魅力があるのは勿論、主人公であるキリトのある意味では俺TUEEEEに通じるかっこよさが見られます。

最初のストーリーは1巻で終わり、種を変え品を変え現在では28巻まで刊行。個人的にはファントム・バレット編が好き。

プログレッシブや同著者のアクセル・ワールドも面白いので、併せて読みたい所。

 

 

魔法科高校の劣等生

2011.7

佐島勤/電撃文庫 全33巻

魔法師と普通の人間が共存する世界、魔法科高校では劣等生扱いの兄と優等生な妹ながら、兄の司波達也が無双していくストーリー。

この作品の面白い所は、魔法が飛び交うのは勿論、魔法に対しての情報強度、説得力のある裏工作とそれへの対処、予定調和の群像劇。

本編は32巻で完結、2つの新シリーズが始まっています。キグナスの乙女たちは、魔法科高校生に入学した2人の女子が主人公の物語、メイジアン・カンパニーは大学生となった達也がよりスケールの大きい事業を手掛ける正当な続編。後者の方が圧倒的に面白いです。

 

 

とある魔術の禁書目録

2004.4

鎌池和馬/電撃文庫 無印全24巻、新約全23巻、創約既刊10冊ほか

ラノベと言えばで挙げる人が多いのではと思うくらい代表的な作品。魔法と科学のバトル、無能と呼ばれがちな主人公の愚直なまでの勧善懲悪もの。

筆者が速筆であり、刊行数もずば抜けていますが、とりあえず無印の22巻だけでも読むのをオススメします。

 

 

とらドラ!

2006.3

竹宮ゆゆ子/電撃文庫 全13巻

見た目だけヤンキーでも内は繊細な竜児と我儘ツンデレな大河が織り成すラブコメディ。

この作品以上のラブコメは中々ないと言い切れるほど完成度が高い作品だと思います。古き良きツンデレ、ギャグパートの面白さが見られます。

アニメの方も良く仕上がっているので、そちらから入るのもアリ。同著者のわたしたちの田村くんも面白い。

 

 

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

2008.8

伏見つかさ/電撃文庫 全12巻

妹がヒロインの、妹からの人生相談から始まるラブコメツンデレラノベらしい読みやすさ、キャラクターの魅力に溢れた作品です。

妹萌えと言えばこの作品であり、長いラノベタイトルの先駆け?らしい。次作のエロマンガ先生も妹がヒロイン。ヒロインのifストーリーも刊行されています。

 

 

ワールドエンドエコノミカ

2014.12

支倉凍砂/電撃文庫 全3巻

投資をテーマに、大きな金額が動くハラハラ感と人間模様が描かれる独特な世界観のストーリー。

支倉凍砂と言えば狼と香辛料ですが、個人的にはこちらがオススメ。全3巻とは言えそれぞれが鈍器クラスのページ数なのですが、緊迫感のあるストーリーで分厚さが気にならない面白さがあります。

 

 

キノの旅

2000.7

時雨沢恵一/電撃文庫 既刊23冊

キノが相棒でモトラドエルメスとあらゆる国を巡る話。社会風刺に富んだ国の数々、作者の遊び心も溢れ、ほとんどが短編形式なので、読書初心者にも読みやすいのがポイントです。

毎回あとがきでも楽しませてくれる他、学園キノというセルフパロディ作品も存在しています。著者はガンマニアで有名。

 

 

安達としまむら

2013.3

入間人間/電撃文庫 既刊13冊

猪突猛進系な安達とおっとりなしまむらの百合小説。

ゆるい文章、独特なセリフ回しで1巻当たりのページ数も少ないので、読み易い作品になっています。また、入間さんらしい不思議な宇宙人なんかも登場。

今では百合作家としての立ち位置を得ている入間人間電撃文庫で他にも色々出されていますが、個人的には百合以外の作品はあまりオススメできるものはありません…。

 

 

さくら荘のペットな彼女

2010.1

鴨志田一/電撃文庫 全13巻

天才画家の椎名ましろと凡人の神田空太が変人が集うさくら荘で暮らしていく青春物語。

空太とましろのやり取りの面白さの一方、天才との向き合い方を考えさせられるのが特徴。青山さん可愛い。

同著者の青春ブタ野郎シリーズも人気が高く、個人的にもアニメ1期までの内容は結構好きです。デビュー作の神無き世界の英雄伝も3巻で未完ですが、面白いです。

 

 

半分の月がのぼる空

2003.10

橋本紡/電撃文庫 全8巻

病院でのボーイミーツガール。

古き良きラノベといった情緒が色濃く残っていて、橋本紡らしい人間味が感じられるストーリーになっています。ヒロインがツンデレっぽいのも良い。

医者の苦悩みたいなのが分かる夏目の話も好き。

 

 

クリスタル・コミュニケーション

2003.6

あかつきゆきや/電撃文庫 全1巻

EPSを持つ女子とのボーイミーツガール。

単巻完結でありながら、全体を通じて透き通った印象があり、伏線回収含めて1巻の完成度が高い作品です。

次作の輪廻ノムコウが途中で切れているのが悔やまれます。

 

 

僕は友達が少ない

2009.8

平坂読/MF文庫J  全12巻

残念系ヒロインが多数登場するギャグラノベ

誰を立たせるか迷ったのか終わり方が良くなかったものの、ギャグラノベでは平坂読が一つ頭が抜けてるなと感じます。

ガガガ文庫で妹さえいればいい、変人のサラダボウルも出されていて、どちらもアニメ化しています。

 

 

ようこそ実力至上主義の教室へ

2015.5

衣笠彰梧/MF文庫J   既刊28冊

クラス対抗、時には個人による勉学、スポーツ含めて実力主義で地位が決まる高校での物語。

かなりコアなファンがいる作品で、アニメから発行部数が鰻登りなシリーズです。無慈悲さや主人公の底知れなさ、頭脳戦も面白い。

 

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

2013.1

大森藤ノ/GA文庫 既刊19冊

第4回GA文庫大賞の大賞作。神々が地上でファミリアを作り、ダンジョン攻略などを目指す本格ファンタジーGA文庫の代表的作品。

過酷な場面も随所にありますが、主人公のベルのお人好しさ、負けても這い上がる強さ、目を瞠る成長スピード、交流模様は心温まります。

世界観が広く、アニメは4期まで放送され、番外編のソード・オラトリア等も展開。

 

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

2011.3

渡航/ガガガ文庫 全18巻

ひねくれ主人公の比企ヶ谷八幡が、奉仕部という部に入らされ、策を弄しながら問題解決していくラブコメガガガ文庫の代表的作品。

今でこそ弱キャラ友崎くんや千歳くんはラムネ瓶のなかといった作品のように、主人公がリア充サイドの展開も増えてきましたが、この時代は主人公が陰キャサイドな作品が多かったものです。

