心和のラノベ感想

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』記憶の形成は作為 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』2009.6

 

今回は、みーまー『i』です。

春夏秋冬?4つのテーマで、時系列的に1巻になる前の頃のみーくんの短編集。そして、まーちゃんが壊れなかった世界線の短編も入っていて、これは平和で良かったです。

感想

〜うそが階段を上るとき〜

監禁事件後、みーくんが精神病院にいた時に、患者の1人が飛び降り自殺を図った話。

恋日先生が普通に良い人なんだよなぁ。

ヤマナさんは、他人の物音が苦手な女性患者。みーくんと同じく退院しても居場所がなく、虫の居所が悪く、自分で屋上の金網を日に日に破って最後は投身自殺。

みーくんの不幸さも大概だけれど、自殺はせずに今生きてるんだなーと実感する。ヤマナさんはやっぱり死んだ方が救われてるのかなーとか考えました。

〜ともだち計画〜

みーくんが学校に復帰すると、留年扱いで小学4年生だった。家族の事は既に広まっていて、避けられるどころか当然虐めに遭った。しかし、虐めの筆頭格の少女トーエの本心は….という話。

菅原の方はケロッと事件の事は忘れて上手くやっているらしいが、みーくんの場合はそうではなかったですね。当事者とは言え、問題を起こしたのは父なのだから、それによって満足に学校に通えなくなるのが可哀想だなーと。

中々に陰惨でフィクションでもここまでやるかーと思いつつ、徐々にトーエが可愛く思えてくるから不思議。構って欲しいから虐めたくなるの延長線上なのかなーとも思う。

転校が決まっていて、虐めとなり得る因子を排除し、果ては自ら被って退場するというシナリオの上で動いていたとすると、末恐ろしさもあるが…。

〜蟻と妹の自転車籠〜

妹の狩りの付き添いで山に向かい、そこで動物を殺傷する胡乱な男に出会す話。

本当、にもうととの関係性は謎である。というか、この子暴力的が過ぎる。

にもうとが失踪した時の話かと思いきや、そうではなかったです。けれども、ここで出て来た山を所有する男こそ例の体育館襲撃の犯人じゃないかなーと思いました。繋がってるんかなぁ。

勝手に山に入って、狩りをするにもうとの方が悪者な気もしますが、山の中で動物を殺し、見かけた兄妹を襲って来ようとする男もやっぱり悪者ではあるか。

何でにもうとは自転車に足を突っ込むような真似をしたんだろうね。

〜Happy Child〜

うっかり御園マユにまーちゃんと呼んでしまった事で、しばらく監禁されてしまう話。これも1巻より時系列が前なので、恋日先生が上手い事関係をリセットしてくれた?という事で。

やはりまーちゃんの異様さが際立つ話でした。そう言えば、物語シリーズでガハラさんが阿良々木を監禁する話がありましたけど、あれは意思あっての事ですからねぇ…。その点まーちゃんは危うい。

何がその人にとっての幸せかという話もあり。みーくんは己を捨てて、まーちゃんの笑顔の為に嘘をつく方向に舵を切ってしまったんだなーと。

それと、恋日先生がヒロイン回という事で良いですか?笑  

〜とってももしもにもしかして「壊れていない正しさのある世界なら」〜

みーくんの父が事件を起こさず、平和裏に時間が流れる世界線の話。

こーなると、伏見さんがばっちしメインヒロインしてて悪くないなぁと思ってしまいました。歪んでないって良いですね笑。

菅原とまーちゃんは普通のバカップルで、枇杷島やら長瀬さんやら海老原さんも普通で。

その時の最善の選択が後になっても最善だと良いですねぇ。

今回のbest words

たーん、たたーん、ゆゆゆゆゆゆたーん (p.325 伏見柚々)

あとがき

徐々にみーまーの読み方の耐性が付いてきた気がします笑。まぁ、リアリティって意味では薄いんですけれども。

『i』って何のことかなーと思ってたけど、みーくんこと天野あいの『i』ですかね。