今回は、キノの旅17巻です。
キノの旅らしからぬ370頁の分厚さ。というのも、地域新聞に掲載されていた話が収録されているから。連載形式だったらしく、確かに上手く引きが作られているのを感じました。
そして、今回のあとがきは初っ端から。あとがきなのに笑。
感想
〜ファッションの国〜
口絵①。これは口絵だからこそ面白い話。豪華な食事と引き換えにあらゆる旅人に服のモデルになって貰ってると。
〜遊んでいる国〜
口絵②。険しい山と谷の山岳国家。移動手段にパラグライダーを発明したら遊ぶ人ばかりになってしまったという。このパラグライダーが後の話に生きてます。
〜旅人達の話〜
行き倒れの男が故郷に薬を届けて欲しいと言う。しかし、その国では既に病気の蔓延は収まっていた。残酷だけれども、その男は徒労に終わっても国が無事で喜ぶ良い人でした。
〜自然破壊の国〜
素晴らしい大理石で出来た国。しかし、そこの国民達はジャングルでの自然溢れる生活を望み、石で出来た建物を取り壊してしまう。後で後悔しないかなぁ?でも物を作るのが人の性?
〜時計の国〜
国の人達みんなが腕時計をしている国。その時計は時間を知らせる物ではなく、その人が生まれてどれくらい経ったかを知らせる物であった。時計の国なのに住民はルーズそうだな…。
〜左利きの国〜
左利きの人しか入国出来ない国。右利きが悪いというよりかは、右利きを抑圧するルールがある事が問題なんだけど…。
〜割れた国〜
徐々に内乱の理由が分かっていく形式。それを辿っていくと、タマネギの畑とおいもの大地というお菓子が原因だと判明。これは、きのこの山たけのこの里論争では…笑。
〜貧乏旅行の国〜
貧乏旅行で文筆業をする人が、出した本で金持ちになってしまい貧乏旅行の話の続きが書けないと泣きついて来る話。作家も大変。
〜楽園の話〜
長め。断崖絶壁の楽園と呼ばれる地に師匠が流れ着く話。風景描写を頭でイメージするのが難しくてあんまり理解出来てないけれど、とりあえず孤立した場所に女性比率高めの50人くらいが暮らしていたと。
それで、師匠は偶然ここに流れ着いた訳ではなく、そこにいたルイーゼという女性がとある国の生き残りで、女王に戻しにやって来たという話でした。ルイーゼは、取り残された人々も後日助けたんだろうな。
〜恋愛禁止の国〜
何の変哲もない国かと思いきやタイトル通り。恋愛四年論という恋は4年で冷める理論から、勢いではなく国で適性だと決められた人との結婚をさせる国。どっちが幸せなのかは場合に拠ると思うので何ともですねー。
〜料理の国〜
さすらいの料理人があらゆる国を訪れ、その地の食材で絶品料理のレシピを残すという。その特徴を持ったキノが入国し、勘違いされたままキノの料理がその国に定着してしまうという話。これは面白かったです。
キノの料理は酷いと前から言われていましたが、調味料を使い過ぎる故と判明。後から来た料理人によって、2つの名物料理が生まれた模様。
〜広告の国〜
またしてもキノの意向完全無視で広告に使われるようなパターン。広告会社の人も、旅人を使う事で、生じるであろう非難を躱す術としているのは狡猾。キノの国での様子を録画して観光の広告に使うという事でしたが、これは逆効果か…。
本当はポイーヌ・パッパヴィッチャ社の携帯電話を推したいズドラドンデバ・ヅーレッダッタ広告会社が、仕事でベネマッチョ・デデルバルデンド社の携帯電話を推さざるを得ない、そんな話。
〜鉄道の国〜
仲違いした5つの国が別れて独立。その内の1つは環状線の鉄道そのものが国として運営されていた。その国は1番虐げられていた国で、現在は他の国の物資を繋ぐ欠かせない国となっていたものの、先達の遺言には列車を止める事で他国への復讐とする旨が書かれていた。
とは言え、結末は列車を止めないという事だった模様。復讐より貢献を選んだんかな。
〜旅の終わり〜
世界最高のハンモック場。寝て起きたらまた新しい旅。
〜神のいない国〜
長め。宗教団体は軽い刑罰が免除されるという法律の為、エルメスを盗まれたキノが何とか取り戻しに行く話。歳が93で外見が12才のままのジーンが黒幕でした。
〜私達の国〜
乗っ取った国。アルパカのいる国。
今回のbest words
"鶏肉のキノ焼き"!おまち! (p.201)
あとがき
渡す国では遂にシズ達が定住地を見つけたかと思いきや、頑張り過ぎて国外追放となってしまい、旅は続くということで。その国こそフォトのいる国だったんだなぁ。因みに、シズが頑張り過ぎたというのは、村にゴミ処理場を悪知恵で建てようとされたのを、離れた役所に書類を急いで運ぼうとして、交通違反を犯した為。バギーを売らなかったティーは正解だったのか否か。
表紙カバー裏の掛け替えカバーが、タイトル長くて面白い!