今回は、キノの旅5巻です。
ガンアクションのところはあんまり好みではなかったですが、それぞれの国や人の習わしなんかはやはり面白いです。
感想
〜あの時のこと〜
口絵短編。小さな子供が旅に連れて行ってとせがむのをつれなく断る話。前も見た展開なんですが、この小さな子供が実は王様というのが面白いところ?
〜人を殺すことができる国〜
その名の通りの国だけど実はとても治安が良い国だったという話。なんならタイトル詐称ですらあって、「クレープを山にして出す国」でも良いくらい笑。
人を殺すことができる国だからと入って来た野蛮な男が逆に退散させられるということで、人を殺すことができるというのは、人殺しの為にあるというのが肝。良い国。
〜店の話〜
店長の日記形式の文章で、ポツンと一軒家の店にキノがやってくる話。天才は孤独というか何というかというのが真相でした。超強力爆弾を売る店って…。
これは悪い人達がこの店を知らずにいる事を願うばかりですね。
〜英雄達の国〜
4話5話共通タイトル。4話の方は、荒野でのガンアクションバトルで、5話の方は、キノの戦っていた男達が何者だったか分かる話。
男達と何故戦闘になってしまったかは分からないものの、元々は人口が増えて領地を広げる為の調査隊の一つだったとのこと。その国の人達にとっては、その調査隊は英雄だと。
とりあえずキノは分解式のライフル入手か。
〜のどかな国〜
シズ様回。のどかな国だけど住むには欠陥というか陥穽があるという国の話。
災害が起きやすい場所に家を建てるのはやめた方が良いという教訓ですね。
〜予言の国〜
世界が終わるという予言がされた国の話。これは宗教みたいな感じがありますが、色々当たってるとこじ付けでも信じちゃうもんなんですかねー。
オチである意味予言が当たっている事が分かりますが、攻める国の動機も予言かい。
〜用心棒〜
これは叙述トリックみたいなテイスト。女の子の用心棒かと思いきや、用心棒は敵方の雇われだったというような。後は野となれ山となれ感。キノは登場せず。
〜塩の平原の話〜
塩湖で生計を立てるがめつい一家の話。いきなり攻撃されるとか旅人からすれば災難ですねー。
話をすれば分かり合えるというのは良いですが、おじさんも領地を区切ったりと十分がめついかなー。
〜病気の国〜
超清潔な国の話。快適な環境過ぎて逆に外で開拓するのに憧れるというのは何とも本末転倒?
外の少年と文通をする病気の少女でしたが、外の開拓者が新薬の被験者にされ殺されていたという救えない話でした…。
今回のbest words
ふーん。ま、誰だって先のことは分かんないもんだよね。ほら、"レッスン先は黄泉"って言うし (p.130 )
あとがき
筆者あとがきは、筆者とキノが対話するというもので、ボツエピソードや裏話なんかもありました。
病気の国なんかは絶対にハッピーエンドにはならないだろうと思ってましたが、碌でもないエンドだったなぁ。