心和のラノベ感想

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ウィザーズ・ブレインⅦ 天の回廊〈下〉感想

ウィザーズ・ブレインⅦ 天の回廊〈下〉 2009.6

 

今回は、ヴィザブレ13巻です。

表紙はアリス!アルとの新婚感あるやり取りは中々悶えました。そして、過去話盛り沢山の下巻となり、イツメン達が如何に件の3人の影響を受けてきたかが粗方分かってきました。

あらすじ

ルフレッド・ウィッテンは、偶然人間から生まれた最初の魔法士アリスが普通に暮らしていけるように、天樹健三やエリザと共に魔法士研究を推進していた。しかし、魔法士の活用法を巡ってウィッテンは孤立し、また地球連合から、魔法士の遺伝についてプロテクトを掛ける事を強要されてしまう。

南極に全ての解があるとして終了したウィッテンの記録。衛星を止めたところで、雲が払われるのは100年以上かかり、マザーシステムの寿命に間に合わないとされる中、真昼はウィッテンが遺した『雲を除去する方法』を見つけるのだが…。

感想

いくつかの謎が明らかになった一方で、まだ何個かは謎が残るなーというところ。残すエピソードは3つとのことなので、作者の中では終わりまでのイメージは出来てるっぽいか。

正に、ウィッテンは根が普通の人であったからこそ、自分の生み出す技術の行く末を考えてしまうという感じで、健三なんかだと好きで研究をしてるから、その技術がどう利用されようと我関せずでいられるみたいな話でした。龍使いの研究から身を引いたりね。

そんな訳で、ウィッテンはファンメイにも関わりがあって、サクラの父でもあるし、真昼とは将棋を指したりする間柄で、ヘイズを生かしたという経緯もあって、後世への影響が甚大ですね。

それから、七瀬雪についても足の不具合を、魔法士になる事で克服したという話もありました。身体機能ではなく、反射神経とかそっち方面が魔法士には重要な要素だから、騎士として活躍できたんだろうなー。

遺伝子のプロテクトの話が出てきましたが、これも大きな問題だなと思います。というのも、最初の魔法士であるアリスは自然発生的に人から生まれたもので、ある意味人類の進化とも言える魔法士の存在を、人間自らが拒否したということなので。

弱者は、能力を持つ者を忌避する、あるいは近くに置きたくないということで、人間vs魔法士の構図が出来てしまうというのは、魔法科高校の劣等生でも見た話ですね。ただ、魔法士が遺伝で誕生できるのであれば、魔法士だけの町を作れるという証左にもなるので、シティvs魔法士という、人を切り捨てる事も出来てしまうという。ま、これは真昼が発見した雲の除去方法如何によるとは思います。

サクラが頻りに真昼に、魔法士は人間かを聞こうとするシーンがありますが、これはサクラなりのツンデレですかね笑。

結果として、賢人会議は魔法士のプロテクトを盾に交渉していくことになりそうです。転送装置も無事に?起動して全員戻ってきて、地下の町の人々は自身を転送装置の鍵とする事でロンドン軍に生かされたという感じ。ファンメイは一時右腕を失いつつ問題はなさそうでした。

今回のbest words

しっかりやるように (p.171 エリザ)

感想

アリスとの透き通るようなやり取りは良かったです。半月の夏目の話を見ているような。

ただ、結局アリスがどうなったか、そもそも大気制御衛星の暴走は何故起きたのか、マザーシステムの生まれた経緯など気になります。