今回は、ウィザブレアンコールです。
本編が無事に完結して満を辞しての短編集刊行ですね。猫の話とかは気になってたので助かります! 平和が1番。
感想
〜湯宴の誓い〜
シティ・ドレスデンの遺した実験施設のそのまた地下を、ファンメイとエドが温泉を目指してトロッコで下って行くと、「星織り」という蜘蛛型の惑星開拓ロボットに出会す話。
大戦後の書き下ろしの話だから平和ではあるけれど、少し物騒な感じ。作られたは良いものの、作成した人達がいなくなって行き場を失ったロボット達が暴走するというのは、何となくキノの旅とかでもありそう。
クレアとヘイズの間には子供が出来たという事で、トントン拍子。
〜ハッピーバレンタイン〜
錬に想いを伝えたいフィアが月夜を頼ってバレンタインを実行する話。なんだけれど、バレンタインの風習を知らない2人は節分と勘違いして…と。マジの短編。
確かに昨今ですらバレンタインの慣例も変容しつつあるから、何年か後には好きな人にチョコを贈るというイベントは廃れてる可能性はあるな…笑。真昼がいれば誤解は解けたんだけど。
〜正しい猫の飼い方〜
白い猫の幽霊がエドに懐く話。世界樹の一件で亡くなった猫が、地下実験施設にいる猫を救う為にエドに語りかけていたという、そんな温かいエピソードでした。
ここで保護された猫をファンメイらが匿うことになったという経緯だったと。ファンメイの読み聞かせが怖い話だったのが少し笑える。
〜最終回狂想曲〜
公式海賊版に掲載の話という事でリレー小説のようなかなりの破茶滅茶さでした。最初野球だったから若草野球部の捩りかと思ったけど、料理もの、探偵、魔法少女、ロボットなどなど色んなジャンルとウィザブレの共演が見られて、ある意味貴重でした。
そもそも良い最終回を見せないと脱出させてくれない機械って何だよ!って話なんだけれど。祐一が出てくるだけで何か嬉しかったのと、雲上航行艦の合体なんかはちょっと熱い。
そして、メロブの特典には出番のなかったサクラが真昼と…なSSが収録されてたので、これは必見です。
〜旅路の果て〜
旅する錬とフィアが仲の良い親子に出会う話。なんだけれど、これがまた重い笑。
錬の大戦での活躍は賞賛されるべきもので、戦争が終結したけれども、それを良く思わない人も一定数いるというのが、背負う覚悟をしたとは言え悲しい。
親子は本当の親子ではなく、娘のシエナは錬を狙う賢人会議の残党であり、母のアイラは元イギリス首相のサリー・ブラウニングだったと。こちらも大戦の中で失脚した事で、間接的に錬を恨んでいる人物。
無事生き延びて、錬とフィアの関係が少し進展したという事で良しとします。
〜そして物語は続く〜
セラがクレアの懐妊祝いを考える話。
母との思い出の卵焼きがここで生きてくるとは。
今回のbest words
そうね。例えばこの『節分』ってのを『せっぷん』って読めば、キスって意味になるけど (p.101 月夜)
あとがき
口絵の昔のイラスト好きだなぁ。あとがき座談会も面白かった。
三枝さんの次回作にも期待!