心和のラノベ感想

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キノの旅ⅩⅢ 感想

キノの旅ⅩⅢ-the Beautiful World- 2009.10

 

今回は、キノの旅13巻です。

表紙が明るめで何か素敵。スペシャル収録作品があったり、作者へのインタビューの長めなあとがきがあったりでした。

感想

〜嫌いな国〜

口絵①。そんなに悪くなさそうな国、シズだけ移民申請が降りなかったものの、1人の男と入れ替わり出来そうになるも…? オチが分からないけど、男の方が怖気付いたってこと?

〜凄い国〜

口絵②。芸術的なラテアートがどの店でも出てくるらしい国。しかし、キノが訪れた時にはその文化が無くなっていた。曰く、その国では誰にでも出来る事だから、褒められることなく面倒が勝って止めてしまったのだと。

特別とは他の人が真似出来ない故に特別なんだなぁ。ラテアートが保存がきかないというのもまた衰退の理由か。

〜生きている人達の話〜

口絵③。いつ自分達が死ぬのか話す師匠とハンサムな男。運良く生きているならそれで良いのでは。

〜昔の話〜

独裁国家と貧窮する国民の一触即発が近い国で、師匠と男が政治家の逃亡の手助けの依頼を受ける話。沢山の人をトラックで轢き殺していく中々グロテスクな話でしたが、オチは、先が分からないなりに起こした師匠の行動が、未来に繋がっている的な感じかな。

民衆側に渡したトラックが革命の成功となり、また、逃した政治家が別の国で活躍したとのこと。

〜家族の国〜

自分の意思で離族が出来る国。簡単に離婚が出来たり、子供が親元から離れて別の家で引き取られたり。確かにDVとかは減りそうだけど…。

〜違法な国〜

違法文章に規制がかかりほとんどの本が禁止になった国。万引きのシーンが少しでもあったらアウトみたいな。

名作と言われる作品でも、多くがそういった内容は多分に含んでいる筈なんですけどね。これもまた、人の意思の問題だと思いますが、例えば殺人のシーンが全く読者に影響を与えないかと言うと、そうは言い切れないのが難しい。

〜旅人の国〜

シズ達が徒歩の旅人クロスを見つけ、クロスの故郷を救って亡くなった人物の母国へお礼に行くのに同行する話。

一瞬キノの時と同じ展開になる事も予想しましたが、そうはならず。ただ、そのクロスの故郷を救った英雄と、情報を元に会った家族は別人であった。というのも、その英雄がその国で元死刑囚だったらしく。迷惑にならないように、別人を名乗った?

5年子供と会っていない筈の家族の機微を感じ取ったティーは流石。

〜必要な国〜

死刑囚の死刑問題に悩む国が、凄腕の旅人に死刑囚を殺して貰うことで、解決している国。これは入国時にキノに事情を言うべきですね…。現実でも死刑廃止論があったりなかったり侃侃諤諤で、解決には至ってませんが、そっちは人権云々の主張が強い?

〜いろいろな話〜

PS2ゲームの封入特典の話がいくつか。年長者の言う事が絶対の「仲のいい国」、入国時に臓器提供に合意必須で、何度も命を狙われかける「与える国」、偉大な発明を沢山したと主張するも証拠が怪しい「輝いている国」、戦争を仕掛ければすぐ降伏して国を乗っ取れるらしい「売っている国」、都会生活に慣れているが故に旅に出る人が経験不足ですぐ亡くなる「都会の国」。

キノやシズや師匠らが交錯しているのは珍しい。というか夢オチならでは。

今回のbest words

自分の乗っている列車では、途中の駅で降りる人が多ければ多い方がいい。席が空きますよ (p.232 審査官)

あとがき

この世界の話は、漁夫の利的な話か。

筆者あとがきでは、好きな本、映画、ゲーム、アニメ、漫画などが載っていて、世代は違うけれども参考にはなりそう。