心和のラノベ感想

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サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し 感想

サイコロジカル(上) 2008.10

 

今回は、戯言シリーズ4巻です。

あらすじ見ただけで面白そうだなーと思いましたが、やはり面白かったです。西尾維新さんの描かれる天才、変人は魅力的です。今回は玖渚もメインで登場。

あらすじ

玖渚の友人であるという兎吊木垓輔に会いに行く為、山道を走る車に座すは玖渚友とぼく、みいこさんの親友であり長身、比叡山でアルバイトをする説教好きの鈴無音々の3人だった。《害悪細菌(グリーングリーン)》こと兎吊木垓輔は、元玖渚の《チーム》の一員であり、今は《堕落三昧(マッドデモン)》斜道卿壱郎研究施設の研究員らしい。

玖渚の目的は、元同僚である兎吊木の奪還であったが、過去に因縁のある《堕落三昧》とは折り合いが付かず、弱みを握られているのか兎吊木もほぼ監禁状態の現状打破を望んでいなかった。資産家である玖渚の祖父が当研究施設を支援している方面から切り崩しを画策する中、兎吊木の磔死体が発見される…。

感想

各研究員の個性的なキャラクターと交わされる会話は面白く、上下巻らしい衝撃のラストにはびっくりしました。兎吊木がどういう状況に置かれていたかは次回に持ち越しか。

玖渚がしっかり出てくるのも嬉しかったですが、噂でしか出ていなかった鈴無さんが登場したのも良かったです。この人も中々切れ者で、でも思考は常識人で真っ当な感じかな。

研究員に関しては、根尾古新はぽっちゃりでよく喋り、長髪の神足雛善は髪を切ったらそこそこ二枚目になったようだし、大垣志人助手くんは若くして在籍していて、弄られたりノリツッコミしたりで今作の和み担当って感じでした。玖渚が抱くのはぼくだけなのが少し残念そうでした笑。

その他、三好心視は主人公がER3にいた頃の恩師であり再会だったり、動物心理の春日井春日さんは犬を椅子にしてしまう等少しギョッとしました。性欲が溜まっているらしいおねいさん…。

玖渚と博士の会話にも見ていて冷や冷やするものがありました。要は玖渚が天才過ぎたが故に、ほぼ一生費やして得た知見を、昔の玖渚がこんなの3時間あれば…的な発言をしてしまったようで。中々に残酷。

本文でも、後発の方がレベルが高くなるみたいなフォローもあって、その通りなんだろうとも思いますが。それでも、玖渚は一回りくらい年上の兎吊木を押しのけてリーダーだった訳ですが。

それと、主人公が玖渚をどう思っているか、恋人なのかというのも大きなテーマっぽい。本作の始まりも、兎吊木のきみは玖渚友を嫌いなのでは?という一文からだし。オズの魔法使いでロボットに喩えられる主人公の過去がキーだとは思うので、今後どう明かされていくかですね。兎吊木のグイグイ玖渚との仲を探ってくる質問も面白かった笑。

侵入者の零崎愛識=石丸小唄?

今回のbest words

んーとね。名前はスプーキーE (p.145 ぼく)

スプーキーEは勿論ブギーポップの登場キャラクターだけれども、伊館郁夜さんってのは清涼院流水さんの作品に出てくる人だとか。こっちも気になる。

あとがき

サイコロジカルは矛盾回路のルビで出てきた単語でした。天才は1人で生きるしかないとか、選ぶ選ばないとか。

あったぼこしゅもないは面白くないって意味か。