クロクロクロック1/6 感想

クロクロクロック1/6 2012.8

 

今回は、クロクロクロック1/6です。

表紙に花咲太郎がいる!とか、冴えカノなどで有名な深崎暮人さんイラストじゃん!となる今作。みーまー8巻の如き群像劇でした。

あらすじ

此度注目するはこの6人。緑川円子の殺害を依頼された殺し屋の『黒田雪路』、拳銃をたまたま拾ってしまった大学6年生のニート気味な『岩谷カナ』、幼なじみに片想い中な凡人高校生『首藤祐貴』、嫌いな人ランキングを付けて順番に殺害を目論む小学生『時本美鈴』、金髪青スーツの弟子を持つ若手陶芸家『緑川円子』、落とした拳銃の捜索を頼まれたロリコン探偵『花咲太郎』。

とある6人に拳銃を販売した男は、1つモデルガンを混ぜて売ってしまった。さて、この手違いがそれぞれの人間達にどんな影響を齎す?

感想

6分の1って何ぞ?という事なんですが、冒頭でその意味が分かります。というのも、銃を売り捌いた6人の内、売人が誤って1つ偽物を混ぜてしまったという話。

そんな中で、1巻にしてめちゃくちゃに登場人物の相関図が矢印だらけになるというのが、面白い所でした。思いがけない接点や視点があるのも見所。

登場人物が場面場面でコロコロ変わる為、挿絵で人物評を確認しながら出ないと最初は覚えられないのがネックではありました。普通の主人公視点の作品に比べれば、少し慣れるまで時間がかかるかなと。

丁度、電撃の缶詰に入間さんのコラムが載っていて、この作品について語っていたのですが、今作のイメージは『街』というゲームらしい。また、日々人が行き交う街中で、その人その人が何かしらの目的を持って行動していると考えると面白いと言っていたのは、確かに自分もそう感じる時があるなぁと共感してました。

ストーリーとしては、黒田や美鈴が殺人を犯しそうと思いきや、1番おとなしそうな首藤くんが片想いの幼なじみ(小泉明日香)の彼氏君を銃殺するという展開でした。嫉妬怖し。しっかり死人でましたけど、とりあえず今回は1人のみ。

この出来事がトリガーとなって、次は美鈴の標的が首藤に切り替わったりしましたが、警察に捕まるのが時間の問題な気もする。ただ、黒田的には銃のルートを割らせない為に泳がせる幇助をしたりするのかなぁ。因みに、これで首藤が買った銃が本物だった訳ですね。

殺伐としていると思いきや、岩谷カナの周りはのほほんとしてました。留年大学生が友人のギャッピーによって、美容院に行ったり、タカシマヤでバイトしようとしたり。パジャマで外出する勇気は凄い。

ギャッピーを好いてるのが黒田さん? カナの友人の姫路さんが緑川の陶芸教室に出てたり、美鈴の担任が拳銃を落とした篠崎達郎だったり、ケーキを買いに来た花咲とカナがニアミスしてたり、カナが美容院で緑川の弟子の新城雅貴に会ってたり、美鈴が花咲の目にかなってしまったり。

追い詰められた首藤がどういう行動に出るかも気になりますが、そして誰もいなくなるのかなぁ。それと、プロローグ前の壺の話もどう繋がるのか。

今回のbest words

あんたも同じに見えるが……僕はヤキトリ売りだよ (p.123 花咲太郎)

あとがき

160ページ辺りの"殺してやる"が文字で出来てたのが良かったです。

二条オワリさんの犬?も出てたりでクロスオーバーも健在でした。