今回は、義妹生活3巻です。
前回、綾瀬さんが嫉妬を自認して、その上で浅村と同じバイト先に加入するという展開で終わりました。そして今回、書店バイトの話が中心になるのかと思いきや、意外とそこはあっさりで、逆に浅村の方の意識の移ろいに注目のお話でした。
あらすじ
6月に綾瀬さんが義妹となってから、月日は経ち夏休みを迎えていた。綾瀬さんはバイトの仕事内容の飲み込みも早く、滞りなく勉学に励んでいるように見えた。
しかし、自責主義でストイックな綾瀬さんは、息抜きをせずに過ごしていた。それを心配した浅村は、綾瀬さんにプールに行くことを提案する。丁度奈良坂さんからの誘いもあり、悩んだ末遊びに行くことを決意するのだった。
感想
いい雰囲気の時に邪魔が入る、好事魔多しとでも言うのでしょうか。今回の大きな展開点として、浅村が綾瀬さんへの好意を意識するという出来事がありました。
しかし、両親の会話が伏線になっていたということでしょう。元々、綾瀬さんの方は早々に浅村への好意はあったのですが、このタイミングで浅村に対して「兄さん」と呼んでしまう訳ですね。
兄妹間では恋愛に発展しない。超現実的な義妹生活という作品だからこそ、明確に兄妹を匂わせるこの発言は、ある種の恋愛関係に対する拒絶になってしまう。本当にタイミング悪い笑。
さてさて、今回は水着回でもありました。綾瀬さんと浅村が一緒の建物に買い物に行くという所まではあるんですが、お互いのものを選び合うとはならないのがこの作品らしい。
にしても、奈良坂さんの企画力凄すぎですね。あまり交流のない男女10人でプールに行くとかギクシャクしそうですよね。
まぁ、大事なところは浅村が綾瀬さんの水着姿を見てドキリとするシーンな訳ですが。
あとは、親と子の考えのすり合わせって難しいのかなとも感じました。特に、綾瀬家では離婚があって家計が厳しくなって、子どもの方が親に遠慮してしまって。もっと子どもらしく我儘を言って欲しいという親心と、親に心配や迷惑を掛けたくないが為に自己を抑制してしまう子ども心。
だからこそ、綾瀬さんが此度プールに行って、楽しかった×3という気持ちになれたのは、読者としても嬉しい気持ちになりました。読売先輩と対称的に、根を詰め過ぎるきらいがある綾瀬さんでしたが、休むことも大事!
綾瀬さんしっかりしているようで、意外にも無防備なところが見え隠れする部分も可愛いなと思いました。そして、「お兄さん」と呼ぶのが嬉しく思える筈なのに、展開的にモヤモヤするというのは新鮮ですね。
相変わらず最後の日記シーンで、綾瀬さんの気持ちの答え合わせが行われるのは良かったです。
あとがき
2人の関係性が進んだようで、迂遠な感じに落ち着きつつあります。両親に迷惑を掛けられないという思いがあるから難しいですね。でも、義妹なら結婚は可能(ここ重要!)
丸のやり取りしてる女性?は読売先輩じゃないよね。そうだよね?
2022.4.3