心和のラノベ感想

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ゴールデンタイム1 春にしてブラックアウト 感想

ゴールデンタイム1 2010.9

今回は、ゴールデンタイム1巻です。

竹宮ゆゆこさんの新作。大学生ラブコメ。1巻だけを見ると爆発的な面白さはなかったので、スロースタートなんだと思う事にします。レジギガス近本。

あらすじ

大学の入学式に向かう多田万里は道に迷っていた。立ち寄ったコンビニで同志の柳澤光央に出会い友達になる。そして、現れたお嬢様然とした加賀香子に見惚れるも、香子は柳澤を突如薔薇で殴りつける。香子は柳澤と幼馴染のようだが…。

容姿が完璧な香子はサークル等に勧誘されない事に悩んでいた。そんな香子の相談に乗る万里は、とある先輩から声をかけられて香子含めて合宿に参加するのだが、それはカルトの集まりであった。

何とか山奥から脱出した2人はリンダこと林田奈々に助けられ、その縁で「日本祭事文化研究会」こと通称おまけんに加入することに。

感想

1巻単品で見るならば面白くなかったですねー。わたしたちの田村くんとらドラのような没入感がなかった。というか、悪い点が多かったです。今なら11巻刊行されてるシリーズなので、これから面白くなるんでしょ?と思えるけど、当時だったら迷うかも…笑。

まぁ、最後はリンダと万里に何らかの関係性(元恋人?)がありそうなことが判明したり、万里の記憶喪失や浪人が気になったり、ようやく主人公が恋愛レースの軌道に乗ったりと、次回に期待が持てる感じはしました。

今作は、珍しめな大学生を舞台にしたラブコメでした。高校生ならば、大人と子供の境目で多感な時期でもあり、また、高校生ならではのイベント(それも黙ってても必ずやってくる行事)という要素が使えるものの、大学生はそれがない。ボーイミーツガールも高校生までかなーという気がする。高校デビューって言葉もあるしね。

一方で、大学生なら大学生で、今巻でも出て来ましたが能動的に講義を休めたり、サークル、カルト、ライブハウスでのはっちゃけから、酒、タバコ等を使う事も可能。

悪い点の1つが、キャラクターが雑な所。登場人物が1巻にしては多かったので、そもそもそれぞれのキャラクターが掴めなかったです。加えて、香子の魅力が皆無。ただの駄々っ子で痛いだけの女じゃん…ってなる。

それから、酷かったのが主人公の万里が終始仲人みたいな立ち位置にあること。最初っから、香子は柳澤すきすきー過ぎて周りが眼中にないキャラとして登場します。

で、しかも柳澤はそんな香子を鬱陶しがって、さらには岡千波という女を好きになり、香子はあっさり失恋するという。香子は柳澤の為に行動し、大学まで追って来たのにです。少しだけ柳澤の香子への想いは出てくるものの、そんな拒絶する?という疑問も残る。

そして、そんな香子をずっと側で見続けたのが万里であり、終盤に香子に告白することでようやくレースに参加することになりますが、普通読者は主人公に自分を投影し、主人公ヘ向けられる好意を愉しむ事が多いのに、中々無い展開だなと。

因みに、万里がこのタイミングで恋に走ったのは、記憶喪失という設定で一応カバーは出来てます。周囲が自分に持っているイメージと喪失後の自分のギャップに苛まれ、静岡から東京に来たという。

あとは、竹宮ゆゆこ節も弱かったように感じました。なんかテンポが悪いというか寒いというか。今まではそんなこと感じたこと無かったんですけどねー。

今回のbest words

……咲いてないかなあ、オカラシア…… (p.190 香子)

あとがき

偶に万里の描写で第二人格みたいなのが出てくるのが気になりますねー。

次回は、万里の記憶喪失関連や香子と柳澤のすれ違いの過去なんかがみたいかなぁ。二次元くんももうちょい出番プリーズ。