今回は、人間シリーズ3巻です。
『少女趣味(ボルトキープ)』少女しか殺さない零崎曲識(まがしき)を中心に時系列がバラバラな話が4つ。この人間シリーズは、戯言シリーズの番外編という立ち位置でありながら、補足的な意味では結構重要なシリーズだなと思います。
曲識ということで、能力は音を操るというもの。ビートのディシプリンのようですね笑。
感想
〜ランドセルランドの戦い〜
双識と子荻ちゃんが遊園地でデートするのを尾行する曲識と人識という構図。実際に双識に総角三姉妹(ぱれす、ろうど、さえら)という刺客が現れて、曲識が退けるという見せ場がありした。にしても、中々ファンキーな命名。得物はそれぞれトンファー、ヌンチャク、三節棍。
曲識の戦い方は、楽器の演奏から言葉のような発するものまであらゆる音を司るというもので、音を使った精神面への干渉から物理的なダメージまで幅広い。この、2種類を操れるようになったきっかけが、後程の話に出てくる哀川さんの影響というのが面白い。
〜ロイヤルロイヤリティーホテルの音階〜
10年前の大きな戦争に纏わる曲識の動きを追った話。西東天と哀川潤(狐と鷹)の戦いが発端のアレと見られます。
この時はまだ哀川さんも人類最強ではなかったようで、曲識同様にとあるメイドアンドロイドにやられてしまうんですが、その名前が由比ヶ浜ぶに子。ぷに子て笑。
ここで、曲識が哀川さんを音で鼓舞することで難局を突破し、これが曲識の能力の転機となり、加えて恋慕的な意味でも転機になってるのが良い。因みに、ぷに子は頭部を破壊されながらも、重要な器官は別の所にあって生存しているようですが…。
〜クラッシュクラシックの面会〜
人識が伊織の義手を得る為に曲識にある人物を紹介して貰う話。意外と人識は、双識と馬が合うらしい曲識を苦手としているらしい。曲識は、Clash classicというピアノバーを経営しているという。
紹介されて現れたのは呪い名の第二位『罪口』積雪。武器職人。代金は取らないと言うのが逆に恐ろしい所でしたが、人の皮で作った拷問器具(ブラックジャック)の実験台になれということで、これ本当によく人識は耐えたよな…。流石に皮膚を提供よりはマシなんだろうけど。
結果的には、何だかんだいって伊織の為に体を張った人識が格好良かったし、何なら逆ツンデレの感もありますね笑。伊織も伊織で、早蕨の件で両手首無くしながらも気丈に振る舞ってて凄い。風呂やトイレの世話までしてるのはマジ…?
オチも綺麗で、人識が一匹狼じゃなくなったという暗示というか曲識の粋な計らいという感じでした。シーソーは2人じゃないと遊べないとかね。
近畿地方某府は確かに京都か大阪の二択w
〜ラストフルラストの本懐〜
零崎一味壊滅の危機、想影真心との接触、曲識の最期の話。こうなると、生き残っている零崎は、軋識、人識、伊織だけ?右下るれろも登場。
最後に哀川さんに会って望みを叶えられただけ、曲識にとっては救いがあったのかなーと思います。戯言シリーズの方で哀川さんが仇を取るってのもまた乙です。
今回のbest words
悪くない。ところでアウトローの人間が引きこもった場合、それはインドア派ということになるのだろうか? (p.38 零崎曲識)
あとがき
曲識の曲名は確かに公園にあるものですね笑。
人識と伊織、人識と出夢のやり取りなんかは面白かった!女子高生がスカートを短くするのは、足を長く見せるため。なるほど。あとは、赤の他人をレッドアナザーとか。
確かに、文章を読むのと音楽を聴くのとは全然違いますね。音の方が感覚的というかダイレクトに伝わるというか。