心和のラノベ感想

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ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド 感想

ブギーポップパラドックス ハートレス・レッド 2001.2

 

今回は、ブギーポップ10巻です。

時系列では1巻よりも前の話で、統和機構に拾われた九連内朱巳と、霧間凪が集団昏睡事件を通してライバルとして?認め合う、そんな話でした。

やっぱり不思議な読ませる面白さがある作品だなと改めて思います。

あらすじ

借金をした両親に残される形となった九連内朱巳は、取り立てに来た男たちに対し、暗示を掛けて撃退する。その能力から統和機構に入ることとなり、ミセス・ロビンソンは朱巳の母の千鶴として朱巳を監視しながら同居生活が始まる。

巷で起きている、植物人間のような昏睡患者の増加の件での調査を巡り、朱巳は霧間凪と出会う。凪は朱巳と同じ中学のクラスメイトでもあり復学したばかりであった。一方、朱巳はクラスメイトの内村杜斗と付き合い始めるが、この内村には隠し事があり…。

感想

色々と考察したいこともありつつ情報不足を感じるところです…。最後に朱巳の元にスクイーズが側付きになったり、水乃星透子だったりと聞いた事のある名前もちょくちょく出てきていたので。確かマンティコア絡みか何かで死亡してた気がしますが、この水乃星が今回のフェイルセイフに力を与えていたとのことで、統和機構以外の勢力もあるのかなーと。

大元の集団昏睡事件に関しては、フェイルセイフの触れた相手の死を奪う能力の被害者かと思われますが、患者が少女?によって救われていたので、そっちは知らぬ間に解決という感じ。

なので、今回はフェイルセイフの撃退というのが話の根幹と言ってしまって良いのかな。そのフェイルセイフの正体は朱巳の彼氏の内村であり、成りすまして統和機構の情報を探ろうとしていたっぽいです。能力が触れた相手の死を抜き取るということで、人は死に向かっていて、生きているとは死んでいない事みたいな話は興味深かったです。

内村として傷付かない人生が理想で保険を掛ける必要がある的な事を言っていたのが、正に彼の能力そのものだなーと後で思いましたが、抜き出した死を纏うことで13回まで死を帳消しに出来るらしく。NARUTOの角都より厄介なんじゃ…笑。

そんな内村も、朱巳の統和機構の訓練施設への誘導という策略や凪の活躍もあり、そして最後はブギーポップが手を下して撃破と相成りました。廃墟に出てきた裏表紙の犬も彼が作成したのかなー。

朱巳と凪の物語も今回のメインではありましたが、それにしてもこの2人の大人び方が凄い。両親と離れているという共通点も強さなのかなぁ。凪の戦闘技術や状況判断が神がかってる。意思が強い。

あとは、ミセス・ロビンソンは統和機構からの派遣とは言え良い人だったように思います。朱巳の事を想っているというか。だからこそ、ブギーポップの警告通り、内村に無警戒でやられてしまった訳ですが。

朱巳も朱巳で母として敬ってる感じだったし、内村も嘘を見破りながらも好きな気持ちは本当だったみたいだし、今回の被害者と言えそう。だから、凪との出会いはプラスなのかなとも思います。まぁ、今後も詐術で統和機構を欺き続けられるのか不安ではありますが。

今回のbest words

"炎の魔女"だ! (p.226 霧間凪)

あとがき

傷物の赤として心に傷を負う朱巳の傷を焼き尽くす炎の魔女、そんな話でした(抽象的)。筆者あとがきでも心とか気持ちとかの話をされていましたが、自分の心を整理していたら強い、みたいな?