心和のラノベ感想

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ウィザーズ・ブレインⅩ 光の空 感想

ウィザーズ・ブレインⅩ 光の空 2023.9

 

今回は、ウィザブレ20巻です。

上下巻とかなくこれで最終巻。450頁に加えて改行が少なくびっしりということで、中々読むのに苦労しましたが、とりあえず完結を見届けられて良かったです。ストーリーというよりかは、カップリング重視って感じかなー。

あらすじ

雲上航行艦3隻を手中にした世界再生機構は、賢人会議やシティ連合の攻撃を振り切り、サクラの待つ南極衛星に向かう。苦戦を強いられる世界再生機構の面々であったが、ハリーの機転により、作戦通り錬をサクラの元に送り届ける事に成功する。

人類と魔法士の和平の為に雲の除去装置の破壊を目指す錬と、それを阻止するサクラが激突。一方、残された人間と魔法士達は、これまでの一連の魔法士事情を共有し、侃侃諤諤の議論を展開していた。

感想

ハッピーエンド…と言って良いのかな。結果的に、雲の除去はされずに人類と魔法士の和平へと向かったけれども、具体的な方策は模索中という形。200年後に自動的に雲が晴れた世界に降り立ったサクラが見たものは…読者に委ねると。

カップリングとしては、ヘイズとクレアが1番上手くいってましたねー。戦争終結の象徴として結婚式が全国放送で流れる始末。でもまぁ、クレアが返事をヘイズに聞きに行くシーンなんかはとても良かったです。あと、ハリーも死ななくて一安心。

錬に関しては、衆人環視の中で雲の除去装置を破壊したことで、一部の人達から恨まれる結果となって、本人もそれを理解した上で行動してたので納得していましたが、姿を晦ますことに。だけれども、フィアはそんな錬の側を離れない決意を固めたので、ここもまぁ収まったかな。

そもそものフィアですが、サクラの取っておいたバックアップのお陰で、戦闘後に目を覚ましたようです。起きた当初こそ身体的な障害が幾つかあったものの、リハビリで一応は問題なさそう。

あとは、ファンメイとエドやディーとセラなんかも変わりなく。月夜は、サティさんの弟子になる決意をしたようなのと、何となくイルと繋がりそうな感じはありますねー。

話は戻って今巻ですが、①世界再生機構vsシティ連合+賢人会議、②世界再生機構vs南極衛星の防衛機構(?)、③錬vsサクラというバトル三昧で、実は結構読みづらかったです…。戦闘描写をイメージするのが苦手なので。逆に、流れる展開の部分や長めの終章はスラスラーって感じでした笑。

錬とサクラの戦闘は、実力が拮抗していてサクラも戦闘を楽しんでいる様子でした。錬がこの場に来た時点で、負けるつもりだったのかなーという気もする。本気で人類の絶滅を考えてはいなかったのではというのと、錬の意思も確認出来たというところで。

錬が雲の除去装置を破壊したことで、人類側は戦争する意味がなくなったというのは、直ちに人類滅亡の危機からは脱したということ? でも、マザーシステムの寿命までは残り少ないのは変わらんのよな…。塔がヒントになるみたいな示唆もあったけれども、やはり安直な回答とはならずでしたねー。

長いページ数の割には、解決策が明示されなかったのは不満に思う人も多いかも。ま、僕は物語が完結すると聞いてから読み始めた口なのでアレですが、20年来待って読んでる方々にはまず完結させたというのは感慨深さが勝るかなとも思います。

今回のbest words

よろしく、義兄貴! (p.398 イル)

あとがき

出撃前にみんなが談笑してるシーンはほっこりしました。接点があっても今まで腹を割って話したことはなかったということで。あそこの思い出話が、次に出るとされる短編集に収録されそうかな。気になるのは、ファンメイと猫の話なんですが笑。書き下ろしは宇宙旅行の話含めその後の話かな? 本当に最後なら結末の話も入れて欲しいような。

200年経ってたら、今のメンツは居なくなってるんだろうけど、人類と魔法士の垣根を越えて生き残ってたら良いですね。脱鉛色の空。