心和のラノベ感想

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零崎軋識の人間ノック 感想

零崎軋識の人間ノック 2012.5

 

今回は、人間シリーズ2巻です。

キャラ付けで"っちゃ"が口癖で、釘バットの『愚神礼賛(シームレスバイアス)』の零崎軋識が主役の物語であるものの、どっちかと言うと禁書の暗部編のようなバトルロイヤル感がありました。知ってるキャラも多数出て来て面白かったです。

時系列的には、人間試験よりも前で双識も出てくる一方で、後のストーリーで出て来るキャラはここでは死なないと分かってしまうという面もあり。

挿絵の使い方が普通のラノベっぽくなってる!

感想

〜狙撃手襲来〜

零崎軋識と人識が高級マンションにカチコミに行く話。そこで、針の穴を通すような性格さのスナイパーが現れ…ということなんだけれど、その狙撃手は策師の萩原子荻だったと。

クビツリハイスクールでは、そこまでだった子荻ちゃんですが、本当に凄い奴だったんだなと分かる。1.5kmほど離れた場所から携帯電話を撃ち抜くので。格闘技とかは弱いものの、頭脳以外もそんな才能があったとは。

ただ、殺気を感じ取る人識はナイフで銃弾を弾くという形で、その危難を回避。玉藻ちゃんも登場。

〜竹取山決戦(前半戦、後半戦)〜

赤神イリアが妹を殺害した事を聞き、D.L.L.Rシンドロームかどうか、零崎に相応しいかを確かめる為、竹取山に双識、軋識、人識が向かう話。こちらも、敵は子荻ちゃんという図式。

一人一殺という形で、軋識vs鉄仮面の女(千賀てる子)、双識vs闇口濡衣、人識vs玉藻ちゃん。軋識は愚直さ故に敗北、双識は鋏を使わない事で逆に経験が故に勝利、玉藻ちゃんは人識に認められるって感じ。双識普通に強いじゃん…笑。罠を逆手に取る頭脳プレイでした。でも、濡衣は実弾を使ってれば勝てたのでは。姿を認識されないように使えないのかもだけど。

子荻ちゃんサイドの市井遊馬が山の5km範囲で糸を張って、動向を感知するってのも強かった。実戦で使わずともそんな使い方があったのか。何となく鬼滅の刃の那田蜘蛛山っぽさもありましたが、操ってみたいなのは無し。

そんな糸すらも掻い潜ったのが異分子、匂宮出夢。何で出て来たの?という所ではありましたが、当時ですら相変わらずの強さ。人識と相見えてライバル認定した模様。

零崎一味は赤神イリアに接触出来ず仕舞いでしたが、これでイリアは絶海の孤島に向かったんだろうなぁ。

〜請負人伝説〜

軋識が『暴君』の指示に従って、とあるIT会社のデータを盗み出そうとする話。その最中に、哀川潤に出会し、何故か協力して貰う事に。

軋識は、式岸軋騎という別名も持ち、恐らく玖渚率いるメンバーの一員だったのだろうと推測される。軋識は27歳、『暴君』は14歳みたいですが、大分良いように尻に敷かれる関係性らしい。

何と言っても、哀川さんの破天荒さが目立つのは流石でした。件の会社にもタンクローリーで突っ込むという大胆不敵さ。ビルが崩れるのはジンクス通り、最終的に爆発しながらも人死にが出なかったのも流石。

空蝉の闇口憑依は初見でしたが、石凪萌太くんも妹の為に駆り出されて出て来たのは嬉しかったですね。全然憑依の分析が見当違いの哀川さんも面白い。

今回のbest words

先生に貸していただいた漫画があったでしょう? 星の模様が入った球体を七個集めると、願いが叶うって言う…… (p.216 萩原子荻)

あとがき

双識の変態具合も含めて面白かったです。子荻ちゃんが妹になってた可能性もある笑。

"果敢ない希望のように果敢に信じていたのだが"という文章が西尾維新さんらしかった。

筆者あとがきの人の二面性の話も興味深い。自分らしいとは。