心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

三角の距離は限りないゼロ7 感想

三角の距離は限りないゼロ7


今回は、三角の距離7巻です。

少しずつ交代ペースが減っていく秋玻と春珂に対して、ここでまさかの四季が壊れるという、停滞感のある回でした。

表紙のこの服の開け方が煽情的っ!

あらすじ

突如としてハイテンションになったかと思いきや、急に落ち込んでしまったり、四季は自分を見失っていた。そこで、秋玻らはこの1年間を一緒に振り返ったり、友人から四季を嫌いに思っている人まで様々な面々に、四季の普段の雰囲気を聞いていく。

そして、徐々に近付く二重人格の終わり。

「矢野くんが、選んでくれた方が残ります」

「矢野くんが、選ばなかった方が消えます」

感想

矢野くん、躁鬱病かな?かな?

開幕から謎テンションで、こっちも笑わせてもらいました。この作品って、辛うじて須藤さんがテンション高いキャラですが、それ以外は淡々としている人が多いので、新鮮で面白かったです。強引BOY笑

やっぱりラノベやアニメには、何人か頭のネジが外れているキャラがいる方が楽しめるなーと。

今回は、自分が思っている個性と、他人が感じるアイデンティティにはズレがあるというのが主題でした。人によっても感じ方はバラバラで、自分が思っているその人の人物像は一面性でしかなくて。

また、人は無意識に、接する相手によって自分を演じ分けているのだと感じさせられました。他己分析で新たな自分に気付くのだ!

そして、秋玻と春珂の四季に対しての印象も違っていて、また、四季に色んな面があると知った上での受け止め方も違っていました。

秋玻は、どんな矢野くんも全て矢野くんスタイルで、春珂は、自分が感じている矢野くんこそ矢野くんだというスタイル。前者は、前の須藤さんの言ってた事に近いのかなー。

ラストで、四季は春珂の方を選んだっぽい?ですが、何かそれは甘えな感じがするんですよね。この作品がのっけから考えていたテーマを冒涜しているような。そんな感じがするので、次回はもう一波乱あるんじゃなかろうかと勘繰ってしまいます。

メロンブックスのSSはフォントの話。今作では、秋玻と春珂の書く日記で、それぞれ書体が違う訳ですが、確かにそれで全然雰囲気変わるので面白いですよね。

あとがき

次回で最終巻ですね!

実際には7巻から8巻の刊行は1年空いているんですが、来月に読めるのはでかいなー。

秋玻と春珂の本当の名前や二重人格になってしまった事件など、過不足のない締めを期待します。

三角の距離は限りないゼロ6 感想

三角の距離は限りないゼロ6


今回は、三角の距離6巻です。

全体の動きはそんなに大きくはなかったですが、四季が再び悩み始めたことで、秋玻と春珂の交替ペースがまた減り始めて…という展開でした。

あらすじ

終業式を控え、春珂は2年4組のクラスメイト達に対して、解散会をしよう!と投げかける。春珂は四季と共に、会場や日程の調整などを行なっていく。

また、四季は秋玻と春珂どちらかの選択を迫られて、友人らに相談を持ちかけていく。

感想

結局、四季は秋玻と春珂のどちらを選ぶのか決めなくてはいけなくなり、それがまた二重人格の交代ペースを早める結果になるというのは、難しいなぁと思いました。

今回、ラブだめで勝沼や幸先輩に相談した彩乃よろしく、四季は色々な面々に自分は秋玻と春珂どっちが好きだと思うか、と聞いて回ります。本当、第三者の意見って大事ですよね。

須藤と修司からは、秋玻の方が四季の趣味に合っているだとか、春珂の方が笑顔で一緒にいて楽しそうとかの意見が出ていました。

omochiと小暮さんからは、修学旅行で打ち解けた秋玻派の小暮さんと、アイドル的な神聖さの秋玻は近寄りがたさがあるという意見も出ました。にしても、確かに行為中に入れ替わったらどうなるんだろう…笑。

細野と柊からは、過去ではなく未来の視点を得られる訳ですが、細野こんにゃろ…お昼休みに屋上に来やがれ!デス!!

