今回は、新約とある16巻です。
水着の食蜂+美琴という衝撃的な表紙ですが、内容はSFチックなものでした。
あらすじ
突如として学園都市を襲った、摂氏55℃の大熱波に地上を埋めるエレメントという名の擬態生物。上条らの学校でも水不足に喘ぎ、エレメントに脅かされながらも、屋上を伝って決死の行動を起こしていく。
エレメントとの戦闘の途中に現れた美琴は、衰弱した上条を学舎の園へと連れて帰る。上条は、常盤台中学の自分たちの生活を遥かに凌ぐ環境に驚きつつ、美琴らと諸悪の根源?たる『水晶の塔』へと向かうのだが…。
感想
大熱波による暑さで皆が水着姿で、それに加えて街中にはモンスターが跳梁跋扈して拠点から中々出ることの出来ないという状況。急にこんな話になるもんだからびっくりもするんだけど、話はちゃんと前回から繋がっていました。
というのも、この2つの現象は別々の経路で起きていて、エレメントを扇動しているのが上里への復讐を誓う木原唯一で、熱波の方はエレメントの行動を抑制する為に、上里勢力の府蘭が起こしているという。
こういう極限状態だと、格差はより浮き彫りになるし、何より情報が大事だなと感じますね。発生原因を知ることもそうですが、やっぱり上条らに比べて能力を使えるお嬢様方の方が文明は進んでいるという。まぁ上条たちが原始的過ぎなのもあるけど笑。
復讐というワードは木原加群もそうですし、唯一も上里でも出てくるんですが、確かに揺らぐ復讐者は消える定めなのか。最終的には、自死を厭わぬ唯一の攻撃に対して、上里は周りを守って消失。上条はその場にいつつも、上里にこの子達を頼むと言われたら、ねぇ…。そして、上里勢力のおよそ100人の少女たちは、結果として唯一サイドに付いて…というラスト。これは、理想送りの影響ではないと思いたいところですが。
そういえば、上条と黒子が話すシーンって結構珍しいと思うんですが、後々にお姫様抱っこされたと知った黒子はどうなることやら…。
今回のbest words
決まっているわ。生きているっていうのはね、それだけでとても尊い事なんだから (p.151 食蜂操祈)
あとがき
上里を取り戻すことは出来るのか。その理屈でいくと、消えた魔神たちも戻せることになりそうだけど…。
地味にこういう騒ぎが起こった時に、上条がさらっと美琴の安否を確認する描写がいくつかあったのが何というか心の移り変わりなのかなーと思いました。