心和のラノベ感想

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2007.6

 

今回は、みーまー1巻です。

安達としまむらなど電撃文庫を始めとして、沢山の書籍を刊行されている入間人間さんのデビュー作。第13回電撃小説大賞において物議を醸したという触れ込みの通り、監禁、殺人が題材に挙がるという多少の衝撃がありました。

今作も11巻まで出ていて期待して読み始めたのですが、終盤に掛けて誰が喋って何が起きているのか理解出来ないまま終了しました…。タイトル通りの内容だとだったとは思うのだけれど。

あらすじ

同級生の御園マユは美人である。そんな御園さんの後をつけるみーくんは、御園さん=まーちゃんと共に8年前の誘拐事件の被害者だった。

片田舎の街で起きている連続殺人と誘拐事件。みーくんと分かった途端に急に甘えてくるまーちゃんは同棲を提案してくるが、まーちゃんの部屋には拉致監禁された件の小学生の兄妹の姿があった。

感想

A/Bエクストリームを読んだ時以来の、内容が理解出来ないまま読み終えてしまうという悲劇。殺人犯の件がどうなったのか分からん。主人公でさえどんな奴か掴み所がない上に、そんなに出番が無かった菅原君とか言われても…。こいつも本名か分からないし。

序盤こそ、美人でクールな同級生の御園マユ(まーちゃん)が主人公と同類?で昔監禁された?とか何かで接点があって、精神に異常を抱えているとか、そのまーちゃんが家出兄妹を部屋で監禁しているという驚愕の事実の判明と、それを何とかしようと動く主人公(みーくん)の様子が分かって、そういう話なのねーと納得はしました。いや、最初はヒロインをストーカーするシーンで端からやばいとは思ったけど笑。

幼少期虐待を受けると、その人が大人になった時に子供に虐待する理論と同じだなと。

そんな中で、みーくんはまーちゃんの1番の理解者というか保護者?になろうとしていく訳ですが、このみーくんが常に「嘘だけど」というワードを使っている為に、読者としては何を信じて良いのか拠り所が無いんですよね。

別にそういうトリックをやりたいなら良いんですけども、1巻からそういうキャラクターで来られると、ミステリアス以上に感情移入が出来ない掴み所のない奴になってしまっていると思います。

加えて、応対が捻くれているばかりか、面白くないので、寒いとか痛い奴という印象しか残りませんでした。多分、みーくんにも何らかの精神疾患が潜んでいるんだろうけど。共依存みたいにもなってるのかな。

もっと言ってしまうと、どのキャラクターにも個性というかインパクトが無かったです。勿論、まーちゃんの狂気具合はあるにはあるんですが…。監禁した兄妹を風呂に入れたりしないせいで異臭があるのに、平然としているのはやはり狂気か。

監禁兄妹の妹の杏子ちゃんくらいじゃないかな、感情的に良かったのは。

本当簡単に感想を述べるなら、分かりづらくて面白くなかったが正直なところ。あとは、Xでも言及したけれども、戯言シリーズの雰囲気を模倣しようとしているなと感じたくらい。

監禁兄妹も、家庭環境が良くなくて家出してたのを匿った的な話なのかな? だからこそ監禁は有耶無耶にされて終了という流れ? 読解出来てないから疑問系多くなってしまってあやふやじゃ…。

今回のbest words

ねえねえ、まーちゃんを食べるの?今日ですか夜ですかやほー! (p.50 まーちゃん)

あとがき

随所に今の入間人間さんらしい柔らかな文章も見えたものの、圧倒的に状況説明が分かりづらくて、面白い面白くない以前の話だったなぁ。

こういった作風をサイコサスペンスなんて言うらしい。どうやってこれから面白くなっていくかなー。