心和のラノベ感想

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半分の月がのぼる空5 long long walking under the half-moon 感想

半分の月がのぼる空5


今回は、半月5巻です。

内容としてはほぼ最終巻って感じでした。裕一と里香の関係があやふやなものからはっきりしたものになったというか。

あらすじ

夏目の邪魔によって、中々里香に会えていない状態だったが、亜季子の説得により夏目は裕一を浜松に連れ出す。そこには、病弱なおじさんとそれを甲斐甲斐しく世話するおばさんの姿があった。

チボー家の人々の本を用いての里香からのメッセージを受けて、裕一は裕一でその返事を考えていた。一時は勘違いだと思ってしまうが…。

感想

自分の将来と彼女の幸せ、どちらを取るかと言われた時に迷わず後者を選べるだろうか。極端な話セカイ系みたいな命題になる訳ですが、裕一は様々な柵を乗り越えて、子供なりに考えて里香を選ぶと。そこまで本気になれるほど、好きで大事な人を見つけるというのは簡単なようで難しいんだろうなぁ。

5050円というサブタイは好きなんですが笑、チボー家の人々の本を使って告白し合うのは何か良いですね。元は、里香の父が里香の母へのプロポーズで使った方法ということで、裕一も不安になりますが、実はもう一冊あって偽らざる里香の本心が明らかになる_この過程もまた心にきました。

今回、別の所でラブが発生していて、それが司なんですよね。堅物で真面目な彼ですが、おそらく裕一の幼馴染のみゆきが好きなんだろうなー。山西の狙ったのかそうでないのかは神のみぞ知る感じですが、里香と裕一の為にみゆきと司が婚姻届を取りに行くというイベントが発生。

夏目が裕一に言った、欲しいものに手を伸ばせという箴言が今度は司の後押しになるというのも良い。みゆきは、前から気になっていた人に玉砕覚悟で告白して振られるというシーンもあって、これも裕一の里香への一途さ全力さに感化されたからと語られます。そんな傷心のみゆきの元へ、自分から司は訪ねに行くという。ドスカラスなのはご愛嬌だけれども、司というキャラもまた成長したんだと感じられますね。

また、裕一が母になぜ父と結婚したのかを聞くシーンもまた不思議だけど心温まります。呑んだくれのどうしようもないよく母を泣かせる男だと言うのに、母から出るのは父の良い所ばかり。恋は盲目というのもそうですが、見方にも寄るだろうけど、うーんやはり結婚するだけのものがあったんだなという感じでしょうか。

それから、夏目と裕一が一緒に風呂に入る場面では、リラックス効果からか2人とも本音で語り合うというのがこれまた良い。後で何であんなに素直に喋ったんだろう…ってなってそう。

夏目が浜松で裕一に見せたかったものは、将来よりも彼女を選んだ時の良い方向の未来だったのかな。勿論大変は大変だけど、幸せそうにしていると。お金持ちでもケチだったり、楽しめなかったりもある訳で、幸せは人それぞれで、裕一にとっては里香といる事が幸せでその責任も背負うことにした、そんな話です。

今回のbest words

だから安心したまえ。君が困っているとき、わたしは、ドスカラスは必ず駆けつけて、君を助けるよ。__じゃあ! (p.268 瀬古口司)

あとがき

温かさと切なさと懐かしさと色々なものが混淆した半月でしたが、一つのクライマックスを迎えた感じでした。エピローグ3巻分まで楽しませていただくとしましょう!