心和のラノベ感想

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新約とある魔術の禁書目録9 感想

新約とある魔術の禁書目録9


今回は、新約とある9巻です。

この帯の感じ好きです。表紙の絵と一体になってて、その巻に起きることが文字として書かれているという。

口絵のインデックス、神裂、ステイルの絵が最高ですね!

あらすじ

『主神の槍』を手にしたオティヌスは、上条に対して様々なあり得た世界を見せ、精神的に追い詰めていく。そして、上条ではなし得なかった完全なる平和な情景を見せつけることで、上条は自身の存在意義を疑っていく。

そこへ、決断を迫られる上条の前に生死を超えた人物が現れて…。

感想

読み終わってみると、えーーっ!という展開が待っているんですがそれはさておき。

序盤は、リゼロの聖域編を見ているが如く読んでいました。結構辛く厳しいシーンが出てくるものの、僕はこういうの割と好きです。

友人から大罪人扱いとか普通にしんどいですし、上条がいなくたって別の誰かが同じ事をやってただろうから不要みたいなこと言われるとね…。

それでも、上条が手を伸ばして助けることの出来た範囲は大きくはないけれど、助けたことで不幸になった人もいるかも知らないけれど、それでも助けられた人にとっては紛れもなく上条はヒーローで。

オティヌスが見せた世界は、完全無欠でただの高校生である上条では到底なし得ないもので、そりゃ神には負けるよねと。でも、死んだはずの人と仲良く暮らしているみたいな話も勿論第一なんだけど、世の中そんなに綺麗事だけではないし、絶望感から希望や幸せの価値も生まれ得るのかなーと思ったり。

これを見た上条が、元いた世界に戻ることはこの平和な世界の人々を殺すことだっていう思考になるのが流石だなーと。それでも、現れたミサカネットワークの『総体』の助言で少し上条が我儘になって物を考えていくのは良かったです。いや、あんなに弱音を吐く上条を見たのは多分初めてだったし、改行ないし笑。

それで、オティヌス側からの物理攻撃に関しては、シューティングゲームの例を出して、暗黙知的な、体の経験から攻撃を予測して対処していくという動きを見せてました。まぁ実際、魔神だったら一も二もなく瞬殺できそうですけどね…。そこは、オティヌスにも迷いがあって本気で殺しに来てないとか、意外と妖精化が効いていて、実はオティヌスも全然万全じゃなかった的な話っぽいですが。

何か意外とオティヌスも『理解者』が欲しかっただけ…みたいな感じで、最後には力を放棄して、しかも上条は次に完全にオティヌスを守る為に世界を敵に回す覚悟までしちゃってるし、どうなるのこれ…って感じでした。

今回のbest words

実際に、あの時、あの場面で/return。がむしゃらに駆けつけて彼らを助けたのはアンタだったんだ/return。たとえ他の誰にだってできた事であったとしても、仮定の話じゃなくて本当にやってくれたアンタには、みんなちゃんと感謝をしていたのよ/return (p.202 総体)

あとがき

世界の敵から今度は守るべき存在に、この緩急がとあるシリーズなのよ。

インデックスが神裂を呼ぶ時って、「かおりー」なの??