心和のラノベ感想

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半分の月がのぼる空3 wishing upon the half-moon 感想

半分の月がのぼる空3


今回は、半月3巻です。

前回、里香の手術の成功確率がそんなに高くないという話で終わって迎えた3巻でしたが、今回も手術は持ち越しでした。里香の脆さと共にまた恋しくなる感じ?の回。

あらすじ

『写真、撮って』

そんな里香の願いから、裕一は父のカメラを引っ張り出す。また、裕一の学校に行ってみたいと言う里香の願いを聞き、幼なじみのみゆきに制服を借りて里香を学校に連れ出す。

里香を大切に想う気持ちを深める一方で、徐々に体調を崩していく里香は遂に手術を受けることに。生きる覚悟を持って。

感想

今回は、大枠として話が動いた回ではなかった感じなので、感想を書くのが難しいですね。それでも、大人でも情けない、不甲斐ない行動をしてしまうこともあったり、人間の弱さだったり、はたまた何でもないようなことが幸せだったり、色々と。また、全能感に満ちていた子供時代に比べて、大人になるに連れて未来や将来に希望を持てなくなっていくみたいな話も。

司のプロレスコスは毎回やるのかな?笑 にしても、本当に頼りになる奴。プロレスの話もそうですし、亜季子さんの車の話にしても、小説家は色んな知識がないと務まらないなと漠然と思いました。

新キャラとしては、裕一の幼馴染のみゆきと、亜季子さんの友人である美沙子。みゆきは、里香たちと共に学校を巡っていく中で、裕一へのえも言われぬ感情を抱いていくキャラ。里香に対して嫉妬とも取れるシーンもあるんですが、恋心というよりかは幼馴染としての感情のように思えました。

美沙子さんについては、夏目と同様に少し情報不足な感じ。東京でモデルの仕事をしていて、父の病気によって地元に戻ってきたと。ストーリー的には、気落ちした裕一に付け込んで?一線を越えそうになって、裕一に里香への罪悪感を抱かせる役割みたいな。上京して田舎を蔑む人の風刺的な意味合いもありそう。

里香が写真を撮って欲しいと言い出した理由についてですが、特に本編では触れられていません。なので完全な推測になりますが、自分が外に出られないから色んなものを裕一に撮って見せて欲しいというよりかは、個人的には自分が被写体になった写真を裕一に持っていて欲しかったのではないかなぁと思ってしまいます。

勿論、生きる為に手術に挑みますが、その確率は低い訳で。万が一の時に自分を裕一が忘れないように。普段の態度からは想像のつき辛い部分もありますが、亜季子さんによって裕一の子供の頃の写真が里香の手に渡って、それを手術室に持ち込んでいるというじゃないですか。それに、その写真を見て気分が良くなっていたという可愛らしい一面もありましたし。

今回のbest words

うっせぇ!赤福知らないヤツに文句言う資格なし! (p.56 戎崎裕一)

あとがき

今作のメッセージって、どんなに惨めでも一人の女の子の為に尽くすことは素晴らしいってことなんじゃなかろうかと感じます。現実はままならないけれども。

半分の月が何を表しているかは不明です。希望って感じもしますが。太陽はいつも同じだけれども、月は虧盈があるというのはなるほどなーと。新月もありますしね。

手術どうなるでしょう?