心和のラノベ感想

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 2007.9

 

今回は、みーまー2巻です。

2巻ということで、新キャラ登場。これが普通にヒロインらしく可愛いかったですが、本作はヤンデレさんが主役なので。

ミステリーテイストになってきて、戯言シリーズ感が弥増してきたかな。病院で看護師もいて。

あらすじ

連続殺人犯との死闘を終えて入院中のみーくん。そこに見舞いとして現れたのは、元カノの長瀬透であった。妹の一樹の見舞いのついでだと言うが…。

長瀬一樹と相部屋で入院していた名和三秋の誘拐事件が起きる。事件の一部を偶々目撃していたまーちゃんによって、これが殺人事件である事を知る。

感想

2巻の感想というか読み始める前に、1巻の解説をお浚いしてきました。これによって、かなり前提知識が得られたので、2巻は難解という事もなく読めて一安心という所。まだ一定の面白さに留まって、爆発的な面白さは感じられませんでしたが。

まず、8年前の監禁事件について、主人公とまーちゃんが被害者というのが間違いで、本来はまーちゃんと菅原が被害者だったという点。そして、犯人こそが主人公の父であり、血みどろのやり取りがあった末に、主人公とまーちゃんが残った。

つまり、みーくんというのは実際には菅原の事を指していて、主人公がみーくんになりすまして、まーちゃんを騙しているという事。なんですが、まーちゃんはまーちゃんで、みーくんが誰であろうとみーくんがいてくれる事が救いみたいな状態なので、薄氷の上に立つような関係性が成り立っている。

まーちゃん側が本当のみーくんではないと意識的に分かっているかどうかは判断出来ませんが、今巻で笑顔にならないみーくんを訝るシーンもありました。いやこれ記憶の齟齬が起こるのも時間の問題なのでは…。

そして、連続殺人の犯人が当の菅原君だったという事なんですが、彼の動機やこれまでの生き方はやっぱし分からないので、そこはストーリーとしてどうなの?と疑問符がつく所ではあるのかな、と。

以上、前回の補足。

今回は、殺人事件の勃発と解決という事で、何ともミステリーっぽくなってました。そして、新登場の透が「〜ッス」という語尾で恥ずかしがるシーンなんかも純粋に可愛いかったです。名前の交換し合いなんかも面白いなーと(透はみーくんを透と呼んでいた)。

男っぽい名前で実は女でしたーというのは、叙述トリックの1つの手法でもありますね。

事件はまぁまぁ複雑だったものの、前回ほどに読みづらさはなかったので良かったです。それでも、回りくどいというか一部の人にしか刺さらないような比喩表現を多投するのは、やはり読みづらさの原因ではあるのですが…。

一方で、みーくんとまーちゃんのやり取りや、みーくんと一樹の会話の平仮名多めのゆるさは今の入間さん作品に通ずるものがあったので、そこも良かったです。

ストーリーとしては、前提として当時の透が菅原君を好きで、仲良くするまーちゃんに嫉妬していたという所が開始点(章代わりの短い文章は透目線だったと思われる)。そこで、現れた男に話をした結果、菅原とまーちゃんが誘拐の対象になったと。

要は、幼き透に話しかけたのがみーくんの父だった訳ですね。ここで、みーくんの父が市長とか議員とかそれに類いする役職だった事が判明します。したから何だって話でもあるんだけど。あと、まーちゃんは金持ちの家だったとかも判明。

まぁ、この過去話が透にどうまーちゃんに花瓶で叩く経緯となったかは不明? にしても、自分も一緒に入院する為に自分の頭を殴打して、その後他人にも殴打されてるまーちゃん…。

さておき、本題は殺人事件。と言ってもこれも推測の域を出ず仕舞いだったので、はっきりした事は分からず。後日談はないんですか。

一樹が三秋を階段から突き落とし、疎遠になっていた祖父の度会さんが死体?を移動。三秋をおんぶする犯人の姿を目撃まーちゃんを目撃した看護師。看護師がまーちゃんを疑い毒物を食べ物に紛れ込ませるも、まーちゃんはそれを回避し、たまたま度会さんがそれを食べていた…。ま、毒物と言っても、死に至るものではなかったっぽい?

というような話だけれども、一樹の動機とか何で同じ病院に長瀬の祖父がいたのかとか、理解出来てないなぁ…。

今回のbest words

黙れトランスペアレントレッドオキサイド (p.188 みーくん)

あとがき

透のノートの落書きは何だったんでしょうねぇ。

会話の中で「ダウト」って言うやつ痛くて嫌いだ…。