心和のラノベ感想

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青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 感想

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 2023.7

 

今回は、青ブタ13巻です。

映画公開のタイミングでの新刊。霧島透子の正体に迫る回と思いきやお茶を濁される感じでした。疑問点が出てきた時に、その場で登場人物がそれに触れてくれなかったり少しモヤモヤする部分が多かったです。

あらすじ

クリスマスイブに咲太を始め同世代のほとんどが集団予知のような形で夢を見ていた。咲太の見た夢では1万人が集う音楽フェスで、麻衣が自分を霧島透子だと告げるというものであり、赤城も同じ夢を見たという。#夢見るでも似た夢を見たとの投稿があったり、麻衣の方にもフェスの予定が入ったりと信憑性が増していく。

一方、朋絵からは麻衣が一日署長を務めるイベントで事故が発生する未来を見たとのことで、以前に別の咲太が警告した事が思い当たるのではと推測する。相変わらず咲太にしか見えない透子であったが、ふとした時に友人の美東美織にも透子を認知できる事を知る。透子と岩見沢寧々との関係を探っていく内に、咲太の大学の友人である福山が浮上して…。

感想

霧島透子の正体が分かって、思春期症候群の謎も分かっていく回かと思ったらそうではなく。霧島透子を騙る存在が周囲から認知されなくなっていたという話で、じゃあそもそも本物の霧島透子って何?と逆に謎が深まる感じ。

ミスコンを取って周囲からチヤホヤされていた寧々が、桜川麻衣という存在の前に完全に自信を喪失し、霧島透子を真似することで自我を保っていた的な。不思議な所は、霧島透子になろうとする人が周りから認知されなくなる所か。

なので、今回の話を読み終わった時に感じるのは、寄り道したなという印象。結局は、霧島透子はほぼ関係なくて、岩見沢寧々という個人の問題に巻き込まれただけという。ま、麻衣さん=霧島透子説が世間で抜け切らないのが次回にどう響くかというところですかね。

一応、麻衣さんを襲った危機は誰かの思惑というよりかは、誰かが差し向けたのはあるかもですが、事故といった様子で、咲太が庇ったお陰で無事でした。咲太の方も大事には至ってなさそうです。

それで、寧々個人の話ですが、福山と恋人関係にあったというのはびっくりでした。いやまぁそもそもあんまり福山の印象がなかったのでアレですが、咲太の大学の友人が2学年年齢が上だったと判明するという。北海道から横浜の方の大学に進学した理由が思い出せないと言っていた時点で、寧々と同じ大学へという記憶が無くなってたんだなと。浪人して3年目で合格したとか、似たような境遇の咲太には恐ろしい話笑。

最終的にはミスコンのトロフィーのお陰か福山が寧々の事を思い出し、寧々を説得することで、寧々の認知されない現象は解消。マフラー巻いてくれてありがとう(5年)。でも、美東が何で寧々を最初から認知出来たのかは謎のままでした。透子は何故クリスマスのグッズが多い?とか、今まで咲太が会ってきた透子は本物か偽物かとか、クリスマスイブに夢を見なかった人が未来で死ぬというのはデマかとか。

赤城さんもちょいちょい活躍してましたが、そんなにパッとしないのであまり言及はなし。北海道への飛行機代って結構馬鹿にならないですよ?

今回のbest words

俺は寧々を好きになったんだ。寧々のままの寧々を! (p.270 福山)

あとがき

青ブタは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を捩ってのネーミングだと思いますが、夢がテーマになってきました。最終章という事は終わりに近付いているのかな。

咲太が運転免許を取るまで進んできた物語ですが、面白いやり取りや腑に落ちる展開を期待したいです。