心和のラノベ感想

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わたしたちの田村くん2 感想

わたしたちの田村くん2 2005.9

 

今回は、わたしたちの田村くん2巻です。

各ヒロインに突っ走った1巻に比べるとやや勢いは落ちたものの、2人のヒロインの間で揺れる田村くんの、葛藤と選択、そして今後への匂わせといった内容が描かれていて、そこそこ楽しめました。

感想

〜さよならサテライト〜

相馬広香からのアプローチのタイミングで、遠距離で暮らす松澤小巻から久々に手紙が届く。「相馬さんって、誰?」と。それから、陸上の大会で近くに来た松澤と何とか話をしたり、中学の同窓会に相馬が闖入したり。

最終的には、すれ違っていた松澤との心の距離が縮まるというか、テレパシーの波長が合って、お守りの中に隠された本音にも気付いて、別れる前に再び気持ちを共有し合えたという感じ。でも、相馬の方もまだ付け入る隙を狙ってる〜みたいな形で終幕でした。

読んでて思ったのは、どことなくとらドラ!の土台になっている部分があるなーということ。相馬は大河に似ていて、松澤(+保健室の先生)が櫛枝に近くて(櫛枝は明るいキャラではあるが)、高浦は北村だなって。

それで、この作品の帯ではどっちのヒロインが好きかという謳い文句が踊っていますが、とらドラのメインヒロインは、相馬系なんですよね。これは、田村くんでは一応松澤が勝ったから次は…なのか、この作品で人気だった属性で新作が描かれたのか。

因みに、個人的には断然相馬派でしたねー。なんかもうずっと可愛かった。単純に好意を向け続けてくれるのが良かったし、松澤を追う田村くんをチャリに乗せるシーンも良い子だなぁと。全然懐かない猫が自分にだけ気を許している感覚? 失恋娘がよくぞここまで…。

あとは、陸上の大会で転倒した松澤を関係者ではない田村くんが助けにいけないシーンは切なかったです。俺がいなくても…ってなってしまう。けれども、そこで諦めずに只管会いに行くという能動的な行動、これは誤解を解く上でも大事だったんだなと思いました。

実は、松澤は受験に失敗したものの、受かってたら田村くんの近くに通える可能性もあったようですし。こと恋愛においては、真っ正直に想いを伝えるというのが最短ルートなんだろうなー。

p.175の挿絵が、左腕を三角巾で痛々しく吊って〜という描写と矛盾してたのが少し気になりました。

〜高浦さんちの家族計画2〜

これは、俺妹を彷彿とさせました。黒猫が妹だった場合の初のオフ会を影から見守る京介みたいな。高浦兄妹は恋愛では足を引っ張り合ってる印象ですね笑。

今回のbest words

……一等賞、くれて……ありがとう……! (p.221 松澤)

あとがき

中途半端は良くないよねということで、最後は一応の決着が付いたのは良かったと思います。でも、縺れないとラブコメは長く続かないという事情を考えると、作家さんは凄いなーとも再認識するところです。

とらドラから竹宮ゆゆこさん作品に入っていますが、田村くんあってのとらドラだなーと知れたのも良かったです。