どちらが優れてるとかはありませんが、ひねくれ目線での視点も面白く、人知れず影ながら活躍する姿もまた良いものです。後半にかけて、自己犠牲や共依存といった少し重めなテーマも描かれていきます。

俺妹と同じく聖地は千葉。

 

 

友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。

2022.2

真代屋秀晃/電撃文庫 全3巻

5人仲良しグループで行われる、友情と恋愛の両天秤で揺れる青春群像劇。

当時はノーマークで読み始めただけに、予想以上に面白くて引き込まれた為に印象に残っている作品です。

友情と隠れて恋愛をしてしまってる後ろめたさのバランスが丁度良く、何よりヒロインの夜瑠のギャップやワードセンスが光ります。

 

 

わたし、二番目の彼女でいいから。

2021.9

西条陽/電撃文庫 既刊7冊

タイトル通りの展開を辿り、泥沼の恋愛劇を演じていく作品。高校では2人だったのが、大学で更に2人増えていきます笑。

この作品の特徴は、際どいエロさを攻めていく所であり、知的に見えてその実馬鹿をやっているだけという可笑しさが面白いです。恒例の恋愛ゲームが好き。

ある意味では読者を選ぶ作品だと思います。

 

 

陽キャになった俺の青春至上主義

2023.1

持崎湯葉/GA文庫 既刊2冊

第14回GA文庫大賞金賞受賞作。陰キャから高校デビューした上田橋汰が陰キャ女子たちを救済していくラブコメ

キャラクターが魅力的で、パロディありパワーワードありの会話が面白い。ストーリーも安定していて、主人公が元陰キャなだけに、どちらの気持ちも理解しているという説得力があります。

 

【番外編】

読んだものの好みに合わなかった作品たち…(異論は歓迎です)。

  1. 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
  2. 強くないままニューゲーム
  3. 忘れえぬ魔女の物語
  4. kaguya
  5. A/Bエクストリーム

 

【番外編②】

好きなブギーポップの回→ペパーミントの魔術師

好きなウィザーズ・ブレインの話→光使いの詩

 

◯あとがき

自分が思う面白い作品の条件は下記のブログで纏めていますので、よろしければ併せてご覧下さい♪

sw-lightnovelimpression.hatenablog.com

飽きずに読んでいれば次は2,000冊の時にお会いしましょう!

 

今さらですが、幼なじみを好きになってしまいました2 感想 ★★★★

2026.3

今回は、さらなみ2巻です。

ヒカリ(陽花梨)の1巻とヤミ(絢深)の2巻。1巻の前日譚な立ち位置の2巻でしたが、ヤンデレでドロドロしてたので面白かったです。

本当に同じ作品?とも思う変わりようで、より作品に深みが出ていました。

あらすじ

不登校で家出少女の高校1年の松下絢深は、自分と同じ高校を受けて落ちたと思って泣く少年、高村夕に出会う。一度は失敗しながらも、心境を伝え合った2人は絢深の先導で一夜を明かすのだった。

それから、ネカフェや映画館、旅行と楽しく過ごす2人。紆余曲折ありながらも、両親が離婚した絢深は「一緒に、暮らさない?」とサラッと提案するのだが…。

感想

結構改行が多めで章の切り替わりも早く、文章というよりも心情を読んでいるような感覚だったので、スラスラと読めました。

前回が恋する乙女があらゆるアプローチを掛けては失敗するといった、明るくコミカルな話だった一方で、今回は家庭事情が重めで、自身の存在もどこか危ういような絢深の語りだったので、その落差にびっくりしました。

時系列としては、今さらな陽花梨の夕へのアタックの前に当たる話であり、夕と絢深の関係は所謂元カノ元カレの関係でした。

純情そうなタ〜くんが絢深で童貞を捨ててただなんて!

と言っても、受験の失敗で泣き掛けていた所で絢深に出会った夕が、その日の内にラブホに連れ込まれているのだから、絢深の危うさと積極性が悪いのですが。

絢深の方も処女だった筈だけど。

絢深が陽花梨らに語ってた経験者エピソードは割と夕の話も入っているのが面白い。

2巻を読む事によって、夕が好きだった相手は陽花梨だった事も判明しました。同じ高校を受験しようとしたのは本当だった!

まぁ、今さら恋心に気付いた陽花梨は昔の夕からの好意をスルーしてしまったんだろうし、その空白に絢深が滑り込んでしまったという事なんだなぁ。

絢深の家庭環境としては、母が社長と結婚、先立たれてITベンチャーの男と再婚、絶賛浮気中で、絢深にまで手を出そうとした所で家を抜け出したという経緯らしい。

金はあれど幸福からは遠い。

そんな事もあって、現在の絢深は留年、そのせいで陽花梨や夕と名目上の同年代となっている訳ですね。

絢深は出会った夕に盲目的に、依存的に愛するようになり、夕もまたそれを受け入れて受け止めていく。この恋愛模様は中々に攻めていてドキドキするもので。

ただ、母の離婚が成立した後に絢深は夕との連絡を一方的に絶ち、夕が気に掛けていた復学をする。これはどういう感情なんだろう…。

自分から責任を感じて離れた、というよりかは母の存在が捨てきれないという感じ?

そして、その復学先が陽花梨と同じ学校なのは、これまた何の因果か。

友達になった2人。絢深は陽花梨の好きな人が誰かを知って、もちろん後ろめたいものを感じる訳で、陽花梨がそれを知った時、どう受け止めるんでしょう。お互いに応援も出来ないし…。

それでも、後悔はしないように行動する、でしょうか。

 

今回のbest words

人混み嫌い。歩くのめんどい。うるさいの最悪。ずっと夕の喘ぎ声だけ聞いてたい〜(p.132 絢深)

あとがき

何となく電撃文庫っぽくない作品だなと思いつつ、少しずつ面白くなってきた感があります。2巻は多少エロゲー寄りだったかな?

