アクセル・ワールド1 -黒雪姫の帰還- 感想

アクセル・ワールド1 2009.2

 

今回は、AW1巻です。

第15回電撃小説大賞の大賞受賞作。と言うより、SAOで有名な川原礫さんのデビュー作ですね。SAOとも比較しながら読み進めていきたいと思います。

あらすじ

有田晴雪(ハルユキ)はいじめられっ子である。現実ではデブで後ろ向きな13歳は、ニューロリンカーによるフルダイブ先では多少の自信があった。そんなハルユキには幼馴染の倉嶋千百合(チユリ)がいて、当時3人組だった中で黛拓武(タクム)と付き合った後も、ハルユキの事を心配してくれていた。

ゲームの腕を見込まれたハルユキは、副生徒会長で美貌を持つ《黒雪姫》から《ブレイン・バースト》というプログラムを紹介され…。

感想

アクセル・ワールドに関しても、アニメを含めて全くの事前情報無しで読み始めましたが、こっちもゲームというか仮想空間に近い設定なんだなぁ。SAOで例えるのが良いのか分かりませんが、GGOにちょっとALO要素が入ったような感覚かなと思います。

他の作品の例に漏れず、序盤こそ読み進めづらい部分はありましたが、中盤以降は加速して楽しんで読めたと思います。まぁ、まだ設定が完全に理解できた訳では無いのですが。

ヒロインはどっちも可愛かったです。高嶺の花に見えた黒雪姫さんが実はしっかりハルユキの事を好きで、生徒手帳に写真を入れてたり、嫉妬したり。本名早く知りたい。はたまた幼馴染のチユリも、こっちも嫉妬擬きだったり、お節介焼きだったりで好感が持てました。

話としては、《ブレイン・バースト》という幽体離脱のように思考を千倍にするソフト?があって、そのプログラムの中で戦闘を行なっていくことでレベルを上げていく、というのが根幹にありました。

レベル9の頭領のいる派閥が5〜6個くらいあって、最上級のレベル10に至るにはレベル9を何人か倒す必要があるものの、やられると再度ゲームを始める事が不可能になり、それ故に停戦協定が結ばれたという過去があり。この辺りは、ユナイタル・リングにも重なる。

そこで反旗を翻したのが当時の黒雪姫らしく、失敗に終わり今は雌伏の時といった状況ということで、実は黒雪姫さんめちゃくちゃ古参勢だった訳ですね。それで、最近敵の気配を感じているということで、白羽の矢が立ったのがハルユキだったんですが、駒とか奴隷とかとして見ているんじゃないってのが救いではありました。

いや本当、自己肯定感低いハルユキ君だったんですが、チユリの存在も含めて成り上がるというか報われるのは良かったです。キリトとは出自のランクが違うね。良いマンションに住んでるっぽいけど…。

で、黒雪姫を狙っていたのがチユリの現彼氏でイケメンで文武両道のタクムだったのは、途中チユリにウイルス的な感じで潜入してた件もあって薄々勘付いていたとは言えびっくりでした。これも嫉妬みたいなもんなので理由としては醜いですが、レベル差を越えて勝利したハルユキと和解出来たのは、少年漫画っぼくて熱い。

因みに、ALOは飛ぶのが当たり前の世界ですが、今回ハルユキが飛翔したのはかなりレアらしく、自分だけの特権みたいなのは良いですよねー。地味に《ブレイン・バースト》を現実に応用して、甲子園でHR量産みたいな話がちょっと笑えました。タクムの剣道も怪しいらしいが…。

それと荒谷の執念が凄過ぎ…^^;

今回のbest words

もっと先へ……《加速》したくはないか、少年 (p.29 黒雪姫)

あとがき

直結って言葉がちょっとエロいよね…笑。

川上稔さんの解説が解説じゃない!