心和のラノベ感想

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灼眼のシャナS 感想

灼眼のシャナS 2006.6

 

今回は、灼眼のシャナSです。

何のSなのかは分からないですが、外伝とか短編、賞編で0巻の後に迷ってSにしたみたいな感じ? 

感想

マイルストーン

マージョリーが、"虺蜴の帥"ウォラクフレイムヘイズ『魑勢の牽き手』ユーリイ・フヴォイカに出会う話。出会いは、戦闘後に身を清めるマージョリーの全裸をユーリイが目撃してしまうという所から。

"穿徹の洞"アナベルグの討滅にマージョリーが向かい、そこで護衛のシュドナイとも交戦に…という流れ。アナベルグは顔が丸メーターという変わり者でした。蒸気で攪乱して戦うということで、単体としては弱め。エンパイア・ステート・ビルの破壊を画策していた。

ユーリイは人間を助ける事を考える、フレイムヘイズとしては珍しいというか、向いてないスタイルでしたが、最後はその性格が災いして亡くなる。なので、実はこの話のメインは外界宿の方だったような気がします。

因みに、ユーリイは海魔(クラーケン)という海洋上で人を襲う徒からの攻撃から、成り行きでフレイムヘイズになったようで、復讐云々がそんなに強くない部類のフレイムヘイズだったのね。小動物を使い魔として使役する『隷群』を使用。

ユーリイも外界宿の一つイーストエッジ(&"啓導の籟"ケツアルコアトル)の元で働いていた少年でした。そもそも欧州の外界宿が今のようなフレイムヘイズにとって情報公開等の重要な場所となったのは、"虚の色森"ハルファスのフレイムヘイズ『愁夢の吹き手』ドレル・クーベリックによるものが大きいらしい。

ドレルについては、以前から何度か出ていた名前ですね。マイルストーンとは重大な出来事みたいな意味ですが、外界宿が誕生して発展してきた事を指している?

〜セレモニー〜

吉田さんの誕生日パーティー回。いつものメンバーが出てくるだけで途端に読みやすい。そして、吉田さんの弟の健が悠二の二股な様子を見た事で、マージョリーヴィルヘルミナを巻き込んで悠二への悪戯を仕掛けていく話でした。普段の揶揄いからの延長。

健自体はちょくちょく出てきていたものの、名前が出たのは初めてかな? 姉の威信を守ろうとしての行動だとは思うけれども、あんま良い印象はないですね…。いや、気持ちは分からんでもないんだけど。それでも、最後は姉と悠二を新郎新婦みたいに写真に収める事が出来たので、お咎め無しという感じでした。

プレゼントに関しては、緒方とシャナは千草の助力でケーキ作り、池はハンカチで、佐藤は花束で、田中はフライパン、悠二が犬のぬいぐるみ。

悠二は既に人間ではないので、誕生日というワードを吉田さんは気にしていたようですが、その優しさもまた良い。穏やかな関係。

〜キープセイク〜

10巻に出てきた『九垓天秤』の面々がブロッケン要塞への入場行進における序列決めについて、喧喧囂囂、侃侃諤諤の会議を繰り広げる話。こういう話があってこそ10巻がもっと楽しめた気はしますが…。

モレクの自己評価低めと、遠回しな恋愛感情を向けるチェルノボーグのやり取りが微笑ましい。そして、本当アシズの統率力というか部下の信頼の厚さよ。10巻では不在だった"天凍の倶"ニヌルタ、"戎君"フワワも登場。

キープセイクは、記念品や形見といった意味ですが、チェルノボーグにとってのそれがレーヴェンツァーン(西洋たんぽぽ)なんですかねー。

今回のbest words

白いじゃないか痛っ⁉︎ (p.243 悠二)

あとがき

短編とかやる毎に世界観がより広がっていく気がします。

そして、巻末には狩人のフリアグネもしっかり収録。炎についてや徒と王の違いは存在の力を操れる量の差だとか。