そして、霧香からは二人の中から選ぶべきじゃないという助言を受ける。これは、暗に自分という選択肢を仄めかしているのかなーとも取れる訳ですが、最後で好き好き大好き超愛してるが秋玻でも春珂でもない的な描写がありました。

ここから考えるに、二重人格の解消=秋玻と春珂どちらかになるということではないのかなーと推測してしまいます。思い返してみれば、秋玻も春珂も後から便宜的に付けた名前であり、どちらが正解でどちらが不正解という訳でもない。

個人的には秋玻派ではありますが、今後の展開は作者次第ですね。

そして、解散会ですがより良いものにする為に、サプライズで1年を振り返るムービーを作って、カラオケルームを確保していきますが、その予約会場でトラブルが発生。窓が割れたくらい塞げと思いますが(笑)、結果としては2-4教室を使うことで解決。

この教室を使うという案が、千代田先生が思い入れのある場所で結婚式を挙げたことから生まれたっていう流れは良かったです。

あとがき

恋愛って明確に勝者と敗者が出てしまうのが良い所でもあり、辛い所でもありますね…。しかも、この話に限っては敗者の人格がそのまま消失しそうな勢いという。

この展開を丸く収める事が出来るのか楽しみです。

2022.7.31

三角の距離は限りないゼロ5 感想

三角の距離は限りないゼロ5


今回は、三角の距離5巻です。

四季が秋玻と春珂を同じように愛すようになって、2人の間でどっちつかずな自分の態度に迷い、一方で、進路をどうするか迷う、そんな葛藤が描かれた5巻でした。

あらすじ

前回の取引によって、四季は秋玻と春珂を同等に愛し接していた。多少の罪悪感と背徳感と共に…。

一方で、年越しを迎え高校2年生としての時間が過ぎていく中で、進路調査の話題になっていく。特にやりたいことを見つけられていない四季は、柊の姉と千代田先生の夫が務める出版社に、職場体験へと赴くことに。

感想

三角の距離は限りないゼロという作品が、清楚で純朴だと考えていた時期が俺にもありました。ということで(笑)、今回は僕の好きな背徳感ラブコメらしい展開が盛り沢山で面白かったです。

四季が2人を好きでいることで、秋玻と春珂がお互いに肯定感を持って、どちらの人格も安定するという設定がいじらしくもありますが、この初めてのことをして、とかあの子にやった事を私にも、とかこういうズブズブ感が堪らない。

キスも身体を触るのも、そして太腿に落ちたバレンタインチョコのパウダーを嬲って舐るシーンなんかも、官能的でした…!

一方で、出版社に職場体験に行く場面もリアリティがあって真剣で、展開的に落差もあって良かったです。こういう所は作者さんだから、勝手が分かってるんでしょうね。

そして、千代田先生のヒロイン力よ。後ろに付いていた短編もそうですが、一担任としてだけでなく、高校時代とのギャップ等が明かされたり、小説の事になると熱くなったり。

今回で、秋玻と春珂の過去の名前についても、こっちゃんというヒントが出てきました。それだけでなく、二重人格が解消された時に、どっちの人格が残るのかというのも次回以降の伏線になりそうです。

小さい頃の秋玻のアルバムを見て、四季が春珂だと見間違えるシーンや、春珂が幼稚園時代の先生に秋玻として電話した時に昔と変わってないと言われたり。

何かこの、秋玻と春珂はどっちが本当の自分なのかみたいな話は、四季の演じる自分も果たして自分と言えるのかというテーマに通ずる所があるように思えます。

そして、四季がどちらかの選択を迫られた時にどちらを選ぶのか…。進路と恋愛の選択、四季の境遇とところのキャラクターの設定、似たような展開があると話の内容が説得力のあるものになりますね。

あとがき

こういう話を読むと、恋愛における誠実さって何なのかと考えてしまいます。それから、本物の恋愛は純愛にならないだとか。

また、高校生と社会人って、そんなに年は離れてないですが、やはり大きな差があるんだよなと思います。経験とか余裕とかだと思いますが、若いうちはモラトリアムを謳歌するのが大事なんだろうなー。