陽花梨は肝心な所で勘が働かないのはヒロイン適正低いぞ…。

悪役ムーブで青春リスタート!2 悲劇のヒロインを金と権力で救い出す 感想 ★★★★

2026.3

今回は、悪役ムーブで青春リスタート!2巻です。

夏休みという事で、映画撮影に海に水着に祭に浴衣とラノベらしさが出ていました。

灰璃がずっと可愛い(特に飛一の無自覚な言動に悶えるとことか)のと、飛一のツンデレを訳す場面は毎度ながら笑えて好き。

あらすじ

父である九蒸刃黒は、学園での金バッジと銀バッジの区分について、才能ある者の為に下々の者が犠牲になる事も厭わない考えを固持していた。その考えを糺す為、飛一は『交流会』に銀バッジの面々で参加し、結果を残す事を宣言する。

正式名称『東西学園生徒交流会』にて映画を自主制作する事にする飛一。廃部寸前な映画研究部を生徒会の陰謀から助け、雪森や武堂らの手も借りながら制作を進めていく。しかし、生徒会が妨害工作を仕掛けてきて…。

感想

本作は灰璃が可愛く見えたら読者の負けだと思うんですが、まんまとやられてますね…笑。

子供が何人欲しい?という会話でのいじらしさとか、甘やかしてくれる所とか、普段の振る舞いが飛一を何度も救っている所とか、飛一の悪役ムーブを周囲にやんわりと翻訳して伝える所とか。

飛一には灰璃がいないといけないというのが犇々と伝わってきますし、だからこそ飛一も何とか灰璃を守っていきたいという気持ちになるのも納得感がありました。

また、飛一は悪役ムーブする必要ないのでは…?と気付いてしまってる所も笑えます。灰璃を遠ざける必要がなくなったので。

でも、権力者として舐められないようにという点では多少は正しいので笑、悪役ムーブは一応継続中。周りには鍍金が剥がれているのがバレバレでツンデレ認定ですが…。

それに、ちゃんとタイムリープ要素を随所に生かしているのも良いし(今回で言えば後にヒット作を作る明彩茜と子役の白鷺路花をヘッドハンティングするとか)、平成を揶揄しながらも、そのブラックな働き方で苦境を乗り越える展開も良かったです。

まぁ、今回の話としても生徒会の有縞史郎が出しゃばって自滅した感が強く、杜撰でツッコミ所もあったものの、それ以上に灰璃が可愛かったのと、偽物だからどうした?というテーマがはっきりしていて、面白い場面も多かったので、差し引きプラスな印象でした。

偽物と言うと、今後必ず訪れる飛一の取り違え子問題にも係る話題であり、天才の先輩の呪縛に囚われる茜を救済すると同時に、これからの自分のスタンスを固める一助になったのではと思いました。

この気付きを与えたのもまた灰璃であり、ひーくんと呼んで、紛い物ながらも射的で飛一に取ってもらったぬいぐるみを大事にする様子は可愛かったです。

ぬい活が当たり前になるのはまだ先の事。

ひとまず、灰璃から飛一への呼び方も名字から名前呼びに変更。

そして、飛一と父の仲はまだまだ冷え切っている印象だった一方で、兄の千隼との仲はかなり回復したように見えたのも印象的でした。

タイムリープ前は嫉妬してほぼ交流していなかった兄でしたが、社会の厳しさ等を知った飛一はしっかり兄に向き合っていて、兄もまた嬉しそうに飛一と交流している様子は心安らぎました。

さらに、映画で使う舞台が生徒会の手で使えなくなった際に、ロケ地の学校を教えてくれるというファインプレーに繋がってたのも良かったです。

ロケ地を買い取るといった、ちゃんと飛一が金と権力を活用している設定がブレてないのも悪くないです。

さておき、父を見返す為に始まった今回の映画撮影。

前回は友人を手にして、今回は後の売れっ子映画監督とのコネを得た形。タイムリープ後に新たに入手した武器で、どう絶望に抗っていくかこの先も楽しみです。

今回のbest words

ここで新コーナー!『叶宇灰璃の九蒸くん語レッスン』はーじまーるよー! (p.74 灰璃)

あとがき

飛一が映画のデータのバックアップをトロフィーで叩き壊すシーンが挿絵になってたのが地味にツボでした笑。

前回も触れましたが、本作と好きだった子をメイドにしたら〜が結構類似点があるなぁと感じました。発売日被せてくるし、綿あめまで同じとは()

茜が設定段階の途中から関西弁キャラになったという話好き。

好きだった子をメイドにしたら、俺の部屋でこっそりナニかしている3 感想 ★★★

2026.3

今回は、好きだった子をメイドにしたら、俺の部屋でこっそりナニかしている3巻です。

舞姫の掘り下げを中心に、派閥の結成や新キャラの登場などがありました。

軽快というか、立場を物ともしない会話劇が小刻みにされるのがやはり特徴的でコミカルな一方で、貴族社会という設定は舞台としてしか機能しておらず、ラノベとしてはそこまで気にすべきではないにせよ、多少勉強になるポイントがあればより良いなとも思います。

あらすじ

総秀館学院では、3名以上で結成するグループを派閥と呼ぶ。万里辻を味方に付けた継司は、派閥の立ち上げを決意する。活動内容は話し合いの結果、舞姫の発案である舞で決まり、名を清心会として発足するのだった。

しかし、そんな中氷坂は藤河からの嫌がらせを受け、果ては氷坂が継司のメイドである事が暴露されてしまい…。

須賀原静先輩が継司の派閥に加入してくる。年に2回開催される奉季祭は、派閥がそれぞれ出し物を行う催しであり、今年は継司らも参加することに。

感想

舞姫は継司の事を中学時代から好きそうですねぇ。

だからこそ上手い事清宮邸に乗り込んで来たのかなぁと思いました。

しかし、舞姫が豊原理事長の娘だとは驚きでした。めっちゃ実家太いじゃん。

こうなると、確かに氷坂、万里辻、舞姫と太華三家はいずれも女子であり、結果的に継司のハーレム状態?になってるのかな。

でも、氷坂の言動はやっぱり読めないんだよな…笑。

好意を持って継司を茶化している気もするし、他ヒロインを警戒しているような気もする一方で、素っ気なく見える時もある。

万里辻と喧嘩し合ってるのは笑える。

基本的に、継司を清宮家の当主に据えて側にいたいというスタンスは変わらないっぽいけど。

という中でも、万里辻との婚約話はそのままのようであり、寧ろ祖父である御前は清宮家の子供入れ替えを知っていたばかりか、煽動した本人だったようで、婚外子である事は障害にならなそう。

どちらかと言うと、清宮家の血を入れる為に肯定派ですらあるんじゃないかな。

氷坂は愛人枠で良いんですかね…? 割とメイドたる事には積極的なのも面白いけど。

派閥に関しては、奉季祭という年2回のイベントにて舞を披露するという、何かよく分からない展開になっていました(よく分からない所が逆に面白い)。

そもそも派閥は何かしらの研究のお題目が必要なようで、舞姫がダンスも得意という事で舞に決まったという。良いのかねこんなんで…笑。

まぁ、舞姫の露出多めな格好とか、氷坂や万里辻の着替えシーンとかを見られたのは良かったです。

新キャラの須賀原先輩は、派閥に加入したいと言ってきた天然ロリ先輩でした。ノーブラジャージの挿絵の強さよ。

彼女は理事長に仕える紀野さんの妹らしい。だからこそ、舞姫は慕うべき存在という立ち位置。スパイではなさそう。

ともあれ今回は、いつもはちゃらんぽらんな印象の舞姫の色んな表情を見れたのが良かったです。

 

今回のbest words

な、なに言ってんの。この学校で初めてそんなこと言われ……あたし、チョロくない! (p.190 舞姫)

あとがき

イラストレーター変わったの気付かなかった! 絵柄かなり寄せてるなぁ。

氷坂司沙の思惑とは?!

