心和のラノベ感想

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キノの旅ⅩⅩ 感想

キノの旅ⅩⅩ-the Beautiful World- 2016.10

 

今回は、キノの旅20巻です。

あとがきは、本のあらゆる所に隠された②〜⑳の文字を繋げていくと出てくるという仕掛けでした。"20巻の本当のあとがきは実はこれです 皆さん見つけてくださってありがとうございます!" ←表紙に20という数字が隠れてるんだけど、①って付けた方が親切よな…。

感想

〜海のない国〜

口絵①。海のない国に海を説明する。それを上手く言い表したのはエルメスであった。何故か国民に馬鹿にされていたエルメスが汚名返上。海とは心であり、穏やかでも荒れもして、包み込んでくれるけど拒絶もされ、一部しか触れないけど果てしなく広がり、いつも同じようで違うと。深い。

〜人間の国〜

シズ達が訪れたのは人間が動物のように本能のまま暮らす国。裸なのは勿論、欲に忠実。そんな国民が3万人弱いるというから驚き。薬による脳の発達の抑制によるもの。

そして、その中から10人の選ばれた賢者のみが知性を持って国を運営する役割を担う。戦争のない人類の保全を目的として。どっちが幸せなんでしょう?

〜仲の悪い国〜

3つの国が仲の悪さ故に交流をしない。貿易と開国の重要性。イノベーションは他業種の強みの掛け合わせで生まれるのだ。

〜拘らない国〜

複数の人間と付き合わなければならない国。1人と付き合うからこそストーカーやDV等に発展すると考えている為。選択肢が余裕に繋がるのだと。

ある意味で経験豊富になれそうだけど、親権とかはややこしくなりそう…。因みに、キノは15人ほどからナンパされた模様。そういや、20巻の表紙のキノが女性らしく見える件。

〜宝探しの国〜

同じタイトルが2度続くのは、師匠のする昔話と実際に師匠らが経験した内容の2本立ての為。薬物兵器を人を助ける薬に変えたという話っぽいから素晴らしい。

財宝が眠る国があると聞いてやって来た師匠達。濁流が止まって入国出来るタイミングで、他の面々も噂に釣られてやって来ていた。シショー、デシ、テッド、オッチ、ドクター、ミーシャ、ヤージとヤイン。

名探偵コナンだったら殺人事件起きそうだなーと漠然と思ってたら、本当に犯人不明のまま死人が出たりして、緊迫感のある面白さでした。

自殺する者、お宝を独占しようとする者、大量破壊兵器の研究をする者、殺害に愉悦を感じる者等色々な思惑が交錯する中、師匠達は依頼で細菌兵器の阻止の為に来ている事が判明。しかも、病気の妻のいた亡きオッチの件も関与しようとは…良い人過ぎる。

〜夫婦の話〜

依頼で夫婦の記念写真を撮るフォト。旦那が死亡したことで、その夫婦はどちらも身分を隠していたスパイだった!と判明する話。何だかんだ女性の方が夫を愛していた事が滲み出るラストが良き。

〜ターニングポイント〜

大統領を殺そうとして止め、人気歌手を殺そうとして何か唯の熱狂ファンみたいな形で終わって、旅人を殺そうとしてキノに返り討ちに遭って、常に周りを下に見る独善的な男かと思いきや、最後には売れっ子作家になって例の歌手とも結婚。

何がきっかけで好転するか分からないけれど、この人のターニングポイントは完璧にキノとの邂逅ですな笑。本人認めてないけど。

〜羊たちの草原〜

キノが珍しく車を運転する話。羊を侮る勿れ。闘羊として鍛えられ、動物愛護の観点から国外に放出された羊達の厄介さというか、捨てた国が戦犯過ぎる。

キノが車を運転したのは、地割れと羊の脅威で亡くなった人の車を拝借したから。車で羊を轢き殺していくという中々残虐な話でもありましたが、背に腹はかえられぬということで笑。

今回のbest words

モトラドだって飛べるー! (p.248 エルメス)

あとがき

旅の話は、世界何周もした!って人が出て来てむむむと思ったけど、bでその国の人はその国以外に人はおらずこの国で完結してると分かる。だから、井の中の蛙な訳ですな。でも、そこの夕日は外を見て来ているキノにとっても素晴らしいと言えるものだったようですが。

キノの旅・宇宙編は…移動の景色が変わらな過ぎて退屈らしい。