2022.7.30

三角の距離は限りないゼロ4 感想

三角の距離は限りないゼロ4


今回は、三角の距離4巻です。

修学旅行回でした。表紙は、『生駒山上遊園地』という実在する遊園地が背景になっているようです。

あらすじ

文化祭を経て、四季は秋玻から別れを切り出されたことに加え、霧香に自分の根幹を揺るがす言葉を投げかけられたことで、心ここに在らずとなっていた。

修学旅行の時期となり、春珂はこれをきっかけに、「矢野くんを元に戻そう作戦」を秋玻に持ちかけるのだった。

感想

丸々1巻が修学旅行に当てられていて、この非日常感だとか、平和に過ぎ去っていく青春の1ページみたいなところは、やっぱり良いなと思いました。

一方で、あまり尖った面々がいないので、少し退屈な部分もあったかなとも思います。その分、須藤さんが張り切ってルートを考えていて頑張っていたと思いますが笑。あと、水瀬パパも良いキャラしてる。

今回は、秋玻・春珂視点が多かったのと、積極的なアプローチがありながらも、打てど響かずな四季にモヤモヤする展開も多かったです。それと、細野が羨ましい…。

旅行先は、大阪京都奈良でした。梅田ダンジョン、哲学の道三十三間堂奈良公園etc…。でも、個人的に1番気になったのは激辛ラーメンでした笑。

本筋としては、秋玻と父の思い出の場所での、自分達を頼ってもらう事で、四季に必要とされるという取引と、秋玻と春珂の交代ペースが30分で固定化されつつあることがありました。

ますます泥沼化していきそうですが、ひとまず四季の上の空状態は改善されそうかなぁ。そして、春珂にもチャンスが出てきたという展開になりましたね。そういや、秋玻が別れを切り出すシーンなんて、妹に負い目を感じていたふたきれの琉実にそっくりですよね笑。

あとがき

実は、omochiさんも四季を狙ってそうな気もするんですけどねー、でもしっかり外に出てて偉いぞ。

小暮さんと混浴したいー(棒読み)

2022.7.30

魔法科高校の劣等生32 サクリファイス編/卒業編 感想

魔法科高校の劣等生32


今回は、劣等生32巻です。

遂に来てしまった最終巻。何か全然完結する感じしないんですが、一つの区切りとして。

あらすじ

光宣の手によって水波には、休眠したパラサイトが宿っており、八雲でさえ取り除くことは出来なかった。しかし、達也には光宣は必ず日本に戻ってくるという確信に近いものがあった__。

「達也さん、始めましょうか__殺し合いを」

感想

32巻もの巻数を重ねた作品が一つの終わりを迎えたことは感慨深いなーと思います。とは言え、この作品は、司波兄妹の入学から卒業までを描いたもので、この先も続いていく予感があります。現に、メイジアンカンパニーという続編も出てますしね。

光宣の存在って、達也の失敗例の写し鏡なんじゃないのかなぁと読んでいて少し思いました。どこかの選択を誤るだけで、容易に孤立して世界を敵に回してしまう世界線もあったのでは…と。

今回の光宣との激突で、達也は光宣を斃し、パラサイトを葬った後に再生で光宣を復活させるプランを持っていました。

逆に、光宣は自分が戦闘の末に死んで、パラサイトの精神となって水波の中に潜り込み、オーバーヒートの抑制になろうと考えていました。

普通に戦っても成長幅の差で達也が勝っていたでしょうが、どちらにせよ光宣は負けに来ていたんだろうと思います。自分より水波の未来を優先するという、これが正に自己犠牲、サクリファイス編の所以だろうと思います。

まぁ、前回、魔法師を武器として使わせないと言いつつ、達也は単身で他国にとっての抑止力となっているという話もあって、ここにも自己犠牲の意味が少し掠っているのかなと。

そして、卒業編ではいつものメンバーの進路が色々と判明していく訳ですが、1番は深雪を巡っての将輝と達也の泥仕合の殴り合いのシーンでしょう。

これは、作者がやりたかったシーンなんでしょうね。魔法は一切なしの泥臭い男同士の戦いというか、人間らしさというか。恋は勢いなのです。

それから、細かい所では交流戦モノリス・コードにエリカを始め女子が参加したとか、恒星炉関連でアビーと達也の対面が叶ったり、藤林が四葉家に入ったりもありました。イギリスの動きは分からず。