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー⑪ 感想 ★★★★

2026.3

今回は、メイジアン・カンパニー11巻です。

リーナと文弥が表紙という事で、この2人がカップリングになっていきそう?かも知れません。割と身の置き方としてはアリかも。亜弥子の方は空澤さんルート継続っぽい。

ギャラルホルン発動後の処置と世論の動き、そして騒動の奥にいる敵への立ち向かい方の検討や、その他細かい変化もあり、流れるような展開は安定の面白さでした。

あらすじ

日立市南部の公園にてギャラルホルンは発動され、人々の暴動は伝播し広がりつつあった。術者のディーンは即死したものの、不運な事にデーモンは近くにいた空澤兆佐に宿主を移してしまうのだった。

駆け付けた文弥とリーナは一般人を慎重に無力化したりしていると、空澤に遭遇する。普段以上の力を発揮する空澤に苦戦していた所で、一瞬の隙から文弥はリーナを庇って凶弾に倒れてしまう。

感想

やっぱり印象的だったのは、リーナと文弥の関係かなぁ。

文弥は今回、怪我の功名と言ったら正しいのか分かりませんが、名誉の負傷?によってリーナを銃弾から守り、お礼をされるシーンがありました。

これは案外リーナも文弥への気持ちが揺らいでいたような気もします。

ほぼ四葉家で匿われている現状、リーナが文弥とくっ付くのは自然かも。

ただ、負傷と言っても実際は達也の再生が無ければ死んでいたので、全然笑えない状況ではありました。

しかしながら、怪我の功名と言ったように、この出来事は文弥に2つの利点を齎していました。

1つ目が、臨死体験を経た事でダイレクト・ペインをさらに強化した、死を錯覚させる魔法[死影]を文字通り体得した事。

2つ目は、止まっていた成長期が骨端線が開いた事で身長が伸びる可能性があるらしい事。今後はもう女装はしなくなるかも…?笑

因みに、文弥を死に追いやった人物は空澤刑事でした。

ディーンは術の発動と共に死んだらしく、行き場を失ったデーモンが入り込んだのが、近くにいた空澤刑事であり。

一応の正気を保っていて、自分ごと魔法を葬るつもりだったものの、身体能力が向上し、忍術的な強さもあったという感じ。ダイレクト・ペインが効かなかったのも想定外。

まぁ再戦では[死影]で捕える事に成功し、ゲートキーパーのチョーカーを巻く事で、一時的にギャラルホルンの封じ込め、一件落着。

警察には戻れず、かと言って能力が高い空澤は、悩んだ末に四葉家で引き取られる事になり、ますます亜弥子との関係性が進みそうですね。

そういや、文弥を始めとした元文正への拷問も凄かったです笑。自白剤より強い。

香港三合会に関しては、九龍城砦(ガウロンツァイセン)の四凶(フォー・ペララズ)を国防軍が倒せず、達也と光宣が殲滅しに行ってましたが、結構呆気なかったです。

鬼門遁甲とか影獣とかは周公瑾の時と同じ。

今後の敵は米国洪門の朱元允になりそうで、それ以上に戦略級魔法師エリオット・ミラーやらUSNA内に関与が疑われる面々がいるらしく、扱いが厄介になっていきそう。

四葉家と関係を築きつつあるJJの陣営が大統領になったのは大きいかな。

話は戻りますが、ギャラルホルンを鎮めたのは勿論、深雪のヒュプノス・チェインでした。

数万人規模の人間を昏睡させる魔法は、確かに戦略級魔法と言っても差し支えない。昏倒されると怪我人が出るというので、多少の渋りはあったにせよ。

ただ、強大な力は世間の恐怖を買うのは例の如くであり、常に魔法師排斥の声から深雪を守る必要性が生じるのは頭が痛い話ですね。

市民の為に行使した魔法が外野から悪いように取られるのは腑に落ちない。

その他、この件で疲労を抱えた深雪の女性的な世話は誰がする?という話になって、今は水波がいないし、リーナがそれをするにも限度があるという事になり、笛吹千代という新キャラも登場。

楽師シリーズという調整体であるものの、戦闘能力は無いらしい。ま、無敗の達也がいれば武力面は重要視されないので、良いのかなと思います。

ページ数はそれほど多い訳ではないものの、戦況や環境は目紛しく変わっていて、その因果関係がしっかりしているのが魔法科シリーズの良い所だなと再認識しつつ、また次の物語が楽しみです。

 

今回のbest words

眠ったままじゃ、御礼もできないじゃない。起きたら特別に  してあげる (p.72 リーナ)

→キス

あとがき

文弥が達也にお礼と謝罪をするシーンがなかったのだけ少し引っ掛かりました。

真由美さんは十文字ルート入っちゃったかな…?

転生程度で胸の穴は埋まらない4 感想 ★★★★

2026.3

今回は、転生程度で胸の穴は埋まらない4巻です。

教官とコノエの話という事で、シリーズ屈指の危機と、1巻に比べてコノエがいかに成長したかが分かる内容となっていました。

えーっと、教官ヒロインレースに参加しました??

