続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー⑨ 感想 ★★★★

2024.12

今回は、メイジアン・カンパニー9巻です。

四葉家が盤石過ぎるし強過ぎる…笑。国内外において敵無し状態で、目下の悩みは領土問題だけっぽいですね。ただ、前回で古式魔法絡みは一段落したとは言え、ディーンの逃亡やパラサイト関連もどうなっていくか注目です。

あらすじ

達也らが富士山麓の遺跡を捜索した事は、その領域を主張する四大老の1人穂州実明日葉の逆鱗に触れた。四葉家の村がある入口への奇襲に加え、明日葉の孫娘で次期頭首の富貴花による四葉家領地の結界破りを断行するのだった。

ギャラルホルンへの対抗魔法の開発が急務な状況下、中々糸口が見つからずにいた達也ら。しかし、深雪とリーナの意外な言葉がヒントになり、開発が進んでいく。その魔法は深雪ほどの魔法師でないと扱えないものであったが…。

感想

大老が全然大したことねー!というのと、外国からのテロリストさえも良い魔法開発の実験台がやって来たぜ!みたいなノリなのが面白かったです。

今回も色んな出来事が起こっていましたが、次回以降の伏線は序文で触れたように、ディーンとパラサイト案件くらいかな。FEHRとかカンパニーとか既に形骸化しかけてる気もする…。

出来事として大きな所は、穂州実明日葉と四葉家との諍い、ギャラルホルンへの解答として東山教授や夕歌と新たに魔法を開発し、新ソ連と大亜連合の襲撃への対処という、達也にとっては降りかかる火の粉を払い除ける感じでした。

穂州実明日葉については、よもや黒羽貢が寝返ったと見せかけて、逆に簡単に暗殺してしまって驚きました。いや、四大老って政治とか色んな利害関係が絡んでたりする筈で、大丈夫なの?ってのと、貢程度と言ったらアレですが、暗殺を許しちゃうのねという。

貢が達也を襲撃するシーンもありましたが、達也には全く効かず。厄介者と思っていながら、どうしようも出来ない貢さんモヤモヤしてるだろうなぁと思いつつ、ちゃんと味方で良かった。文弥がこの事実を知ったらと思うと怖いですが笑。

にしても、四大老の1人がこんなに呆気ないとすると、他の四大老も大した事なくて、四葉家が東道に仕える意味もない気はしますが、そこは資金源として切れないのかなぁ。

というか、穂州実家が四葉を攻撃するのを黙認した四大老は、この結末を予想してたのか否か。自滅してくれたら位には思ってたのかも。

因みに、穂州実富貴花は4,5メートル範囲で魔法を無力化するという能力者でした。サラッと言われたけど、凄くキーマンになり得る存在だと思います。結界とかも瞬殺出来て有能だったものの、今回の失態で失脚してしまうんでしょうか。勿体無い。

何が起きていたのかと言うと、これがまた荒唐無稽で面白かったのですが、四葉家の村の必要な施設を達也が分解、粉末をサイコキネシスな能力者を使いつつ、これまた新たに開発されたエアリアルシップに乗せて移動していました。

そんな訳で、重要な機能だけ短時間で引っ越し完了させて、奇襲された頃には蛻の殻でしたー!という。もうこんなの笑うしかないですね。

ただ、問題になってくるのが移転先が巳焼島なので、領地拡大の必要性と秘匿性をどうしていくかですね。火山の話は懐かしい(凍てつく島)。

新魔法については、1人1人のパニック状態への処方箋を出すのは難しいと言う事で、集団催眠の方向性に。そして、範囲を広くする為にチェイン・キャストを使用、リーナ命名ヒュプノス・チェインに決定。

ただ、使用には魔法的な素質が不可欠という事で、現状はまた深雪の領域になり、また存在意義が出て来ましたね。人への実験台として、お誂え向きにテロリストの侵攻があったのと、達也の名前で敵がパニックになってたのは笑いました。

あとは、陳祥山の養女の陳静娜や呂剛虎の弟で呂偉辰というキャラクターが出て来たのは嬉しかったです。

その他、光宣がパラサイトを人間に戻す魔法を実験として、火星に追放されているレイモンドに連絡を取って試そうとしていたり、スターズが取り逃がしたディーンがまだ生き残っていたり、楽しみです。

今回のbest words

一条が一機打ち漏らしたようだったから、最低限のフォローをした。まぁ、大したことじゃない (p.242 達也)

あとがき

将輝やレイラ、真九郎なんかにも爆弾搭載のドローンの破壊などの見せ場があって良かったです。

キグナスとの関連も悪くはないと思いますが…。