
今回は、キノの旅24巻です。
5年ぶりの新刊らしいですが、雰囲気は変わらず面白かったです。確かにキノの旅25周年で25巻だったら収まり良かったのに…笑。
感想
〜綺麗になれる国〜
口絵①。心ランドリーなる人間用の機械で、国民全員心が綺麗な国の話。
心ランドリーに入らない人は差っ引かれるのかな?
〜射撃場の国〜
口絵②。射撃が盛んな国。
シンプルに危険だけれども、普段の交通状況だって死と隣り合わせというのを思い出させてくれる。
〜運ばれる話〜
二国間の移動手段は列車だけという話。
車両を移動しながら情報を得ていって、地雷原があるからとか、麻薬となる花があって立ち入らないようにする為とかが分かっていく感じはキノの旅らしい流れ。
で、その話は用量を調整すれば治療薬にもなるから情報統制が行われているのが真実らしい。どちらにせよ、知ってる人が少ない方が幸せな話である。
〜温度差のある国〜
夏は暑く冬は寒い為に地下に居住空間を作った国の話。
結局、人によって温度の感じ方が違うという話になり、また四季を感じたいとか、色々と極端な要望をする人も現れて…と分裂が起きている模様。二重の意味で温度差。
それで行き着いた答えが、温度を感じなくなる薬という本末転倒なようなオチ。凄いイノベーションだけれども、方向性がどうなんだろうという。
いやでも、最近本当夏暑いからね…。
〜試される話〜
フォトが森林レンジャーの訓練の模様を撮影する話。
何か少しサバイバル的な知識が知れるお得な内容となってましたが、試験自体は面倒な人間もちゃんと助けられるように動けるかというか、咄嗟の行動が出来るかを判断基準にしていたっぽい。
別業種でも芸は身を助ける、かな。
〜若い国〜
政治家などの要職に若い人が抜擢される国の話。
素晴らしいと思いきや、ただ栄養不足で夭折が多いだけとは残念。でも、移住した男が大統領になったのか、農業革命でも起こしたのか。
でも、年長者が要職を務め始めたらこの国のアイデンティティの喪失でもあり…。
〜冗談が通じない国〜
冗談と言って誤魔化すのを禁じる国の話。
子供ったという新たなワードか出来上がっただけ…。
〜ライフルの話し〜
師匠とハンサムの男が、雪崩に遭った似た容姿の男達の助からなかった方のベノという男のライフルをアーベルから形見として受け取ってから、巡り巡っていく話。
長い話でしたが、最後は行き違いする事なく事が済んで良かったな〜と思いました。また、中古品にも色んなドラマがあるんだろうなと夢想しました。
師匠達がライフルを受け取ったのは、遠くの国で処分される事を望まれたからであり、本来は高く売れるそれを、安く売る事で日の目を見る事なく埋める為でした。
それが、時を経てシズ達が購入して別の国で転売。その購入者がアーベルにとっての孫だった訳ですが、そもそもベノは子供が作れずアーベルの精子でもって、子供を得たという過去があり。
それを知らないエルネスティーナ(ティニ)は、祖父のライフルをアーベルが気に掛けているのを証拠隠滅だと誤認識し、キノに射殺を頼もうとするという流れに。
誰も悪い人はいないし、寧ろ良い人ばかりの心温まるべき話が拗れそうな所でしたが、ライフル、陸、エルメスといった面々は通じ合っていたようで?、あるべき着地点に落ち着いて良かったです。
〜言い換える国〜
鎖国している国とその周辺の五ヶ国の話。
鎖国している国の横暴は全てああ言えばこう言うといった感じで悪びれず。そうなれば、目には目を歯には歯をで、報復もまた大砲の発射テストと言ってしまおう、みたいな。
〜×××××の旅〜
働く前に7日間だけ自由に過ごせる国の旅人にキノが出会う話。
かなり科学技術が進んだ国と見受けられるけれど、束縛感もあるんだろうなと思います。また、外の世界に触れる事で見える世界もあるのかなぁと。
〜力を与えられた国〜
突然巨人が降ってきてそれを使役する能力を得てしまった男の話。
人間の欲とか浅ましさを感じる所ですが、降って湧いた幸運に誰もが便乗しようとし、それでも誰かが得をすれば誰かが損をするのは変わらず。
城壁の中に巨大人形がいる様は中々にシュールでしたが笑、結末としては完全にバッドエンディングでしたね…。
色んな人の頼みを聞いて、途中からは責任が持てなくなり、手紙で募った依頼を籤引きで出たものを実行していたら、国を滅ぼしたと。
男は巨人に最後は殺して貰えると思ってたのに生かされてしまい、視察で訪れたシズによって殺して貰えたといった結末でした。
今回のbest words
"詐欺"などとんでもない。"脳の限界に挑む、人間だけに許された高度な知能ゲーム"であり、負けた方が"詐欺"だなどと口汚く罵っているだけのことだ (p.197)
あとがき
5年空いたとは言え、やはりちゃんと時雨沢さんは仕事をされていた!
今後のキノの旅も楽しみですし、5ヶ月連続刊行も楽しみ!!