あらすじ

不死の魔王を倒した功績として、コノエは論功行賞の式典に出席する事となった。その本当の報酬とは、空飛ぶ島、神界へのアクセス権であった。英雄達が集う円卓にて、50日に一度運命神から予言を授かる事ができるという。

そこで告げられた予言は、教官の死に纏わる事で…。同じく告げられた回避方法を基に、コノエはメルミナと1000年の時を戻され少女の姿となった教官と、ダンジョンへと向かうのだった。

感想

スルスル読めてしまうのはいつも通りで、その一方でキャラクター間の描き方は丁寧なのが、やはり今作の良さなのかなぁと思いました。

4巻では、異世界人であるコノエの功績が広く周知され、平穏な雰囲気かと思いきや、コノエの比じゃない人類貢献をしてきた教官の時が1000年戻され、死の宣告を受けるという絶望から始まった巻でした。

邪神側も、人類の支えであり急所は教官であると見抜いた上で攻勢を仕掛けてきたと。

十七魔王や天蓋竜の討伐、異世界からの召集やアデプト制度の整備などなど、あり得ない程の功績を挙げてきたものの、長年生き延びてきたからこそ、死んでいく者たちを人一倍見てきたからこその、教官だけが持ち得る後悔。

それをトリガーにして、デーモンによる固有魔法によって、教官が子供の頃の姿レナティアリカ(ティカ)と戻されてしまうのですが、個人的には教官の偉勲が多すぎて、後悔するべき所なんてちっぽけだと思ってしまいます。

まぁそれは教官本人にしか見えない心の澱のようなものかも知れません。

結果的に、神界で授かった予言の通りに事が進み、ダンジョンの地下のそのまた地下で、コノエがティカを誑し込んだお陰で教官が復活!して、災厄級何十体をいとも容易く瞬殺して終了!という感じでした。

誑し込んだとは言い過ぎかもですが笑、コノエの25年間のアデプト修行での教官への思いを受け取ったティカが、コノエに初恋をした、というのが事の顛末で。

ティカの存在が今の教官の記憶に残っているとしたら、SFチックであり、だからこそ教官がコノエに声を掛けたのか?、ようやく君に出会えた的なロマンチックな話か??とも思ったのですが、そうでもない模様。

それでも、ある意味では無意識下での愛ある指導が、巡り巡って未来の自分を救う形になったというのは美談であるのは間違いない。

そう言えば、教官の固有魔法は15秒間自分以外の時を止めるという事らしいけれど、それはつまり肉弾戦最強という事なのかしら。

これもそう言えばだけれども、神界にいた教官大好きな聖女セレスティナの権能は自分の身体へのダメージを敵と共感覚させるものらしく、教官を殺し得る力との事。ちょっと懸念事項ではある。

さておき、元通りになった教官は今度こそティナの記憶を引き継いでいるようで、それ乃ちコノエへの好意をも持った状態なんですね。お見合いの予定に×するの可愛い。

教官絶対に重い娘だよな…(ブーメラン)。

ちゃっかり、自分の家の半分をコノエにお礼として渡す所も良かったです。でも、そこにテルネリカも来るだろうけど…。

テルネリカと言えば、金の権能をコノエに受け渡す際の儀式として、額を合わせる事が必要なようで、ドギマギするコノエも良き。

ファニアもまたヒロインレースに加わるのですが、テルネリカとメルミナをお姉様と呼ぼうとする一幕も面白かったです。年上なのに。

その他、触れるべきは茸とメルミナの姉ノエルの目覚めかな。

前に討伐したと思われた茸が生存していたのは驚きだったのと、魔物でありながら邪神に歯向かう存在として、今後も出番はありそうです。

マイコニド(マイコ)と名前が与えられ、紫の美少女として君臨してましたし。

コノエ達を邪神の元に届けた今回の陰のMVPでもある。

孤独や羨望を抱えていた過去はコノエとも被る面もあり、幸せになって欲しいとも思います。ただ、マイコの権能もまた教官を脅かす力である事も確かである…。

茸の活躍と共に、ノエルが目覚めたのも因果かなと思います。マイコは今後ノエルにべったりしそうな未来が見えるけど、ノエルにとってはかつての敵だしどうなんだろう…。

 

今回のbest words

……前から思っていたのですが……教官は美人ですし、魅力的な女性なので、年齢で自分を卑下する必要はないと思います (p.343 コノエ)

→ハーレム主人公(無自覚)

 

あとがき

このシリーズがこのラノ新作2位や、次にくるライトノベル大賞で文庫部門3位を取ったという事で、業界内での評価や期待も高くなってきました。

ネットの方での書き貯めがある事も大きく、次回は神様編と決まっているようなので、そちらも楽しみに待ちたいと思います。

先生、今日から同い年ですね? 感想 ★★★

2026.3

今回は、『先生、今日から同い年ですね?』です。

先生と生徒というシチュエーションラブコメから一歩進んで、年の差を無くせば良いんだ!と思ったヒロインが、先生に若返り薬を一服盛って同い年になる所から始まるシチュエーションラブコメでした。

くすりさん頭良いのか悪いのか分かんねぇな…笑。

あらすじ

私立黎明学園の教師である冬月悟に告白をしてきた生徒の薬師寺くすり。2人は以前から知り合いであり、過去に悟が面倒を見た事もある仲だった。

しかし、悟は年齢差と立場を理由にその誘いを断る。ここで諦めない薬学の天才くすりは、用意したコーヒーに自身で開発した薬を盛り、悟を若返らせてしまうのだった。

「先生、今日から同い年ですね?」

感想

巷でよく言われる1vs1のラブコメでした。

グイグイくるヒロインの可愛さを主人公を通して擬似体験する、というような。

くすりはとにかく先生が大好きなので、あの手この手で落とそうと動くのですが、先生と生徒の立場を墨守する悟を中々靡かせる事が出来ず。

この悟の頑なさはかなり厄介で、折角同い年としての身体となった上でも、その生真面目さは揺らぐ事はなく。

と思いきや、感情もまた思春期に戻っている面もあって多少は揺らいでたかな。もう少し同い年になった事によるイベントを入れても良さそうでしたが。

大事だからこそ距離を置く男の心情と、アプローチを仕掛けても虜にならないのは自分に魅力がないから?と思う乙女心は難しいものがありますね。

でも、くすりもくすりで、その生真面目さもまた好きという葛藤があるというのが始末に負えない…。

というか、薬師寺くすりって何てストレートな名前なんだ。髪留めも錠剤だし笑。

まぁでも、薬学の天才だからと言って未発表の薬を愛する人に投与するくすりも豪胆なんだか、投げやりなんだか…。

気になった点は、体が若返った悟がくすりを窘めこそすれ、これからの生活に大して危惧を覚えるような感情が見られなかった事。

こんな薬を開発したくすり凄い!となるにせよ、まず効能がいつまで続くかをくすりに尋ねないのは引っ掛かりました。

実際、先生の立場から生徒として転入する事になってる訳で、この状態、茶番にいつまで付き合わされるかは、絶対気になるでしょ。

終盤になって効果が切れ始めたので、永遠のものでは無かったのは幸か不幸か。

天才を集めた学校、という設定も割と無理があるもので、各分野に特化した人材を一ヶ所に集めるメリットってほぼないだろうし。実際には放任主義に近い。

ただ、九条こころという心理学に精通したクラスメイトを巻き込んで、悟に媚薬を盛るシーンなんかは割と笑いました。

警戒を緩めた先生がしっかり嵌められて、理性に抗う為に何故か性教育を語り出したのは、突拍子無さすぎて面白かったです。

案外、悟も悟で変な所があるので、もっとくすりが暴走しても良かったのかなぁという気もしました。

 

