心和のラノベ感想

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掟上今日子の設計図 感想

掟上今日子の設計図 2020.3

 

今回は、忘却探偵シリーズ12巻です。

今日子さんvs爆弾魔。二転三転するストーリーと最後は心温まるエンドでした。うーん、何か物足りない感もありますが…。

あらすじ

立体駐車場を爆破して見せた學藝員9010を名乗る人物。次なる標的は、町村市現代美術館であると告げその動画は閉じる。

人死はなかった駐車場の爆発だったが、爆発元の車の所持者が厄介だったことで、厄介は容疑者となってしまう。今日子さんの別の方法の提示で事無きを得た後、美術館での爆発の阻止に動く。

感想

最近ちょっと思うのが、名探偵コナンって小さくなった名探偵が事件を快刀乱麻を断つ勢いで解決していく話だけれども、マンネリ化することなくずっと面白いの凄いなーということ。ミステリー作品を読んでると、少年漫画のエンターテイメント性を残しながら繰り広げられる事件が魅力的だったなーと。

さておき、今回は爆弾魔との戦いでした。偏見になるけど、芸術家は変な所に拘りがあるよなぁという事を少し感じました。犯行の動機が2つの建物を爆破することにあり、片方は建築家の父が作り、もう片方は賄賂?で別の人が設計したものらしく。

まぁ、犯人の父が作ってない建物だから勝手が悪いとか貶すような描かれ方をされているのは、ご都合主義を感じる所ではありましたが。

二転三転というのは、元々美術館を狙ったのは、人払いして美術品を盗む為ではと思われていたり、その後に犯人が今日子さんとの過去の因縁から今日子さんを殺す為だと言ったりしたからなんですが、結局は先述の理由でした。

特に、20時に美術館を爆破する宣言にも関わらず、美術館自体には爆弾を仕掛けず、丁度20時に美術館の下を通過する地下鉄内で爆発させようとしたというのは、中々のひねくれ度というか予想外で良かったです。

犯人はほぼ自殺も視野に入っていた中で、妊婦のフリで爆弾を抱えていた訳ですが、乗客に席を譲って貰ったことで、人情を感じ実行を取り止めたというのもまたエモい。今時、人に席を譲るのはリスクの方が勝ってるように思いますからね…。ま、今日子さんがナッジしたというオチではありますが。

因みに、犯人は仕事中に光を失った扉井あざな警部補。盲導犬と警察犬を連れているという事で、春日井春日さんを思い出す。その2匹がカップルとなり、子犬が生まれるというサプライズで、犯人に生きる光が生まれたという意味でハッピーエンドでした。

というか、今日子さんのいつの間にか定番になった"最初から真相が分かってました"というセリフも、木賀峰さんも似たような事言ってなかったっけと思う。

今回のbest words

ありがとうございました、私の冤罪を晴らしていただいて (p.180 掟上今日子)

あとがき

そう言えば本の遊び紙が毎回変わるようになってますね。

筆者あとがきは、自分が忘れても他人が覚えていると問題という話。どっちも約束を忘れていたら何も起こらないからね…。今日子さんのアリバイを厄介だけが知ってるというのも熱い。いや、覚えすぎてて狂気の沙汰ですらある笑。

五線譜?伝言板??