心和のラノベ感想

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ウィザーズ・ブレインⅨ 破滅の星〈上〉感想

ウィザーズ・ブレインⅨ 破滅の星〈上〉2014.12

 

今回は、ヴィザブレ17巻です。

遂に、魔法士vs人間の全面対決となってしまった世界。完全に人間を駆逐にかかるサクラから、全ての魔法士、乃至は人間を殺すのは…と迷う面々もいる訳ですが、予断を許さない状況になってきました。まさに絶望という言葉がぴったりだなと思います。

あらすじ

シティ・シンガポールでの惨劇から1ヶ月半。ニューデリーを除くシティは結託、シティ連合を結成する。賢人会議の住処であるアフリカの基地を特定し、数の利を取って攻撃に出たシティ連合は、置き土産によって甚大な被害を被り、一方の賢人会議は転送装置の利用で南極への脱出に成功する。

真昼の死に沈んでいた錬。そこに突如として現れたベルリン自治軍によって、フィアは人質に取られ、錬は拘束されてしまう。南極の制御衛星の転送装置の鍵としてシティ側に従わざるを得なくなった錬は、イルやファンメイ、エドと再会するが…。

感想

サクラが指導することになった賢人会議ですが、真昼の死を経て目的をしっかりと定めたなと思いました。魔法士にとってかなり過ごしづらい状況になったものの、未だシティ側に付くイルがいたり、ファンメイらも人間を全て駆逐するまでは…と思っていたり、ディーやセラは人間に敵対しながら手心を加えていたりもありました。

因みに、祐一ら魔法士と人間が丁度良い塩梅での共存の道を探るといった立ち位置でした。大人の立場?という感じ。

ただ、状況はこっちが何もしなければやられてしまうといった囚人のジレンマ的で、生きるか死ぬかという展開になってしまっているのが悲しいところです。

錬が主役かという触れ込みで始まった破滅の星ですが、正直な所錬は振り回されてただけでした笑。真昼の形見である賢者の石を装備したサクラにも完全敗北したし、フィアを人質に取られたままだし…。

というかサクラが強すぎでした。イルを倒せるのってサクラだけなんじゃない?という。1人の命より多数の命という意趣返しをしたのも強かったです笑。

それと、大気制御衛星の暴走については偶然だったと明かされるシーンもありました。世界の解とは膨大な熱量が地球を焼いた未来だったらしいです。それで、アリスは自信を犠牲に雲を作ったと。マザーシステム導入まではまだ謎ですが、世界の存続にはやはり魔法士の犠牲があったんだな…と。

そういえば、前回真昼の位置を割り出すのにフィアが沙耶に能力を使うシーンがありましたが、フィアの場所を敵に知らされる伏線だったんだなぁ。本当はクレアが頑張るとこなんですが笑。

今回のbest words

手作り菓子二皿、それで買収された (p.145ソフィー)

あとがき

いつも通り主要キャラが敵味方に入り乱れる展開になっていますが、ここまで読んでくると読者としては魔法士サイドに感情移入してしまうなーと思います。賢人会議はシティのマザーコアを破壊して、人間に魔法士への移行を促せば良いのではとも思います。

いじめっ子にはえいやー?