それと、佐伯少将は結局落魄した訳ですが、戦略級魔法の管理の条約について、確かに悪い部分が多いんだなというのと、裏の意図に気付ける達也は流石だなと。逆にまだまだ将輝は図太さというか大人にはなりきれてないというか。

エピローグに関しては、SAOのアリシゼーション編の後のような、アセロラちゃん……おくち あんぐり!って感じ。宇宙とか出したらそうなりますやん。まぁ、光宣と水波が人工冬眠ではなく、別の居場所が出来そう、という流れでした。

論文コンペェ……。

あとがき

やはりこうして見ると、16巻で大分シリーズの風向きが変わったなと思えます。そして、達也が苦戦するシーンの少なさよ笑。ちゃんと色んなものを吸収して成長はしているんですが。

葉山って何者なんでしょうね…

2022.7.28

魔法科高校の劣等生31 未来編 感想

魔法科高校の劣等生31

今回は、劣等生31巻です。

表紙は、深雪ですね。ほぼ戦略級魔法の「氷河期(グレイシャル・エイジ)」を使用するという活躍がありました。

また、裏表紙は寝坊するリーナを起こす水波ですね。リーナの寝癖に大分誇張がありますが笑。

あらすじ

2097年8月4日、後に『巳焼島事変』と呼ばれる事件が勃発。エドワード・クラークによるパラサイトを率いた攻撃に加え、戦略級魔法『シンクロライナー・フュージョン』の遣い手であるミゲル・デュアスも介入。

そして、それに乗じてベゾブラゾフの復讐が行われようとしていた。迎え撃つ四葉家の面々、達也、そして達也から授かった深雪の新魔法が炸裂する__

感想

今更なんですが、達也はどうやって『マテリアル・バースト』を入手したんだろうなーと思います。実際、本編には開発の試行錯誤はなく既に持っていましたからね。

とは言え、今回(というか灼熱のハロウィン以降)は達也は戦略級魔法を使ってないですし、使わずとも敵国に対して、抑止力になり得るという…。十師族ェ…。

深雪の新魔法も、敵艦隊の無力化に大きく貢献していました。殲滅ではなくて、自己防衛という建前が必要だったと。達也のお隣で戦いたい!と主張しつつ、お背中を支え続けます!と丸め込まれる深雪が微笑ましいです。

あらすじには書きませんでしたが、リーナが退役をして自由になったことも大きかったです。ようやく来訪者編の伏線回収と相なった訳ですね。p123の憑きものが落ちたような表情のリーナが印象的でした。

そして、今回は光宣はお休み。本当、一回も光宣という文字を見なかった気がします。どう決着が着くんでしょうね…、日本に攻撃を仕掛けなければ放置もありな気はしますが、不安分子を放っておくのも微妙?

それから、藤林の件とイギリスの件も全く触れてなかったですね…。逆に、模擬九校戦をやろう、みたいな話も出てましたが、これも次回回収されるかな?

作者あとがきで語られる未来の解釈については、難しいですね。肯定的に見るか、否定的に見るか、希望的か悲観的か、ということかなと思いますが、未だ来ていないことだからこそ、誰にも分からない事で、出来れば希望を持って観測したいものです。

あとがき

完全無欠な勝利という感じでした。他人の魔法を考察して自分の物にしてしまう達也がまた末恐ろしい。

にしても、次回で最終巻だとは予想つかないなぁ…。光宣との決着、世界平和の足掛かりの提示、卒業というところでしょうか。

2022.7.27

魔法科高校の劣等生30 奪還編 感想

魔法科高校の劣等生30

 

