心和のラノベ感想

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キノの旅Ⅵ 感想

キノの旅Ⅵ ーthe Beautiful Worldー

 

今回は、キノの旅6巻です。

どれも面白かったですが、特に「安全な国」、「忘れない国」、「祝福のつもり」辺りが好みでした。

感想

〜入れない国〜

口絵その①。後ほどの「安全な国」に近い感じで、昔それを持っている人が事件を起こしたからパースエイダーだとかモトラドを持っている人は入国禁止だと言われる話。

でも、商売っ気には負けるようですよと。

〜中立な話〜

口絵その②。死体を前に分前を揉める2人に対して、通りがかったのが普通の旅人かシズかキノか師匠たちかという4パターンの仲裁方法というか、顛末が描かれた話。

普通の旅人は撃ち殺され、シズは武力をもってあくまでも中立、キノは無関心を貫き、師匠たちは3人分頂くとしてがめつさを発揮。個性が出てて面白い。

〜戦車の話〜

口絵その③。操縦者を失い、それでもとある戦車を壊す為に無人で進む喋れる戦車の話。

実は、探している戦車はその戦車自身の特徴と合致しているようで、うーん救いようが無いやつ…。

〜彼女の旅〜

同じタイトルで2つ話があって、指している彼女は別々っぽい。

1つ目は、夫を交通事故で亡くした女性が、その事故の加害者で服役していた男を、法の抜け道を使って旅に連れ出す話。

男はかなり反省して、被害女性に1ヶ月に1回手紙を出す等していたものの、国を出てすぐ女性に射殺される。どんなに贖ったところで、女性の心の傷は癒えなかったということで、これは現実でもあり得る話だなーと。

2つ目は、武器を持たずに話し合いで解決すべきだ!と説得する女性と、その護衛で武の達人の男の話。理想論は理想論で結局、自分の身を守れる力は必要なんだよな…。

〜花火の国〜

その名の通り。その実、謎の武器供与に対して、戦う相手のいない国が一年に一度使わない火薬とか弾薬とかを放出してるという話。

人知れず他国の脅威となっているようですが、正に綺麗だったからそれでいいやですね。

〜長のいる国〜

師匠とハンサムな男の出会いの話。国の長が山賊に拉致されて、食糧などを集られていて、訪れた師匠に討伐が託される。

なんだけどことは単純ではなくて、慕われていた長でしたが、長という役職は人に押し付けられて自己犠牲を強いられる為に、長が自ら国を逃亡していたと。それだけ見ると長が可哀想でもありますが、ただ師匠が倒した山賊は逆に長に利用されていただけで、その上で師匠をも殺そうとしていて、逆に返り討ちに遭うという展開でした。

ハンサムな男は、山賊に紛れて生き残った男で、元々はどこぞの賞金首?

〜忘れない国〜

洪水被害を忘れないように式典を行う国の話。鎮魂歌みたいなのは面白い。

だけれども、忘れないと言いながらまた最終的に洪水に見舞われてるのが何とも間抜けなところで。山火事の後は山の貯水能力が落ちると。

危機を察知してキノは珍しく3日滞在する前に国を出て回避したのは流石。過信は良くはないね。

〜安全な国〜

危険だとして人の死や怪我に繋がるものは何でも法律で禁止または制限されている国の話。パースエイダーを始め、ロープに刃物、水泳や棚とかの高さなどなど。

これは極端を詰めたタイプの話で面白いですが、正に最後に出てきた審査官の言う通りで、物ではなくて、使う人間の良識次第で便利になるか凶器になるかという話ですね。

噛む力が0.5鉛筆とかこの国の単位も面白かったです。

〜旅の途中〜

これもタイトル通り。ただキノが廃墟で雨宿りするだけの回。

蒼い人たちは幽霊なんでしょうか…。

〜祝福のつもり〜

シズ様回。立ち寄った国で貧民層の少女の執拗な売り込みで、少女を買って国の外を出る話。なんだけど、少女は国の中では「!」が会話でずっと出ていて快活で可愛かったものの、壁の外では「!」が無くなる。

その理由が、シズに身を売る+自分の臓器を売る事で家族の生活の足しにしたからで、捨て身の作戦だったから。買われるまでは自分が外に出たいからと自分本位なのかと思いきやのこの事実に、中々感動というか健気さに心を打たれました。

シズと陸の会話がよく分からない部分がありましたが、この話がシズとキノがコロシアムで会う直前の話だと分かって納得。

今回のbest words

暇つぶしで聞くにしては、ちょっとベイビーな話だね (p.23 エルメス)

あとがき

今回の筆者あとがきは無茶苦茶な試験問題でした。これは解けないー。

毎回プロローグとエピローグに触れるべきなのか…分からぬ。