心和のラノベ感想

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クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 感想

クビシメロマンチスト 2008.6

 

今回は、戯言シリーズ2巻です。

クビキリに続いてクビシメということで、絞殺に纏わる事件でした。ミステリー要素は前回に比べると緩和した気がします。

主人公の京都の大学のクラスメート、主に葵井巫女子を中心とした話でしたが、別に玖渚がバディって訳じゃないのね…。メインヒロインである事には違いないけれど。

殺人鬼と殺人犯、終わってみればどちらの方が恐ろしいのか。

あらすじ

どうやら葵井巫女子ちゃんは、ぼくに好意を抱いているらしい。件の島で舌が肥えてしまったぼくは、学食でキムチ丼大盛り、ご飯抜きで舌を戻そうとしていると、巫女子ちゃんに、友達の智恵の誕生会に参加して欲しいと頼まれる。

江本智恵、葵井巫女子、貴宮むいみ、宇佐美秋春が集ったバースデーパーティの帰り、酔った巫女子を隣人のみいこさんに預けて眠る。その翌日、智恵が首を絞められて亡くなったとの報を受け、警察の佐々沙咲と斑鳩数一が部屋を訪れる。この事件は、巷で騒がれる無差別殺人とは別なようだが…。

感想

巫女子ちゃん可愛かった!からの、この作品主要キャラ死に過ぎでしょ…というね。というか、巫女子ちゃん可愛いけれども、真実を知ってしまうと怖いが勝る。寧ろ、無差別殺人犯で殺人が目的なのか殺人のレールに乗ってしまっている零崎の方が、主人公と和気藹々とやってて、人畜無害そうだったという。何なら主人公助けてたし笑。

今回の話は、ミステリーとしてはそんなに入り組んでないというか、主人公を信じるなという類のものだったように思います。主人公が常に読者寄りだとは思うなという。先を見通す感じは、よう実の綾小路を見ているかの如しでした。末恐ろしさを秘めている。

第1の事件は、智恵が絞殺で殺害されたもので、2つ目が巫女子ちゃんが絞殺されたもの、3つ目が、秋春が殺害されたもの。連続殺人に見せかけての、全て犯人が違うっていうのが面白い所ですね。

1つ目の犯人は巫女子ちゃんらしい。誕生会の去り際に絞殺し、帰り道に智恵ちゃんからの電話に見せかけるというアリバイ作りも。

2つ目は巫女子ちゃんの自殺。ここの主人公の動きがミスリードというか、情景描写をあえて暈してた訳ですね。実は遺書まであったらしく。

3つ目はむいみちゃんによるもの。夜道で主人公を襲ったのもむいみちゃん。むいみちゃんは巫女子ちゃん大好きであり、その巫女子ちゃんの好意をぼくが受け取らなかったことによる悲劇とのこと。

1つ目のも、巫女子ちゃんのぼくと仲良くする智恵ちゃんへの嫉妬が大きいようで。しっかし、巫女子の為に友達の無辜の秋春を殺すという思考も中々に狂ってるよなぁ。

今回は、人を殺す理由とか殺人について論じられていたのが印象的で面白かったです。また、友達を作る作らない云々も西尾維新さんらしい。

結局、狭いコミュニティの中ですら恨みを買う可能性があるというのが恐ろしい所だなと思います。智恵ちゃんも、友達でも一定の距離を置いていたのにも関わらず、最後は殺されてしまった訳で。

巫女子ちゃんの乗っていたベスパを、ラッタッタと言っていた件も面白かったです。ラッタッタって昔の電動自転車の愛称らしい。ミココ号と名付ける主人公のダークなセンスも良きでした笑。

X/Yに関しては、鏡を利用すると4/20で巫女子ちゃんの誕生日を表すらしい。なるほど。そう考えると、3つ目の事件もまた皮肉な感じか。全体的に面白かったけれど、読み取れてない部分も多そうで少しモヤモヤ…。

今回のbest words

何も予定が入っていないことを暇と定義するのなら、暇と言って言えなくもない (p.39 ぼく)

あとがき

物語シリーズで、暦はヒロインを〜ちゃんと呼ぶけど、そういうのは今作もその傾向なのね。

哀川さんは臥煙さんのような安心感あるなぁ笑。零崎を止めたのも哀川さん。ぼくの部屋の出された水を飲むのも哀川さんだけ。