心和のラノベ感想

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十三番目のアリス 感想

十三番目のアリス 2006.8

 

今回は、十三番目のアリスです。

俺妹、エロマンガ先生で有名な伏見つかささんのデビュー作。ハイ・ゴシック・アクションとは?という感じですが、妹要素無しでバトル要素があるという逆に新鮮さがありました。面白かったです。

あらすじ

九条院アリスはお嬢様である。父を亡くし、母も家にいない事が多くほぼ一人暮らしという体だった。15歳の誕生日が迫るアリスには、鬼百合三月という同級生の婚約者がいた。その三月は、情けなさがありながらもアリスを助けようとする気持ちは強かった。

アリスが通う皇城学院は名門私立学校であり、アリスは後輩からも慕われていた。そんな中現れたフェレスによって、アリスは自身がLTスフィアを移植したキリングドールである事を自覚していくことに…。

感想

新しい作品を読み始める時はいつも不安があるのですが、十三番目のアリス面白かったです。ラノベらしい文章、キャラクターの魅力と掛け合いの妙なんかは既にレベルが高いものを感じました。

プロローグで研究者が出てきて怪しげな描写から始まり、お嬢様である九条院アリスの日常が描かれていく展開。友人や母ラミアの突拍子のなさや、婚約者の三月との傲慢でありながら、高慢ちきでありながら、時折覗かせるツンデレチックなやり取りに引き込まれます。

そして、不穏なプロローグは何だったのかと思わせた所で、三番目のフェレスからの襲撃を受ける。この前のシーンで超人的な動きを見せるのが実は伏線で、アリスが実は人間ではない強化ロボのような身体である事が判明するという。

何故アリスが3年前に死に瀕したのかは明らかになっていないものの、その措置によって延命していて、その措置をしたのが研究者である母で。因みに、アリスは中3っぽいです。

最後に再び襲来したフェレスを自身の覚醒によって辛うじて倒し、人間でなくても関係ないと三月が言ってくれて一段落ってな感じ。三番目を従えていたハインツは、完全に三月との対比のキャラとして出てましたね。

そしてラストがベタな引きではあるんですが、一旦助けてくれたもののまだ敵か味方か分からない十二番目?リリス・グラムの転入で続く。大きいおっぱい好きの三月なので、恋のライバルになる可能性も…。アリスは十三番目な訳ですが、1番〜それぞれいる筈で、殺戮兵器同士何故争うのか等も次回気になる所です。

今回のbest words

だから……だから、人間じゃないとか、そんなのは些細なことなんだ (p.270 三月)

あとがき

戦闘周りはやや強引な所もありつつも、面白さが勝ってるなーと思います。設定も展開を広げられそうなポテンシャルがありそうなのも良いです。

キャラクターの魅力が1巻にしてここまで出せるのは流石でした。