心和のラノベ感想

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現実でラブコメできないとだれが決めた?6 感想

現実でラブコメできないとだれが決めた?6


今回は、ラブだめ6巻です。

彩乃とそして笑顔の清里さんという印象的な表紙と、最終巻にして600ページの鈍器。あとがきの通り、重くて手が疲れる&ブックカバー入らない事件なんですが、初鹿野さんお疲れ様でした。合掌。

あらすじ

峡国西高校学園祭、通称白虎祭で"みんなのラブコメ"を実現させる為の方針として、耕平はやるべき事をチャプターに分ける。チャプターそれぞれに勝沼や幸先輩などに進行を協力して貰いながら、準備を進めていく。

クラスの出し物の準備や学園祭当日も不在の耕平であったが、果たして"メインヒロイン"清里芽衣の現実を打破できるのか__

感想

まず初めにページを捲って口絵の、峡熱大陸と書かれたクラスTシャツを纏って熱くなっている勝沼を見て、何とも感慨深い気持ちになりました。あのツンケンした態度だった頃が嘘のようで。

ただ、本当にこの6巻でも勝沼の出番が多く活躍していて、ヒロインしていたし、1番輝いていたと個人的には思いました。良いオカンになりますぜ。98円のスポドリこそセールですし笑。

自分にできることをめいっぱいマジでやることだけが、いっちばんかっけぇんすわ…。

それから、幸先輩も良きヒロインしてましたし、序盤だったので忘れがちですが、大役を果たしたのは彼女なんですよね。ワンピース似合ってましたよ、と声を掛けてあげたい。

なので、この2人の活躍が多くて、耕平と彩乃の出番は意外と少なかったです。

結末としては、大方想定通りで、清里さんの救済と共犯者としてラブコメを創出していく内に、彩乃の方が耕平の中でメインヒロインになっていた、という感じ。

今作のメインテーマ?と言える、調査でラブコメを作り上げるというコンセプトを崩さなかったのは良かったかなと。その弊害でどうしても耕平がストーカー紛いになってしまうのはご愛嬌。

それから、初期の出来事を最終巻で再度使うという演出は好きなんですよねー。今作で言えば、ラブレターなんですけど。ただ、あの時はメインヒロインが負けヒロインになるとは思いませんでしたが。

清里さんの救済は、本気の清里さんでも周りが気後れせずに笑顔になれる環境を構築すること、現状を否定することでした。まぁ、清里さんが意固地になっていただけという気もしますが。ただ、味方になった清里さんは強い。

そんな訳で、彩乃は一人で耕平を隠れ蓑に策略で清里さんに勝ち、耕平はアプリのサブ機能であった占いが実は本命で、裏で色々捌いていたということらしいですね。意外とアナログだー。

気になった点ですが、アプリの説明はもっと詳しくあっても良かったのかなぁと思いました。また、一個人が作成したアプリを、全校生徒にインストールさせるのは中々無理があるのかな、と。フィクションだとしても、もう少し突っ込んだ議論がありそう。

あとは、清里さんの扱いですかね。序盤からラスボスとして君臨して、過去が1巻使って説明されるという今作の"メインヒロイン"だった訳ですが、途中からは彩乃のアピールが壟断してしまって、清里さんの良い面が少なかったかなと思います。

普段からあまり積極的に発言する方ではない、みたいな描写はありますが、敵役としての行動ばかりが目に付いたという。あとは、中学時代の親友とのシーンもあっさりし過ぎかなと。

メロンブックスの特典SSですが、色々な意味で甘々。これはラブですよ。

あとがき

前中盤の展開としては暗めで、こういう世界観はラブだめらしいなと思いました。と同時に、風見鶏な普通な人間への痛烈な批判をシリーズ通して感じました。と同時に、普通の人たちでも力を合わせれば、より現実は楽しくなる…と。

学園祭だから、ヒロインと色々屋台を回る!みたいな雰囲気ではないですよね笑。

「お前は最高だ」でにやけちゃう7番さん可愛い。

2022.7.21