今回のbest words

さ、さっきから……その、ぺに……とか……ぼっきとか言うの……やめてください……ぅぅぅ…… (p.181 くすり)

 

あとがき

著者はGA文庫で活躍されていた方らしく、電撃文庫は初進出。

父の作った新興宗教を善意から乗っ取ったこころのキャラクターも中々でしたが、出てくる心理学用語は割と知られたものばかりだったのも、少し残念だったかなぁ。

学年で一番かわいい星ヶ崎さんと友達になったら毎日密着が止まらない 感想 ★★★★

2026.3

 

今回は、"学年で一番かわいい星ヶ崎さんと友達になったら毎日密着が止まらない"です。

五十嵐雄策さん作品を初めて読みましたが、やはりベテラン作家の安定感で、ラノベらしい読み易さと面白さのあるラブコメで楽しめました。

高嶺の花と思いきや素は残念なヒロインと、気配を消してもはや眼鏡としか認識されてない主人公が実は…というギャップも良かったです。

あらすじ

桐原高校1年1組で、空気のように過ごす幸村慧。昔子役として活動していた時期もあった幸村だが、友達と思っていた奴からの裏切りによって、友達はいない方が良いと考えていた。

クラスで人気者な星ヶ崎陽菜は才色兼備である。しかし、幸村が寄り道して佇んでいたカフェ『alone』で、同僚と一緒にいる所を目撃するも、グイグイいってその子を引かせているのだった。

事情を聞くと、実際の星ヶ崎さんは友だち『0』であるという。励ます幸村は、それからの星ヶ崎さんの猛アタックに負け、友だち(仮)になるのだが、それから星ヶ崎さんの構ってが予想以上で…。

感想

才色兼備でクラスで陽キャとして過ごす星ヶ崎さんが、素は厄介オタクで距離感バグってて、自己肯定感低くて、すぐ自分を卑下する様子が面白かったです。

勿論にゃんにゃんする星ヶ崎さんも可愛い。チョロい所も可愛い。

狙ってるのか狙っていないのか、際どい発言を時たまするのも笑えました。初めてを捧げましたとか、わたしの大事な場所(私室)にけーくん初侵入記念日とか、朝までしっぽり寝かせないコースとかetc。

いやーでもどうなんでしょう。めちゃくちゃLINE送ってきたり、夜通しでアニメ鑑賞しようとしたり、思いが重かったりするとしても、それでもやっぱり可愛いが勝るかなぁ。

それと、クラスでは陽キャとして振る舞ってるのに、友達0なのも面白い。だからこそ、友達というとのに並々ならぬ執着を持っているのですが。

幸村に対する距離感は正に恋愛におけるそれであり、物語の最後の最後で恋愛感情を意識するという終わり方という事で、次回があると思ってて良いのかな?

続きを読ませてほしいがさき……。

さておき、幸村は元子役で星ヶ崎さんは声優という一面も持っていました。と、同時にお互い友達から傷つけられた過去を持つ者同士でもありました。

友だちが欲しい星ヶ崎さんと、友だちを作りたくない幸村。2人が信頼できる友だちになれればwin-winだと思うけど、どうなっていくんでしょうか。

友だちという言葉にするには簡単でも、定義は曖昧で共通理解かどうかを確認するのも忍びない。それを、生徒が行き交う中で屋上から公開友だち告白をした幸村は格好良かったと思います。

そう言えば、地の文で今の陽キャはアニメとか観るのも当たり前みたいなのがありましたが、元々五十嵐さんはお嬢様だけどオタク、みたいな話を書かれていた訳で、時代を感じるな〜と思いました。

 

今回のbest words

友だちが……ほしいがさき…… (p.44 星ヶ崎陽菜)

 

あとがき

ただの高嶺の花から恋慕を受ける形ではなく、そのヒロインが実は友だち0という設定でありながら、そこまで違和感を持たせない塩梅は上手かったです。

ギャルの月ノ森日依子さんもまた、2人にとって理解者という感じで良いキャラでした。

レプリカだって、恋をする。2 感想 ★★★

2023.7

今回は、レプリコ2巻です。

文化祭回であり、レプリカを抱える新しいキャラクターも登場しました。また、りっちゃんがアニメとかラノベとかでよく見る展開と豪語するように、文芸部の方にも廃部危機が訪れていました。

ガガガ文庫の青春小説って感じでした。

あらすじ

静岡市立駿河青陵高校では10月末に青陵祭が行われる。今年のナオは素直と1日ずつ参加を分け合う権利を手に入れた。ナオのクラスはお化け屋敷をやる一方で、文芸部では部誌を100冊売らなければ、実績無しとして廃部と見做されるという。

そこで文芸部は、同じく弱小の演劇部と手を組む事に。勧告に来た望月先輩は演劇部の部員であり、元生徒会長の森先輩とは幼馴染の関係だった。ナオは媼、アキは翁として参加が決まる。

そんな中、校舎からばら撒かれたA4サイズのチラシ。そこには、"この学校にはドッペルゲンガーがいる。"という告知文が記されていて…。

感想

全体的にちぐはぐな印象でした。

1冊の本として読み物としての体裁は取れているけど、読んでいてどこに面白さを感じれば良いのかあまり分からなかったです。

1巻で感じた丁寧さや透明感が薄れて、凡百な青春小説になっていたと言いますか。

本作はレプリカという特殊設定があるのですが、それを生かしきれていないというか、寧ろ足枷になってすらいるのではと思いました。

何しろレプリカの存在は本人に完全に依存する為、自由に行動出来ない訳で。

だからと言って、ナオとアキを全面に押し出してしまうと、レプリカという特殊設定が形骸化して、普通の青春小説となってしまう。

この塩梅が難しい所だと感じていて、筆者あとがきにあったように、元々1巻で完結する予定の物語を、編集者から続けて欲しいと言われた事で書いたという経緯があるらしく、まだその迷いが消え去ってなかったのではと思いました。

勿論、ナオ達の物語が1巻の内容の後も続いているという意見も正しいと思うのですが、方向性が定まっていないと、今回のような曖昧さに繋がってしまうのかなと。

こう考えると、青ブタは上手く特殊設定を面白おかしく落とし込んでたんだなぁと再認識しました。

一応、話の中盤辺りでようやく森先輩がドッペルゲンガーである事が判明して、ナオや最近生まれたばかりのアキともまた違ったレプリカの形を見る事が出来ました。

森先輩の場合は、本体から一度も消される事なく、ほぼ別の人間としてそれぞれ別の家庭で時間を過ごすというパターンであり。

それ乃ち記憶の共有が行われていないということで、瓜二つでも正に別人として生きていて、性格や個性、特技も異なるというのは、ある意味でレプリカ界隈では希望なのかも知れません。

