心和のラノベ感想

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零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係 感想

零崎人識の人間関係1 2014.10

今回は、戯言シリーズ4巻です。

戯言シリーズ4冊目にして、関係四部作の第1弾。出夢が強さとは何かを巡って葛藤する様が印象的で、小さな恋の物語と言うならば、それは出夢→人識と考えて良いのだろうか。何とも儚い…。

あらすじ

遊びに感けていた所、玖渚直の暗殺という言わば死にに行く命令を下されてしまった匂宮出夢。出夢が頼ったのは人識だった。

汀目俊希として中学校に通う人識の前に現れた出夢の誘いに、人識は協力を厭わなかった。そして、子荻の元から脱走しその場に居合わせた西条玉藻を連れて、玖渚直のいる隔離された別荘へと足を向ける。

感想

玖渚直というキャラクターはあんまり本編でしっかり出て来た訳じゃないので、登場を楽しみにしていたものの、今回もそんなに表舞台に出てた感じではなかったです。

基本的には、直が護衛に選んだ直木三銃士vs出夢らのマッチアップといった構図。直木飛縁魔、泥田坊、煙々羅はそれぞれ妖怪の名前を捩ったものとされていて、七人岬も同様。魑魅魍魎、悪鬼羅刹、蛇蝎磨羯の類?

と言う訳で、三銃士と言いながら、七人岬という4人目がいたという話でもありました。三銃士の原作も3人とは別の人が主人公、という話らしい。

一応、飛縁魔が師匠で弟子3人という。零崎が家族を大事にする一族であるのに、飛縁魔も感化されたみたいなエピソードも良かったです。市井遊馬もゆくゆくは姫ちゃんを弟子に取るというのもリンクしてる。

今回出夢が悩んでいたのが、強さについてでした。前にも強さとは弱さだといった意味深な発言があって、自身も強の出夢と弱の理澄が共存した強さがある訳ですが、人識との馴れ合いじゃれ合い助け合いは、強さから離れているのではとふと思い立つ。

実際に、自分の中にも弱さを見つけながらも隠れた強者の飛縁魔を討ち果たすことに成功しているので、そんなに気にする事は無いのになぁと思いましたが、狐の面の男の見透かした言葉によって、悲劇的な結末を迎えてしまったのは悲しかったです。

というのも、全てを敵に回せという事を受けて人識との絆を断つ、具体的には人識のクラスメイト達を虐殺するという行為に出てしまい、完全に人識との関係が拗れてしまいました。人識が出夢を友だち乃至は家族だと思っていただけに余計に辛い所がありました。

因みに、玖渚直の殺害を依頼したのが狐であり、その目的が直のいる別荘のとある本を安全に読む為というもの。まぁ運命論で適当な辻褄合わせだと考えられるものの、死闘を演じさせられた出夢にとっては、衝撃的というか許せない気持ちにもなるだろうな…。ただ、この後に十三階段に所属することになる筈ではある。

もう一つ序でに、直が別荘で謹慎させられていた原因については、戯言遣いをER3に留学させるのを手助けしたかららしい。何かこうなってくると、年表欲しくなってきますね笑。

今回のbest words

殺して解して並べて揃えて晒して刻んで炒めて千切って潰して引き伸ばして刺して抉って剥がして断じて刳り貫いて壊して歪めて縊って曲げて転がして沈めて縛って犯して喰らって辱めてやんよ (p.269 人識)

あとがき

実は玉藻が社長令嬢だったとは…。それが誘拐もきっかけで若くして狂戦士に。

玖渚直と直木七人岬がどんな風に成り上がっていったのかも気になります。それと、失敗作じゃない匂宮雑技団の面々も知りたいところ。