心和のラノベ感想

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん8 日常の価値は非凡 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん8 2009.9

 

今回は、みーまー8巻です。

まさかの550ページに迫る鈍器仕様。みーくんとまーちゃんとのバカンスだと思うじゃん?いつも通り死人は出るのだけれど…、予想の斜め上でした。

あらすじ

「とゆーわけで、まーちゃんはそろそろ新婚旅行に行かないと駄目なのです」

ホテルに到着したみーくんとまーちゃん。何事もなく平穏に一日が終わる。その裏側で何が起きていたか感知することなく。

登場人物は、探偵の花咲太郎とその連れの少女トウキ、自殺志願者の山名美里、ホテルで彼女と待ち合わせ中の大学生の種島檜垣、現金と遺体に揺れ動く中年の椎名幸治、作家の橘川英次、夫を追ってホテルに向かう主婦の桜山エコと…。

感想

ラスト50ページ以外は何だったの?茶番なの??

と言う事で、何か新手の嫌がらせを受けた気分になっております。いや、別に面白くなかったとかそうゆう訳ではなく。

話は、みーくんとまーちゃんが旅行に行く話。なんだけれど、2人の話はホテルに着いて寛いで、そこで終了。いや、斬新が過ぎるぜ。

今回のストーリーは、多数の登場人物の視点が時系列を追って、順々に入れ替わる方式で進んでました。何かが起こって、その場面を別視点で追体験したりと、少しずつ証拠が揃っていくような雰囲気もありました。そして、その視点にはみーくんもまーちゃんも無かったので、これはみーまーと言ってしまって良いのかという面もあり。

サブタイの通り、珍しくみーくん達の視点では何も起きない形が演出されているという具合。実際には、周囲で事件が起きているんだけど、感知しないという。指に赤い糸通し合ってるやばい奴らという認識だけ笑。

で、490ページ辺りまでは、本当に色んな事が起きてました。ロリ探偵が作家の浮気調査をしようとして、看破されて猫の捜索を並行したり、中年のおっさんが決死の窓の外の横断をしたり、ホテルで待ち合わせをするカップルが出て来たり、まーちゃん張りに夫を拘束しようとするイかれた女性が出て来たり、格闘したり、家出娘と親父が仲直りしかけたり、自殺志願女性が飛び降りを躊躇ったり…。

そんな群像劇が同時に起きている中、あれーおかしいなーというのが、死体が全然出て来ない所でした。と思ったら、ラストの50ページで急転直下、犯人の視点がいきなり登場し、水面下で起きていた出来事が明らかになる、という。

それは、借金に苦しむ接点のない男と女が、とある殺人犯に死体処理を任され、死体を遺族に売るというビジネスが意外と上手くいってしまい、今回もその取引をしていた所、男のイかれた妻の電話の連続に嫌気が差し、女が男を突発的に殺害、たまたま出会した清掃員も殺してしまった、という話でした。

結局、とある殺人犯の正体は分からず仕舞いだったのが気になる所ですが、エコさんがアオミドロと呼んでいた人なんですかね?安生さん?

因みに、読んでて少し嬉しかったのは、自殺志願者の山名さんは、前回の短編で飛び降り自殺した少女の妹だった事や、電波女と青春男の女々&エリオ親子?が出て来たことでした。ルイージの探偵事務所にはエリオットがいると言っていたのも気掛かりですね…。

背景が分かってから読み直すとまた発見がありそう。

今回のbest words

いいか、死ねないなら生きてろ。じゃあな (p.449 橘川英次)

あとがき

何も起きない日常も貴重という事でしたが、何か最後で長瀬さんが死んだとの不穏な文章があったので、どうなることやら。

著者近影でっか。