今回は、悪魔のミカタ1巻です。
「みークルズサジェスチョン/ポリッシュアップルズ」これが元々2002年電撃ゲーム小説大賞の銀賞受賞の時のタイトルなんですが、個人的にはこのネーミングセンス好きです。
という訳で、電撃文庫の名作を読んでいく一環として今回から悪魔のミカタを読んでいきます。本当は、うえお久光さん作品を全て見ていきたいのですが、いくつか揃ってないので悪魔のミカタ全13巻でひとまず我慢します。
あらすじ
突如として堂島コウの自宅に現れた自称悪魔の少女。何でも、望みを叶えたことの引き換えに魂をいただきに来たという。身に覚えのないコウは、一昨日の全校集会の途中に、体育教師にして生活指導担当の山崎《ザ・ブルマ》が奇妙な死に方をしていたことを思い出す。
悪魔と契約することで《ピンホールショット》という、相手を写し、その写真を傷つけるだけで被写体を殺害せしめる《知恵の実》の1つの使用を疑われるものの、やはり犯人ではないコウは事件の調査を始めていく。
感想
正直なところ面白かったかと言われると微妙でした。ニヒルな語り口や言葉選びは所々面白かったですが、展開に追いつけない感じがありました。まぁ、まだ1巻なのでどういうノリで進んでいくのか予想できないのと、登場キャラの個性が分かっていないので会話が追いづらかったり、行動理由が分かりにくかったりするからかなと思います。
主人公のコウですが、読者寄りというよりかは超常的というか一歩進んでいる印象でした。何か知らんけど女子にモテる感じは、ラノベ主人公としては嫌いな部類なんですが…。ただ、恋人が亡くなった時に泣かない理由が、泣くことですっきりして故人を忘れることを避ける為と話していたのは何かかっこよかったですね。妹は宇宙人に攫われ(?)、母も亡くしているからこそなんでしょうが。
さらっと語りましたが、コウって普通に彼女いるんですよ。その冬月日奈があっさり死ぬという展開は驚きました。その日奈を生き返らせるために、悪魔のミカタとなって方法を探していくというのが、今後の話の方向性となるようですね。
それで、タイトルからどういう話になるんだろうと思っていたんですが、悪魔のミカタもそうですし、魔法カメラもがっつり話に絡んでました。悪魔が突然家に訪ねてくるところから始まる訳ですし笑。
ミステリーというジャンルでしたが、現実的な方法論は取っていなくて、悪魔がいれば魔法カメラというチートアイテムも出て来る。けれども、トリック自体は現実でも通用するなるほどと思わせるもので、1件目の事件と2件目の事件を似せていながら、実は2件目の事件だけ魔法カメラを使用することで、1件目の事件の容疑から外れるというミスリードを誘引させるみたいな。これは読んでて感心しましたね。
今回のbest words
あなたの魂を、いただきに参りました (p.16 アトリ)
あとがき
歪んだ力を手にすると生き方も歪んでしまうのかなーと思いました。人を呪わば穴二つとはよく言ったもので。動機は脅迫の報復かな?
キャラの深掘りや興味深い事件が絡んでいくともっと面白くなる気はしているので、次回以降楽しみです。
因みに、みークルはみすてりぃサークルの略らしい。