今回は、劣等生30巻です。

黒いドレスを着た深雪とリーナの表紙なんですが、実はリーナの方が深雪より1cm身長が高いけど、バストは深雪の方があるらしいですよ…。

あらすじ

水波の奪還、そしてカノープス救出に向けて、USNAの政治家であり、カノープスの大叔父であるワイアット・カーティスより協力の申し出が入る。

一方、パールアンドハーミーズ米軍基地に着いた光宣らだったが、そこでアメリカ軍から奇襲を受けていた。咄嗟に光宣を庇う為に魔法を行使した水波は再び倒れてしまう。

感想

ここまで読んでくると、魔法科高校の劣等生という作品は、劣等生と揶揄される達也が居場所を見つけるまでの物語なんじゃないかなーと思えてきます。

状況は当初から大きく変容していて、達也は深雪のガーディアンから次期頭首の婚約者になり、敵対すると思われていた四葉家とはかなり親和的になりました。

そんな訳で、東道青波との決裂もある筈がなく、胡散臭さはありながらも、本編での敵対はなさそうです。ラスボスは光宣のままか。

国防軍との決別も大きかったですね。これも、達也が四葉家での居場所を手に入れた事が関係していて。軽い喧嘩別れみたいな形にはなりましたが、佐伯少将のやり口は目に余るものがありましたし、達也を制御する器でもなさそうでしたし。

面白かったのは、レイラ(劉麗蕾)が将輝に好意を寄せるようになっていたことですね。戦略級魔法師どおし、そして国際的にも良いカップルなのではと思います。裏表紙の絵も微笑ましいです笑。

さて、今回は奪還編だった訳ですが、それはカノープスと水波両方に言えることでした。偶然場所も同じでしたし。水波の方は、紙幅的に厳しいかと思いましたが、最後で連れ帰る事に成功しました。

とは言え、光宣と戦うことなくということだったので、そちらは次回に持ち越し。光宣はレイモンドという仲間はありつつも、孤立し始めた印象です。パラサイト間でもストッパーはかけているようで。まぁ、最後まで水波を強制しなかったのは好感を持てますが…。

それから、次回は未来編とのことですが、正に未来を示唆するような展開もありました。チャンドラセカールも達也のESCAPES計画に加わって、魔法師の自治国家を作る構想だったり。

メイジアンという言葉も出てきて、メイジアンカンパニーに繋がるのかなぁと思いを馳せたり。

残りの伏線としては、藤林響子が軍を辞めて四葉家に入るかどうか、オーストラリアとイギリスの動き辺りでしょうか。

あとがき

今巻で、またしても達也の規格外さが目立っていましたね。本当、1人で潜入工作を完遂してしまう訳ですし笑。

光宣がここまで生き延びるとは…って感じですが、どういう結末となるのか楽しみです。

2022.7.26

魔法科高校の劣等生29 追跡編〈下〉感想

魔法科高校の劣等生29


今回は、劣等生29巻です。

発刊時期がもう令和らしいです。大分現実の時間に近づいて来たなーと思います。

さて、今回は追跡編の下巻でしたが、光宣には辿り着かず、寧ろ国外に逃げられてしまうという展開。これ32巻で完結できますかね…(汗)。

あらすじ

九重八雲は、光宣たちのいる樹海の小屋に容易く侵入。そして、仮装行列の術式やノウハウを秘密にすることを念押しし、見返りとして逃避行の妨害をしないことを約束する。

八雲が侵入したことで、蹟兵八陣に綻びが生じ、その隙に達也は樹海に向かう。そこで現れた藤林長正は、光宣が捕縛されることを恐れ、達也に攻撃を仕掛けるのだった。

日本に入国したイリーガルMAPは、達也の暗殺の足掛かりとして人質を求めていた。その標的は、美月とほのかで、2人に魔の手が忍び寄る…。

一方で、仮装遁甲を使用し達也の目を欺いていた光宣は、レイモンドの手助けにより、水波と共に国外逃亡の為、潜水艦に搭乗していた。追跡する達也を阻んだのは、九重八雲であった。

感想

今回の達也は、戦闘、戦闘、戦闘でした。特に熱かったのは、八雲との戦い。忍術も捨てたものではないんだなぁと感じましたね。結果としては、人間離れした達也の痛みへの耐性によって、八雲を下しました。

しかし、その間に光宣たちはレイモンドらの手引きもあって、国外へと逃げてしまうという。勝負には勝ったけど、八雲に目的を果たされてしまったと。

今回の一戦で、別に八雲との関係の悪化はないんだろうなーと思います。実際、再生で傷を治してますし。

実際の敵はもっと背後にいるという感じ。東道青波よりももっと上がいそうな雰囲気です。これがラスボスなんでしょうか。パラサイトを国外へ、という意思らしいですが…。八雲も世捨て人と自称しつつ、柵に囚われているというのが今回のポイントですね。

