心和のラノベ感想

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キノの旅ⅩⅩⅢ 感想

キノの旅ⅩⅩⅢ-the Beautiful World- 2020.11

 

今回は、キノの旅23巻です。

ようやく最新刊に追いつきました! 今回のあとがきは、わらしべキノの旅ということで、物々交換で最終的に国を手に入れてしまうキノの短編でした。飽くなき食べ物への執着。

感想

〜演技の国〜

口絵①。その役と同じ身でないと映画に出られない国。結局、出演者の身の上からストーリーを作っていく感じか。そして、師匠達は経験の癖が強すぎて…。

〜ペンの国〜

口絵②。自由な表現が規制されている国。発表したいことがあれば事前審査が必要で1ヶ月ほどかかるらしい。この国では昔何が起きたのか、デマが広まったとか?

〜ロボットがいる国〜

突然やって来たロボットが国民の手助けをしている国。ロボットが働いて人間をだらけさせる事で国を滅ぼそうという魂胆らしいけど、この国ではロボットを仲間として受け入れて、休みまで与えてしまっていると。

師匠の昔話の懸念は良い意味で外れたことに。強い人間性を持つ国民でした。

〜ピンクの島〜

何から何までピンク色の島を見にフォトが赴くと、全て赤色になっていたという話。住民はその赤をピンクだと思い込んで生活しているようだが…。盲信者には何言っても駄目なパターンか。

〜眠る国〜

国の中に大きな箱がある国。180万人以上がコールドスリープ状態だという。病気が全て克服された時に起きれば無敵じゃんという、何とも他人任せだけれども理に適ってはいる。ただ、20歳までは休日無しで働き詰めのブラック国家という弊害も。これは、年金生活の老人を支える若者の縮図のようだ…。

〜愚か者は死んでもいい国〜

独裁国家への旅人待遇は良いということで、キノが訪れる話。確かに、旅人を厚遇すれば周りに良い評判がいくようになるな。そして、抵抗する人を粛正すれば見てくれは国民の総意になってしまうと。

国内は1人1端末でID代わり、IoTなど技術が進んだ様子。今回のbest wordsにも選びましたが、正にその通り。中国っぽいね。マイナンバーカードもそうかな。

ただ、ここの大統領は独裁者ではない?愚か者を殺すべきか国民に問い、殺すべきと答えた人を逆に捕らえるという。でも、最後統領亡くなったっぽいけども。

〜戦える国〜

ロボットめいた冷たさの兵を持つ国。それは、脳の制御で怯まなかったり程良く兵として処置を施しているとのこと。前にも似たような話があったな。この技術を欲しがる他国が多いせいで、この国は処置をして迎撃せざるを得ないと。悲しみの連鎖。

〜狙撃犯のいる国〜

長め。その国以上の技術の持ち込みが禁じられている国。そこで、想定以上のライフルでの連続狙撃事件が発生。ま、前に旅人が密かに持ち込んだ武器が使われていたって話。それに、ボンボンのバカ息子が事件を起こすも権力を笠に着て事件を揉み消したことで、関係者への復讐劇が始まっていく的な。

ドクター・メンダは最後に目的を成し遂げたっぽいかな笑。

〜始まりと終わりの国〜

終わった国を出て新しい国を作った人々。以上←え?

今回のbest words

アレだよ。全ての"便利"は"管理"との表裏一体 (p.94 エルメス)

あとがき

赤い霧の湖では、悲しいけれども何とも良い話っぽい終わり方でした。国と国を結ぶ湖を渡す船。その途中に出る赤い霧は、大人には有毒とされるため、船では子供達が多く出稼ぎで働く。その赤い霧は、目的を持った者に作用するのではと言われ、恋するカチュアという少女が亡くなってしまう。けれども、恋する少年と最後に会えて、亡くなっても意識は一緒に…という。ちょい素敵。