心和のラノベ感想

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Kaguya ~月のウサギの銀の箱舟~ 感想

Kaguya ~月のウサギの銀の箱舟~ 2008.4

 

今回は、Kaguyaです。

鴨志田一さんの電撃文庫2作目。序盤を読んでいて、古き良きラブコメで鴨志田さんらしい軽快な会話で良き!と思っていたら、予想外の展開でびっくりしました。個人的には、途中から追い付けてないまま最後までいってしまった印象かなぁ…。

あらすじ

平凡な高校2年生である真田宗太は、ある日てるてる坊主のような少女に出会う。目が不自由なその少女の名は立花ひなた。ひなたを放っておけない宗太は、ひなたを家に連れて帰るのだった。

14年前に彗星が月に衝突し、その欠片が地球に隕ちた6箇所の内の1つ月乃宮。宗太達が暮らす土地である。そこでは、未成年の内だけに発現する能力を持つ、ムーンチャイルドという者が一定数存在した。宗太は自分の視界を共有させる能力を、ひなたは重力制御の能力を持ち、宗太はひなたの視野を補完する為に行動を共にすることに。

感想

まずは衝撃でした。普通に、目の見えない強情で見栄っ張りで世間知らずなヒロインと、普通にラブコメする話だと思っていたので。それが、突然クラスメートが死に、生首が出て来て、異能バトル的な様相を呈してくるとは。

でも、よく考えるとさくら荘とか青ブタらしさが随所に見られるんですよね。ひなたのキャラは何となくましろっぽいし、アルテミスコードは思春期症候群っぽい。雰囲気なんかも青ブタっぽさがある。まさかここまで暗めな展開とは思いませんでしたが。

話としては、未解決だった事件の犯人が執行人と名乗る者によって、立て続けに殺害されるという事件の解明でした。前提として、隕石によって能力を持つ子供(ムーンチャイルド)が出現したものの、能力の使用は禁止されている訳ですが、それによる能力者への忌避感情や迫害の撤廃が犯人の狙いだったと思われる。因みに、能力の強さは3段階あるらしい。

能力を使用してバスの暴走を止めた中条明人が、周りから孤立して不登校になったというのも、賛否両論あるなと。魔法士と人間の溝にも近い話ですが、やはり同じ環境で暮らすのは難しいのではと思ってしまいます。

ヒロインのひなたは、前は目が見えていたとのこと。名字の立花のみ偽名なので、宗太は後に下の名前呼びに変更してました。能力の希少価値から研究所を転々として来た過去から、自分の居場所を探している。宗太への日記が可愛いかったです。誕生日を聞かれたら聞き返してあげるのも大事なんでしょう。頭は良いけど実は中2。

片桐京は、グラマラスで生徒会長で大人びた態度の先輩でした。物体を転移する能力者。いちご牛乳好き。姉の巴は宗太らのクラスの担任である一方、京と共に公安特課の一員。宗太も能力は弱いながらも頭脳を買われて公安所属?っぽい。

今回の黒幕は公安の1人で、クラスメートでもあった柿崎瑞希というのは意外でした。中条君好きだったのも動機の一つか。里見千歳さんはミスリードで、甘い物好きなツンデレさんでした笑。宗太の策に敗れた瑞希は自害する形になりましたが、これまた結構大胆な展開よなー。自分にライトを当ててその視界を相手に投影するというのは、そういう使い方もあるのかと感心しました。

能力の発動条件は任意で良さそう? 使用制限はなさそうですが、魔力みたいなもんで使い過ぎは疲労に繋がるとのこと。

今回のbest words

宗太さんのこと、好きになっちゃったみたいです! (p.314 ひなた)

あとがき

前作から全く違う毛色の作品だと思いきや、もう一捻りありましたねー。少し展開の強引さは気になりましたが…。

ラストでひなたの告白がありましたが、次回の展開が全く予想出来ません笑。ブギーポップ的な話になるのか?