アクセル・ワールド4 -蒼空への飛翔- 感想

アクセル・ワールド4 2010.12

 

今回は、AW4巻です。

vs能美征二の完結編。今回もシビアな展開が続きましたが、最後に救いがあると思いながら何とか読み切れました。チユって奴は…。

あらすじ

チユリの離反によって、勝機を逃したハルユキ達。チユリを問い糺すも、素っ気ない態度のまま能美に追従するのみ。そして、学校では盗撮の冤罪を掛けられるハルユキ。

絶対絶滅の中、心意をマスターする為にタクムはニコに師事し、ハルユキはニコから紹介された《ブラッド・レパード》と能美のマッチングリストに出ない仕組みの調査に乗り出す。

感想

序盤にしてはかなりの強敵だった能美ことダスク・テイカーとの戦いが終結。一段楽かと思いきや、色々と明かされる部分や謎を残した部分もあって、今後の広がりにも期待出来るような終わり方だったなーと思います。

何と言っても、チユリが良い奴で良かった。マジで一度疑ってしまってすんませんって感じ。敵を欺くにはまず味方からか。

今回のポイントは、チユリの気持ち、タクムの心意修行、能美がどうやってネットワークを掻い潜っているか、そして最終決戦かなと思います。

まず、チユリが何故能美に従っていたかという点については、脅迫されていたのではなく、ハルユキの飛翔能力を取り戻す為でした。というのも、ヒーラーと思われていたチユリの能力が時間遡行アビリティだったから。

よく考えたら、どれくらいHPが回復するか議論がなかった訳ですが、時を戻すのであればいつでもHPを全回に出来るということになる。あれ、逆に強くなってない?という気もしますが、今後制約とか話は出てきて辻褄は合っていくと思われます。

ということで、能美の元で加速世界を無双した結果、チユリも一足跳びにレベル4となり、それによって、無制限中立フィールドに入れたり、自身を強化していたと。ハルユキらに言わなかったのは、盗聴を恐れたり、能美の隙を狙っていたりだからと言われれば、納得せざるを得ないですね。

タクムは、ハルユキから言われて初めて心意を知ったようで、黒雪姫なき現状で教えを乞う相手として、ニコが再登場。あんまり親身に教鞭を取った訳じゃなさそうなのがハカセ可哀想。

一方、ハルユキはその間にまた新たなおねいさんと別作業。赤のレギオンでメイドの《ブラッド・レパード》ことパドさん。KってOKの略なの?? 秋葉原に対戦で賭ける場所があるとは。賭け金が300円なのが世代的に優しい笑。

《ラスト・ジグソー》という能美と似たシステムを利用したユーザーは取り逃したものの、《イエロー・レディオ》とかとも関係ありそうですねぇ。

因みに、このネットワークの話は、旧世代の脳に埋め込むBIC(ブレイン・インプラント・チップ)によるものらしい。技術の革新とその規制の難しさというか、使い方次第だなーと思います。

最終決戦は、無制限中立フィールドでのポイント全賭けの負けた側がバーストリンカーの資格を失うというものでした。待ち伏せがないように、時間をコロコロ変えるというのが面倒ですね笑。

結果的には、チユリの協力や黒雪姫が沖縄から15時間掛けて駆け付けたりで勝利を収めるんですが、《ブラック・バイス》という能美の協力者の謎は残ったままでした。能力然り、加速世界でも通常の時間の流れでいられるとか。

明らかにされた点としては、バーストリンカーから退場した能美がそれ関連の記憶を全て失っていたこと。これは何となく予想出来た事とは言え、このゲームの恐ろしさの序章という感じもします。

そう言えば、自身の弱点とかトラウマみたいなものがアバターの能力に反映されるブレイン・バーストですが、能美は兄から搾取され略奪された過去があったようです。あー、自分の経験を他人にやっちゃうやつか…。実は、タクムも昔剣道の先輩からイジメに遭っていたというのも意外でした。喉を突かれるとは怖すぎる。

今回の教訓は、信頼して仲間を作ろう、ですかね。

それから、スカイ・レイカーさんが遠距離要員として、ネオ・ネビュラスに入ってくれたらバランス良さそうだけれども、レイカーさんはどこのレギオン所属なんでしょう? 今は無所属なのかローラー君と同じ?

今回のbest words

そ、そんなの、カレーの恩をハヤシで返すようなもんだろ! (p.48 ハルユキ)

あとがき

爆弾あんだぎーをちゃんと買ってくる黒雪姫さん可愛い。これもう両想いですよ。

チユリが上半身下着姿を見せた意味って…? 体はハルユキのものだという主張?!

筆者あとがきで、本だとページ数で物語の一区切りが物理的に分かってしまうからこそ、この話を上下巻にしなかったと言われてて、理由が分かったのは良かったですね。