ですが、彼女の存在が読者に教えてくれた事は、本体が死んだ場合、レプリカも消滅するという事実でした。

前回レプリカは死なない事を体現したナオでしたが、逆のパターンは何とも呆気ない。

もう1つちぐはぐだった点について、2巻ではナオとアキのシーンもあったものの、森先輩と幼馴染の望月先輩の仲もまたメインとして描かれていたと思いますが、その辺りの幕切れもまた消化不良感がありました。

望月先輩は森先輩の事が好きだったのに、レプリカ(リョウ)にすり替わっている事に終ぞ気付かず、剰え本人が事故に遭って植物状態だった事を知らないまま、告白の答えを聞けないまま旅立たれた訳でしょ? 余りにも可哀想。

この2人にスポットを当てるなら、もっと過去の話を挿入すべきだし、それがないと感情移入の余地がない。望月先輩は毒舌なイメージしかない。

それに、何かナオが流れでリョウと交わした約束も有耶無耶だったし、別にリョウにそんな思い入れするほどのものがなかったし…。

今更だけど、アキが普通に学校に来られている説明が無いのもうーんなんだよな。怪我が治ったらレプリカ要らないみたいな話もどうなったんだろう。

ナオの方は前回の事で素直から譲歩を引き出せてる面もあるんだろうけど、文化祭近辺で出突っ張りにさせてくれた理由も分からず。

最後の明日から学校に行く発言とか、素直が電話していた男子?とか、その辺りは次回以降に明らかになっていくんでしょうか。

素直と秋也がデキてる説はある。

良かった点としては、自分のクラスのお化け屋敷にアキと入ってめっちゃビビるナオが可愛かったのと、キスをしたしない論争ですかね。ちゃんと嫉妬もし合う。

キスしてもいいよはもう付き合ってるじゃん。

それから、文芸部の廃部危機については、部誌を100冊(1冊200円)売る事に成功して存続しそうです。このイベントは氷菓でもふたきれでも見た。

というか、リョウが描いた表紙絵どんなだったのか、とかりっちゃんが頑張って売ってる描写とかも気になるなぁ…。

あと、演劇がかぐや姫モチーフだったのは個人的にはタイムリーでした。

今思うと、当時で既に月からの宇宙人みたいな設定の物語が生まれてたの凄いなと思います。今風だと、かぐやから見れば異世界転生みたいなもんだし。

古典を捩ってバトル展開にアレンジしたりするのも、確かに楽しそうではある。りっちゃんの名にかけて!

 

今回のbest words

それと、水族館でもキスしようとしてた? (p.298 ナオ)

 

あとがき

リョウが行なったビラの散布は仲間が欲しかったとは言え、めっちゃ大胆な事するじゃん…。確かに犯人探しする人がレプリカ関係者という炙り出しには覿面だったけど。

レプリカは他にもいるのか、本人の病や傷を肩代わりする方法は存在するのか。

『人間失格』読んだ事ないなぁ…。

レプリカだって、恋をする。 感想 ★★★★

2023.2

今回は、レプリコ1巻です。

第29回電撃小説大賞の大賞作品。2026年4月からはアニメ化も控えているという事で、駆け込みで読み始めています。舞台は静岡県静岡市。

ところで、著者の榛名丼さんは女性であり、主人公も女子。だからこその物語の柔らかさとか、丁寧さを感じられました。

あらすじ

愛川素直は、7歳の頃に自分自身と瓜二つな存在を生み出した。セカンド(あるいはナオ)として、素直に命じられれば現れて代役をこなす。本を読むのが好きなナオは、偶々素直が選んだ文芸部にて、幼馴染で1個下の広中律子との2人だけで快適に過ごしていた。

そんな時、同じクラスでバスケ部だった真田秋也が文芸部に入部してくる。ナオはレプリカである秘密を隠す為、髪をハーフアップにしている時だけ話しかけて良いと真田に提案する。自分でコントロールできないながらも、真田との交流はナオの中で大きくなっていくのだった。

感想

やはり第一印象は、丁寧な青春物語だなぁと思いました。

ラノベっぽくないだとか、女性作家だから?とか言うと波紋を広げそうなので深掘りはしませんが、読んでいてそう感じました。

その丁寧な描写によって、序盤の方からストーリーに没入出来て、特にナオとアキの交流の模様は正に青春そのもので、真っ当な恋愛ものとして楽しめました。

と言いつつ、本作の特殊設定としてレプリカというものがありました。

双子だとか、多重人格だとか、世の中には色んな設定がある中で、レプリカというのは現実離れした、ファンタジーな設定に当たると思いますが、それ以外は至って現実路線。

誰しも明日学校行きたくないから風邪引かないかなぁとかは思った事がある筈。そんな気持ちが設定に落とし込まれているんですね。

この設定について、読者としてはまだ突っ込みきれてない部分があったのですが、それでも展開的に無理が生じない程度だったし、今後明かされていく部分もあると思うので、そこまで気にならなかったです。

レプリカであるナオは、存在が素直の一存であり不安定なのは不憫だったものの、宿主の素直と多少なりとも和解した事で、存在が許容されかけているのかな?

それでも、同時に別の場所にいる事が問題であるのは変わらないし、戸籍も身分証明もなく、自分勝手な行動が全て素直にフィードバックされる事を思うと、やはり自由とは言えないんだろうなと思います。

学校に行きたくない時にレプリカを呼び出して、学校に行かせるというのが根底にある関係で、ナオがした行動は素直の記憶には刻まれない一方で、ナオが表出した時には素直の記憶が雪崩れ込んでくる。

勉強嫌いな素直と、代役として勉強を頑張るナオ。素直の為に力になろうと奮闘するナオは、健気であり儚い。

勿論、ダウナーだけど活発な?素直とレプリカのナオとして学校で見せる顔は違う訳でしたが、意外とその変化に気付いたのは文芸部のりっちゃんと、アキだけの様子。

そうそう、アキが文芸部に加入して、慣れない読書をしていく姿は、これは素直を狙ってるんだろうなぁとバレバレでした笑。

いやでも、好きな人の好きな事をやろうと思う気持ちはとても分かるし、そういうのって意外と捗るもので。

彼がバスケ部を引退した理由は話の中盤以降で分かっていくのですが、そんな彼との浮き足立つような、ある意味で逃避行のような交流は良かったです。

しかしながら、彼もまたレプリカだったのは意外でした。

個人的には、特殊な境遇を持つ主人公を理解してくれるのが良いと思っていたので、一時はどうなんだろう?と思いはしたものの、似た境遇だからこそ理解が深まったり、ナオに対する素直の気持ちに変化が生まれたりしていたので、アリだったのかなと。

