心和のラノベ感想

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ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い 感想

ネコソギラジカル(下) 2009.6

 

今回は、戯言シリーズ9巻です。

一応の最終回。サブタイが1巻と同じですが、ラストと振り返って口絵を見るとそういう終わり方ねーという。半ば展開には面白みに欠ける部分がなかったとは言えませんが、流れるようにスラスラ読めたのは良かったです。

あらすじ

ぼくにとっての玖渚は好きだったのか嫌いだったのか。玖渚は余命が短い事を告げ、ぼくへの束縛を解く。そんな時、馴染んだかに見えた真心によって骨董アパートが完膚なきまでに倒壊する。それは、時宮時刻の裏切りによるもので…。

最終決戦の地は澄百合学園の第2体育館。最弱と最悪、最強と最弱と集い、ぼくと西東天の命を賭けた哀川さんと真心の戦いが始まる。

感想

色々分からないことも残りましたが、最後は4年後となり、ぼくは哀川さんの商売敵として請負人となり、探偵家業のようなものをスタートし、ラストの玖渚が隣にいると分かるシーンで、良かったなと。玖渚は才能と引き換えに生きる方を選んだのだと。

戯言シリーズは天才と凡人の話?と思って読み始めましたが、勿論そういう側面もあって、人外と凡百の間に挟まれたのが主人公でした。そして、才能があり過ぎるが故に生きづらくて、生きてるのか死んでいるのか分からない、みたいな部分もテーマだったように思います。ぼくが如何に世間と馴染むかという過程だったようにも感じます。

また、ミステリから始まった今作も、全体を俯瞰して見ると、サイコロジカルをピークにして、バトル展開に転移した感がありました。

にしても、ラスボスとされた西東天が実は、伯楽タイプで当人は特に力がある訳ではなく、寧ろ何も考えず運命に流されるだけというのは、何とも拍子抜けでした笑。なので、哀川さんと真心のバトルは中々に熱いものがありました。やっぱり哀川さんでないと、この作品は締まらないのかなと。巫女子ちゃん真似も相変わらず好き。

そう言えば、中巻を読み終わった後に、次回は玖渚機関関連かなと予想していたのですが、見当違いも良い所でしたね…笑。しっかりと上中下巻らしく、十三階段の面々をコンプリートしたような感じで、にしても主人公の妹の話の詳細が分からないままだとは…。

取り敢えず、前は初手で負けた哀川さんも泥試合の末に、真心に辛勝して見せるという結末だったものの、ぼくは西東天を殺してないってことなんですかね。それこそ哀川潤は人を殺さないに倣った形?

今回のbest words

あたしはね──生きるってのは、《生きてると思うこと》だと思う (p.411 哀川潤)

あとがき

戯言シリーズを読んでいると、やはり西尾維新さんらしさを感じました。ただ、物語シリーズとどっちが面白い?と言われると、断然物語シリーズかなと思います。向こうの方がエンターテイメント性が高くて、より読者に分かりやすい物語になってるので。

人間シリーズを挟んで、久方ぶりの新刊となったキドナプキディングのの方も読んでいけたらと思います。