今回は、よう実2年性編5巻です。
所々これまでの内容を忘れかけてますが、今巻も単純で簡単に見えて、残酷な特別試験の模様を楽しめました。高円寺が言ってることってド正論なんだよなぁ。
ネタバレなしで書くのも味気ないので、ネタバレを恐れる方は、読んだ後に見ていただけると幸いです。
あらすじ
無人島の試験が終わり、2学期が始まる。文化祭、体育祭が控える中、退学者が少ない2年性に向けて、満場一致特別試験が行われることに。
この試験に対し、茶柱始め教師らにも苦い記憶があるようで…。
感想
現在の意思決定では、多数決が取られることが多い。それは、満場一致で決まることが少ないからだと思います。教室という約40人の中ですら難しい訳ですし。
かと言って、多数決が正義かというと、数の暴力で少数の意見を封殺してしまうという点で必ずしもそうとは言えない訳ですが…(なんか、物語シリーズの老倉育を思い出してしまいました)。
何かを頑張る必要がないとは言え、1人でも意見が合わなければ前に進めないという点では、難しい試験と言えそうです。
今回の面白いところは、最後の問いである“退学者を出す代わりに100クラスポイントを得るかどうか"に対して、龍園のクラスが予想に反して退学者を出さなかったことです。
真っ先に、退学者を出しそうな雰囲気がありましたが、龍園にも変化があったり、葛城の加入などもあるんでしょうね。クラスの立ち位置、試験の時期によっても選択は変わっていたとは思いますが、結果退学者を出したのは綾小路のいるクラスのみでした。
これによって、次巻からはBCDクラスの三つ巴からは一歩リードですかね。Aクラスはポイント的に、退学者を出さない選択は容認できますが、Bクラスの仲良しムードも、戦いの中では今後障害とはなりそうです。
綾小路のクラスでは、今回大きなポイントが3点ありました。
1つ目は、櫛田の過去が周知の事実となったことでした。堀北と綾小路の退学を狙うあまり、お粗末な立ち回りをしたが故です。
初期に、綾小路に胸を触らせた件が遂に日の目を見るかと思いきや、全然武器にならないという笑。過去を知る2人を始末しにいった挙句、綾小路との口論に負け本性を見せてしまったのは、覚悟を決めたという事情もあったにも関わらず、らしくなかった気がします。
元が優秀であることに加えて、前々から示唆されてきた堀北の救いたい気持ちによって今回は生き残りましたね。何となく裏の顔が割れても、何だかんだ今まで通りやっていけそうな気もします。
2つ目は、佐倉愛理の退学です。今回一番可哀想だったのが、佐倉でした。
想い人である綾小路が、軽井沢と付き合っていることが判明しただけでなく、そのショックから時間が立たないまま、当人からある種戦力外通告を受けるという。 最近影が薄かったのはありますが、割と好きなキャラでしたし、ほぼレギュラーキャラと言っても差し支えないポジションだったので、少し驚きました。
ただ、学力と運動能力不足は前から言われていたことなので、努力不足とは言えそうです。もし、今後文化祭でメイド喫茶をやるのであれば、確実に戦力になったと思うので、そこはどうなんでしょう…。
あと、綾小路グループは下の名前で呼び合ってるのは良いのですが、綾小路がクラス内の議論で愛理とか呼んでるのは、ちょっと違和感かな…。
3つ目は、担任の茶柱の過去との訣別です。
今回の満場一致特別試験は、茶柱始め、ABクラス担任が高校時代に受けたものと同じでした。当時の茶柱の選択によって、Aクラスに行く道が閉ざされる足掛かりになったと。
この試験では、1番選んではいけない選択肢は、満場一致にならず300クラスポイントを失うことです。結局は、自分が後悔しない選択をしろっていう話なんですが、綾小路によってその当時、上手く誘導できた可能性を茶柱は知ると。
そんな訳で、思ったより何てことないような内容な告解でしたが、今回の件で今までどこかクラスに対して冷徹な印象のあった茶柱先生でしたが、Aクラスにいけるように協力するような姿勢に変化しました。
おわりに
今更ではありますが、のんのんと学生生活を送ってきた身としては、退学というシステムはする方もさせる方も恐ろしいなと思います。
というか前巻の4.5巻も.5巻とは言え、ちゃんと読んでないとダメなパターンですね。色々点数変化とか、キャラの相関関係とか纏めてみたいけど、あまりそこに労力もかけられないかな…。
そう言えば、プライベートポイントが半年半額の代わりに、堀北はプロテクトポイントを得ましたね。クラスからのリーダーとしての信頼が出て来たと感じます。他にも、クラス内にプロテクトポイント持っている人いたような…。
2021.11.23