今回は、狼と香辛料7巻です。
初の短編集。内訳は、中編1つと短編2つ。3つ目のホロ視点でロレンスを捉える話が良きでした。
感想
〜少年と少女と白い花〜
領主が亡くなったことで、海を目指すという名目で棲家から逃げてきたクラスとアリエスが、道中でホロに出会う話。これが6巻でホロが言っていた少年少女のことかな?
領主の娘で世間知らずなアリエスと、アリエスより少し幼い?もののそんなアリエスに好意を持つクラスのやり取りは、何とも微笑ましかったです。クラスを女の子だと思っていて夜抱き着いて眠るアリエスが可愛い…。そして、その好意をお姉さん的な立ち位置からホロが揶揄うってな感じ。
終盤の巨鹿との戦闘シーンは、ホロが仕組んだものだったんですかね。クラスの勇気を後押ししたみたいな。最後まで描かれてはいないですが、ほぼ一文無しのクラス達の旅は前途多難と言えそうです。
〜林檎の赤、空の青〜
パッツィオで、ロレンスがホロの服を買う話。金貨を両替する為にワイズも出てきますが、ホロはロレンスの嫉妬を引き出す為に態とやってるんだろうなぁ。
ホロの今着ている高めの服を見せ、今後の取引も匂わせつつ、襤褸を少し高めの値段で買うことで、本命の服を値切って全体の買い物を安くするという手法は流石商人と言ったところ。ホロの軽口でさらに値切れてしまうのが、何とも笑い種ですが…。
〜狼と琥珀色の憂鬱〜
ロレンス、ホロ、ノーラが祝宴をあげる中、ホロが体調を崩してしまい、ホロがロレンスに看病される話。ホロ視点の書き下ろし。
ノーラというキャラが個人的には好きなので、また出番があれば良いなぁと思っていたんですが、ま、ここでの扱いはホロのヤキモチの相手って感じ。やっぱり単に羊飼いだから嫌いって話じゃないんだよね。
ホロ視点で見るといかにロレンスを好きかってのがモロに分かるのが面白い。お人好しで恋に鈍感なロレンスと相性が良い。疲れているのか、いつもより弱気な発言が多めのホロも珍しかった!
今回のbest words
広い心を持つことですね (p.280 ノーラ)
あとがき
ホロ視点が1つ入ったことで、今後また物語を広い視野で見られそうだなぁと思いました。
3人旅となったことでどう変化していくのかも楽しみです。