心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

灼眼のシャナSⅢ 感想

灼眼のシャナSⅢ 2012.11

 

今回は、灼眼のシャナS3巻です。

シリーズ10周年にして後日談含む短編集。なんだけど450頁くらいのボリューム感。ちょっと読むのきついなーと思ったんですが、2本目のノーマッドがサクサク読めて、当時のシャナの面白さの一端を感じられて良かったです。

感想

〜ソロー〜

大地の四神の話かと思いきや、フリアグネフレイムヘイズ殺しの宝具『発砲狂』を入手する話でした。

思い返してみると、この作品において宝具の説明や出番がもっと多ければより面白かったのかなーとも思う。終盤は徒にキャラを増やして異能バトルみたいになってたので。

この話では、世界史のインディアンと白人の迫害といった歴史的要素と、『この世の本当のこと』をミックスしたようなテイストで、村や家族の復讐に燃える少年ビリー・ホーキンを拾って、フレイムヘイズ『氷霧の削ぎ手』ノーマン・パーセルを討ち果たす過程で、フリアグネが宝具を入手する、といった感じでした。

ノーマッド

フリアグネ襲来後に、強い意志で残った燐子が悠二を襲いに来る話。かなり序盤であり、描かれたのも古いからか、悠二のオドオドさやシャナとの関係性、吉田さんとの距離感など懐かしさと共に、この頃は面白かったなぁ…と思ってしまいました。

ドーナツを山盛りにするシャナも可愛いし、吉田さんに何故か張り合ってしまうシャナも良かった。シャナの甘い物好きが、もっと露骨に各所に鏤めてくれてれば、終盤の重い展開でも癒し要素になったんですけどねー。

イラストも当時のいとうのいぢさんのタッチで何か温かみがありました。

〜ヴァージャー〜

外界宿からの依頼で、"皁彦士"オオナムチ討滅に向かったシャナが、『荊扉の編み手』セシリア・ロドリーゴに出会う話。

この『襟巻きさん』ことセシリアがかなり癖があるというか、読者から見ると自分勝手で嫌なキャラクターでした。遺品がある村近くに蟠踞する百足のオオナムチがいるから困っているというセシリアなんですが、情報を開示しない戦闘では防御のみで役に立たないという本当、最後死んで良かったなぁと思える仕上がり笑。

逆にオオナムチも話が分からない奴ではなかったものの、シャナが討滅して任務完了。

〜フューチャー〜

御崎市での[仮面舞踏会]襲来後の話。御崎市症候群て笑。ブギーポップでもあるあるの集団催眠事件で処理された模様。

重要な所は、坂井夫妻の子供がちゃんと産まれていて、名前が三悠(みゆ)になっていたことでしょう。危惧してましたが、ちゃんと"三"の名前が入っていて安心しました。名前的に妹かな?

吉田ちゃんは髪を伸ばしているようです。

ホープ

『無何有鏡』サイドの後日談。ヴィルヘルミナはユストゥスを育て、悠二は『廻世の行者』と名付けられ[仮面舞踏会]のリベザルとカツ丼食べたりと意外と融和していたり、シャナと新興の[マカベアの兄弟]という徒の組織を壊滅させたり。

悠二とシャナが並び立って戦うという、言わば見たかったシーンが見れたのだけれど、悠二自身も『グランマティカ』という自在法を持ってたりして、何かただの雑魚狩りでしかなかったのは残念でした。低俗な俺TUEEEEEを見せられてる気分。

うーん、こういう未来が見えたからああいう展開にしたのか…? とりあえず悠二が行なったことは偉大で、ほぼ全員にとって良い結果を齎したと言って良さそう。悠二というキャラがよく分からなくなってきてますが…。

今回のbest words

だから、この子の名前は  坂井三悠 (p.337 千草)

あとがき

狩人のフリアグネの回答がちゃんと答えになってるのか微妙な気がする…。それだけ設定が複雑でもあるということで。

来月に新刊が出るタイミングで間に合って良かったです。12年ぶりで短編ですかね。