今回は、青ブタ12巻です。
2020年10月のナイチンゲール以来の新刊!待ってました!!
ここ最近の青ブタは少し勢いが多少落ち目に感じていましたが、今巻はとても面白かったです。作中時期も今にぴったりでした。
あらすじ
12/2麻衣さんの誕生日。咲太は麻衣さんと共に出掛け、ハートの指輪をプレゼントする。そして、12/24泊まりで箱根の温泉に行くことを約束。一方で、"霧島透子を探せ""麻衣さんが危ない"というメッセージについては、透子と接触を図りながら手がかりを探す。
咲太のアルバイト先の塾では、姫路紗良が咲太を指名。明るく成績も良い紗良だが、とある思春期症候群を抱えているようで。#夢見るが流行る中、咲太は12/24に紗良とデートしている夢を見てしまい…?!
感想
面白かったです。個人的面白いの基準①100ページ/1hを超えるペースで読めること②続きが気になる、を満たしていたので。
今回は、前回の警告から麻衣さん絡みの話になるかなーと思いきや、タイトル通りマイスチューデント紗良の話でした。逆に言えば、紗良中心の話でありながら透子の話も同時進行で少しずつ明かされる形だったので、次回も楽しみになりました。
それから、塾のコミュニティの中で恋愛関係があっちこっち矢印が飛び交う感じも好きですね。そういや双葉も失恋してたなーと。双葉を好きな教え子の今後にも注目です。そして勿論、鴨志田さん特有のテンポの良い掛け合いや、前に出てきた話をちゃんと生かす感じも健在で満足でした。まじで咲太と麻衣さんのいちゃいちゃが良きです。
紗良の思春期症候群は失恋から始まっていて、経緯的には人を惚れさせてしまうようなものかと思いました。でもそうじゃなかったと考えると、2人も塾講師が紗良に好意を寄せて退職するかなという気もしますが…。
実際には、千里眼のようなもので一度衝撃を与えた相手に対し、視覚や考えを共有できるというものらしく。咲太の予知夢みたいなものと同じ夢を見たのもそういう理由か。もう1回焼き増す流れも好きですし、それをぶち壊しにくるメインヒロイン麻衣も良い活躍してたなー。
周りから見た自分に囚われて自分の好きを抑えていたところを、咲太や特に麻衣の、好きな人を好きという気持ちの強さを見て思春期症候群を克服したという感じか。
そして、ラストが不穏な終わり方でした。今回で、霧島透子の本名が岩見沢寧々で昨年のミスコン優勝者ということ等は分かりましたが、今後麻衣の身に何が起きていくのか、透子の歌がトリガーになっているのか。
今回のbest words
あと十五分で賞味期限が切れるモンブランです (p.84 梓川咲太)
あとがき
地味にレストランで消毒みたいな描写があってコロナを地味に反映しているなぁと。
外側から恋の向きを眺めるって良いですね。