他の戦闘は、藤林長正とイリーガルMAPですね。イリーガルMAPについては秒殺だったので割愛w 本当、ほのかを始め同級生を達也が保護してあげた方が良いかも笑。

まぁ、結局達也絡みで周りの面々が戦闘に巻き込まれているのはいつも通りですね。ただ、今回はなぜこうまでして水波を助けようとするのか、というのが一つ大きなトピックになっています。

元々、達也は深雪に関すること以外は無関心という風に仕向けられている訳ですが、どうやらそれに囚われなくなっているのではと。気持ちがあるから迷うという言葉が、黒羽貢から齎されたのは何か感慨深かったです。

そして長正は…、もう九島家関連は魔法協会から追放でしょうね、自棄になってる感じがあります。アストラル・ディスパージョンの見せ場作りでした。

最初の所で、どうしても読者としては達也目線で見てしまうので、国防軍の動きはちぐはぐというかおかしいのではと思えてしまうのですが、呂剛虎が劉麗蕾を殺害してくれた方が後々の日本にとっては益があるというのは一理あるとも思えました。まぁ、完全な善ではないのがアレですが。

あとがき

次回は、USNAでの戦闘になりそうですね。よく考えたら、これまで劣等生シリーズは国内が舞台だったのである意味新鮮な気がします。

残り3巻…もっと色々な部分を読みたい気持ちがあります。でも、まずは本編の終幕を早く見届けたいです。

2022.7.23

現実でラブコメできないとだれが決めた?6 感想

現実でラブコメできないとだれが決めた?6


今回は、ラブだめ6巻です。

彩乃とそして笑顔の清里さんという印象的な表紙と、最終巻にして600ページの鈍器。あとがきの通り、重くて手が疲れる&ブックカバー入らない事件なんですが、初鹿野さんお疲れ様でした。合掌。

あらすじ

峡国西高校学園祭、通称白虎祭で"みんなのラブコメ"を実現させる為の方針として、耕平はやるべき事をチャプターに分ける。チャプターそれぞれに勝沼や幸先輩などに進行を協力して貰いながら、準備を進めていく。

クラスの出し物の準備や学園祭当日も不在の耕平であったが、果たして"メインヒロイン"清里芽衣の現実を打破できるのか__

感想

まず初めにページを捲って口絵の、峡熱大陸と書かれたクラスTシャツを纏って熱くなっている勝沼を見て、何とも感慨深い気持ちになりました。あのツンケンした態度だった頃が嘘のようで。

ただ、本当にこの6巻でも勝沼の出番が多く活躍していて、ヒロインしていたし、1番輝いていたと個人的には思いました。良いオカンになりますぜ。98円のスポドリこそセールですし笑。

自分にできることをめいっぱいマジでやることだけが、いっちばんかっけぇんすわ…。

それから、幸先輩も良きヒロインしてましたし、序盤だったので忘れがちですが、大役を果たしたのは彼女なんですよね。ワンピース似合ってましたよ、と声を掛けてあげたい。

なので、この2人の活躍が多くて、耕平と彩乃の出番は意外と少なかったです。

結末としては、大方想定通りで、清里さんの救済と共犯者としてラブコメを創出していく内に、彩乃の方が耕平の中でメインヒロインになっていた、という感じ。

今作のメインテーマ?と言える、調査でラブコメを作り上げるというコンセプトを崩さなかったのは良かったかなと。その弊害でどうしても耕平がストーカー紛いになってしまうのはご愛嬌。

それから、初期の出来事を最終巻で再度使うという演出は好きなんですよねー。今作で言えば、ラブレターなんですけど。ただ、あの時はメインヒロインが負けヒロインになるとは思いませんでしたが。

清里さんの救済は、本気の清里さんでも周りが気後れせずに笑顔になれる環境を構築すること、現状を否定することでした。まぁ、清里さんが意固地になっていただけという気もしますが。ただ、味方になった清里さんは強い。

そんな訳で、彩乃は一人で耕平を隠れ蓑に策略で清里さんに勝ち、耕平はアプリのサブ機能であった占いが実は本命で、裏で色々捌いていたということらしいですね。意外とアナログだー。