怪我をさせられた先輩への復讐として、ドッペルゲンガーの如くアリバイを用意して、殴りに行くというのは、真田くんの境遇を生かした作戦でもありました。

結果的に、ナオがそれを止めさせる形となって、1on1の勝負で勝って謝らせる穏便な着地をしたものの、駅のホームで背中を押されるという展開が待っているとは。

アキを庇ったナオが轢かれる事になり、それでもレプリカは死なないという事で良かったものの、その事実がまたナオの足元をぐらつかせる。

アキとナオの恋愛が上手くいくのか。どこに収束していくのか。

もっと言うと、素直と真田くんの関係ってどうなっているんだろう? そもそもアキはナオを素直だと思ってアプローチしてきたのだろうか?とか。

素直がバスケ部の練習を見に体育館によく行っていたのは、何故なのかとかも気になります。

また、舞台は著者が生まれ育った静岡県という事で、マケインにおける豊橋市のような、成瀬シリーズにおける大津市のような、聖地も生まれるかも知れません。

アニメと聖地は相性が良いので。

読者としても、知らない土地の魅力が分かるのは有り難いし、地元なら地元であ〜あそこね、という風に楽しめて、作者としても描写し易くて一石二鳥なんだろうなと思います。

静岡県と言えばやっぱり富士山かなぁ。

 

今回のbest words

連れてきてくれてありがとう。こんなに楽しい日、生まれて初めて (p.131 ナオ)

→制約の多いレプリカにとっては初めての体験が多い

 

あとがき

自転車で片道35分掛けて通学するのめっちゃ大変そうだ…。夏とか登校するだけでへばりそうだし。

ナオさん手伝い賃の50円だけで19万くらい貯めたってマ? 細かい金額までずっと擦り続ける感じの会話は好き。扇風機何台でも買える。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち4回目! 感想 ★★★★

2026.3

今回は、このすばよりみち4巻です。

アニメ10周年の記念短編集らしい。時が経つのが早くて怖い。今後4期も控えているとの事で、最終的には魔王討伐までは映像化するのでしょうか。

アンジー先輩が出てきた後半に掛けて全盛期に近い面白さがあって、スイスイと読めて良かったです。ウザくないアクアみたいな感じかな笑。バニルも毎度良い活躍してる。

感想

〜領主様のお仕事〜

ダクネスの父イグニスの出張で、仕事を肩代わりするダクネスが天手古舞な話。

アクアは書類トントン係。カズマもふざけたりせずちゃんと助っ人として。プール建設はちゃんと採算取れてそう、下心満載だが…。

それから、この世界の農作物は最早動物並みに動くのはご愛嬌。

ソロパーティ『孤高の紅』がゆんゆんなのが切ない笑。カズマ達ほパーティ名は言われてみれば無かったが、今後も決まる予定は無さそう。

めぐみんの爆裂魔法が終業の鐘みたいな扱いになってるのも良い。

仕事の大変さで、怠けるようなアクシズ教の教義に絆されるダクネス。これがその後、父を動揺させ、クリスを悲しみの旅に出させてしまうとは露知らず…。

 

〜上級職は見守りたい〜

カズマらを影から見守るダークストーカーとアサシンの女2人組の話。

第3者目線でカズマらの日常を推しとして見守るのは、確かに飽きない筈。本当はアクセルの街にいて良い人材じゃないかもですが…。

映画を観に行って、サラッとカップル割と言っちゃうめぐみんからしか得られない栄養がある。

そして、面白くない映画に出会した時に、道連れとして他人にも薦めるカズマが外道。

 

〜冷やしバニルはじめました〜

紅魔の里の展望台に勝手にバニルの名前を付けてたのがバレる話。

バニルミルド。これが何を意味するかというと、デビルサマナーにとって悪魔の召喚には詳細な情報が必要なようで、本名が知れた事でバニルを召喚、使役される可能性が出てきたという事らしい。

先を見通す愉快な仮面としてのバニルですが、その力は絶大。それが悪い方向に使われたら…という危惧。

だったのですが、それは取り越し苦労であり、みんなサキュバスサービス大好きだよねというオチでした笑。肩透かしを食らったバニルは旅に出た…。

ただ、その余波はバニル大好きなサキュバスらに影響した模様。アクセルの街ではサキュバスで成り立っている所が往々にしてあるので()

 

〜先輩冒険者の矜持と本気〜

冒険したいカズマが、前線帰りのアンジー先輩と出会う話。

前も似たような事があって、でもやっぱり今のメンバーが性に合うという形で落ち着いた気がするけど、アンジー先輩も良いキャラしてました。

先輩風を吹かすけどカズマと同年代で背伸びしてるだけとか、面倒見は良いのに空回ってる感があるとか、カズマから超舐められまくってるとことか。呼び方変えすぎ笑。

弄り甲斐のあるキャラで、でもアクアほどおっかない訳でも無くて丁度良い。

いや、でもカズマと違って冒険者としての成長スピードは速かった様子。でもカズマの方が大物を倒してきているし、金も持ってるという倒錯。最弱職のまま。

追われていたマウンテンコアトルスは、めぐみんの爆裂魔法でいつものように退治。3人にお土産とお土産話を持って帰るカズマは割と新鮮。

 

〜後輩冒険者の矜持と本気〜

イグニスが帰ってきたものの、山積する問題を処理していく話。

今回の短編は全て話が繋がっていて、広げた風呂敷を畳に掛かってました。

バニルが販売した線香花火のスクロールも、マウンテンコアトルスの復讐も、軍隊イナゴも、前線帰りとアクセルの街の冒険者、アクシズ教徒らのいざこざも。

やっぱりいつも通りアクセルの街は狂っていて愛おしいという感じ。

バニルの為に捕まったゆんゆんも釈放されて良かった笑。

再びバニルと合体するララティーナを見れたのも感慨深かったです。

 

今回のbest words

あなたがカズマを冒険に連れ出したというメスガキ先輩ですね!この男はアクセルの街に必要な人なんです。私にとって大切な人なんです。それを連れて行こうと言うのなら、アクセル一の喧嘩屋である私を倒してからにしてもらおうか! (p.275 めぐみん)

 

あとがき

今回の短編は物語の後半辺りで、魔王討伐よりは前という事らしい。

確かに記念とか関係なくもう少し頻度高く新刊出ると良いですね…。