灼眼のシャナⅩ 感想

灼眼のシャナⅩ 2005.9

 

今回は、灼眼のシャナ10巻です。

5巻に引き続き過去回、というか5巻に繋がる話でした。登場キャラが多くて大体戦闘ということで、読みづらさはありましたが、重要回ではあるので飛ばせないですねー。先代の炎髪灼眼、マティルダ・サントメールのお話。

あらすじ

時は、16世紀初頭。"紅世の徒"とフレイムヘイズによる大戦。"棺の織り手"アシズ率いる[とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)]は、『九垓天秤』を擁していたが、宝具『小夜啼鳥(ナハティガル)』争奪戦により"巌凱"ウルリクムミ、"焚塵の関"ソカル、"闇の雫"チェルノボーグ、"凶界卵"ジャリ、"大擁炉"モレク、"虹の翼"メリヒム、"甲鉄竜"イルヤンカの7人まで減じていた。

アシズの陰謀を阻止する為のフレイムヘイズ陣営は『震威の結い手』ゾフィー・サバリッシュ、『極光の射手』カール・ベルワルドを中心に戦いに当たっていた。

感想

文章力の高さや展開を広げていく技量は感じるんだけど、ほとんど初出のキャラクター祭りで、頁びっしりでそれぞれの戦いをやられると理解が大変だよね…というのが一番。面白いと言えば面白いんだけど。

そもそも、今回の話はマティルダが身を挺してアシズの野望を止める話であり、メリヒムとヴィルヘルミナの三角関係を終え、Ⅴのシャナの話に行くまでの部分であって、大戦以前の両陣営の戦いとか、オストローデでの都喰らいとかは端折られてるし、今回アシズが狙っていた出来事なんかも謎(宝具を発動させて何らかの自在法を発動?)となれば、そりゃちゃんとした理解は困難だよなと。

※調べていたら、契約者ティスの遺志である「私たちの子どもが欲しい」を叶えたかったのではとあって、そう言えば本文中にそういうシーンあったような。読解力がないだけでした…。

なので、今回分かっとけば良いのは、メリヒムはマティルダを愛して、ヴィルヘルミナはメリヒムを愛していて、マティルダアラストールを愛していて、メリヒムを下したマティルダは、メリヒムに人間を喰らわないことと、シャナの養育を任していたこと、チェルノボーグの攻撃によって、マティルダは死に追い込まれた辺りでしょうか。

まぁ、勿論今回出てきたキャラクター達の名前は今後も出てくると思うので、頭の片隅には入れとくべきでしょうけど笑。因みに、ヴィルヘルミナがシャナに教えようとした歌は、マティルダアラストールに送った恋歌だったというオチです。明らかに揶揄っている訳ですが、ヴィルヘルミナマティルダに劣等感みたいなものがあったのかなぁ…なんて。少なくとも、戦友でありながらも嫉妬はあったんだろうな。

にしても、16世紀というのは悠二のいる時代から400年くらい前という認識で良いのだろうか。[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の3人もちゃっかり登場していましたが、アシズの野望とは相容れないらしく今回の話にはそれほど絡んで無かったです。

『天道宮』と"髄の楼閣"ガヴィダの話なんかももう少し補足欲しいところ。アラストールの顕現云々の部分もよく分からないかな…。

今回のbest words

それと、取って置きの秘密……最後だから打ち明けるけど────大好き。愛してる (p.292 マティルダ)

あとがき

難しかったですが、世界観を広げる又は深める意味ではやはり重要な回だったなと思います。

ちょっぴし疑問は、人間→フレイムヘイズにはなれると思うけど、人間→紅世の徒はそもそもの種族が違うから無理?という所。フレイムヘイズ⇆紅世の徒は多分可能な筈。あとは、どうやって紅世の徒って生まれるのか、とか。

この辺りの時期にアニメをやってたのね。