気になった点ですが、アプリの説明はもっと詳しくあっても良かったのかなぁと思いました。また、一個人が作成したアプリを、全校生徒にインストールさせるのは中々無理があるのかな、と。フィクションだとしても、もう少し突っ込んだ議論がありそう。

あとは、清里さんの扱いですかね。序盤からラスボスとして君臨して、過去が1巻使って説明されるという今作の"メインヒロイン"だった訳ですが、途中からは彩乃のアピールが壟断してしまって、清里さんの良い面が少なかったかなと思います。

普段からあまり積極的に発言する方ではない、みたいな描写はありますが、敵役としての行動ばかりが目に付いたという。あとは、中学時代の親友とのシーンもあっさりし過ぎかなと。

メロンブックスの特典SSですが、色々な意味で甘々。これはラブですよ。

あとがき

前中盤の展開としては暗めで、こういう世界観はラブだめらしいなと思いました。と同時に、風見鶏な普通な人間への痛烈な批判をシリーズ通して感じました。と同時に、普通の人たちでも力を合わせれば、より現実は楽しくなる…と。

学園祭だから、ヒロインと色々屋台を回る!みたいな雰囲気ではないですよね笑。

「お前は最高だ」でにやけちゃう7番さん可愛い。

2022.7.21

魔法科高校の劣等生28 追跡編〈上〉感想

魔法科高校の劣等生28


今回は、劣等生28巻です。

表紙のリーナと共に映る謎の美少女の正体は、リーナによって仮装行列をかけられた深雪でしたよと。これは、リーナは仲間モードですね。

あらすじ

達也の元に現れたのは、幹比古らと封印したアークトゥルスの精神体のようなものだった。苦戦しながらも、達也は新たな魔法の知見を得る。

水波と共に樹海に逃げ込んだ光宣は、達也の精霊の眼による遠距離からの攻撃があったものの、優勢なまま何とか凌ぎ切る。

場所の移動を考えた光宣は、たまたま周公瑾宛てに入った連絡から、呂剛虎の介入の斡旋を行う。

感想

今回は、本筋の動きが少なかったので少し退屈な巻でした。寧ろ、クライマックスに向けて引き伸ばし感があったように思えました。本来は光宣はもっと簡単に捕まりそうなんですけどねー、達也の分解が仮装行列と相性が悪いのが大きいのかなぁ。

今回の動きとしては、達也とアークトゥルスの戦い、達也と光宣の遠距離の鍔迫り合い(変な表現ですね…)、呂剛虎と修次の再戦、将輝とジョージの会見によって、再び達也への取材が殺到したこと、辺りでしょうか。

ジョージの達也の名前を出すのは仕方ないと同情はしますが、それによる深雪への影響を鑑みての護衛と変装。そして、まさに適任なリーナが宝の持ち腐れにならないようその任に収まったという。

そして、水波ですが、何となく光宣よりも深雪を裏切ってしまった罪悪感が勝っているような描写が目立ちました。そも、ガーディアンとして主第一主義で育ってきてる訳ですし。

そして、藤林家が達也に仮装行列の秘奥を教えるというシーンもあって、ますます光宣が追い詰められているのを感じます。今も、何とか周公瑾の遺したもので生き残っている状態ですしね。

ここ最近何かと動いていた修次と摩利ですが、今回ようやく戦闘になって、修次に至っては主人公クラスの活躍でした。確かに、本来の目的に適う行動をしていたかが勝敗を分けたように思います。

呂剛虎は、光宣の時間稼ぎの役には立ちませんでしたが、スパイだった林少尉は死亡した一方で、麗蕾は生き残って、日本としては被害は少なかったと言えるのかな。

あとは、達也と国防軍の冷戦状態が今後どうなるかですねー。別に、リーナを匿っているくらい問題じゃなさそうに思えてしまうんですけどね。

あとがき

イリーガルMAPとの戦闘が次回のメインですかねー。追跡編の後半ってことは、光宣と指呼の間になるんでしょうか。

残りの巻数も減ってきているので、シリーズを読み終える嬉しさや達成感の一方で、寂しさも感じますね…。

2022.7.20