心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

掟上今日子の色見本 感想

掟上今日子の色見本 2018.1

 

今回は、忘却探偵シリーズ10巻です。

2桁ナンバリングまで来ました。現状だと残すは4冊。今日子さんの過去に少し迫れるかとや最速の探偵はすぐにその可能性を断ってしまいましたね…。

あらすじ

掟上今日子は預かった。返して欲しければ、十億円用意しろ」

親切守の元に掛かってきた電話は脅迫電話であった。今日子さんの残したメッセージから2億円の準備に成功するも、犯人の狙いはお金ではないらしく…。

「かつては戦闘機並みのお値段がついたこともある私の頭脳も、安く見積もられたものですね」

感想

今回は誘拐された今日子さん。これまで何度か自分は記憶を失う一方で、探偵に恨みを持つ人の存在は消えない、だからこその要塞のような堅固なマンションに住んでいるという事で言われてきましたが、オフの日にあっさり。

拉致じゃなかっただけまだ物怪の幸いとも言えなくもないですが、そもそも自分から飛び込んで行ってますけど…。前回のように?敢えて留置所に入った訳でもなく、誘拐されるのは今日子さんにとっても寝耳に水だったとは思いますが。

須永昼兵衛の小説に出てくる旧車を犯人が用意し、それに意気揚々と乗り込んだ形。叙述トリックでも何でもないですが、犯人が女性だったのは意外でした。女性だったからこそ警戒が薄くなった説もある。

今回は、親切さんが諸々頑張ったお陰で無事済んだ感じでした。推理もさながら、旧車の持ち主をSNSの他人の投稿などから当たりを付けるというのは、今風な捜査でした。

犯人の目的は、例のパリの矍鑠伯爵に近いもので、今日子さんの解決した事件の情報だったようです。忘却探偵の一度解決した事件の、忘却された部分。強請ったりでお金になるんですかねぇ。

誘拐先が船上であり洋上だったのは驚きでした。ただ、今日子さんの保険というか安全弁というか、色見本の写真と共に位置を示したデータをPCに残し、3点の中心位置に自身がいる事を暗号として親切さんに伝えた事で、万事休す。

この保険が機能したのは、この仕掛けを作ったのが今日子さんが忘却探偵となる以前の事だからであり、そうなると今日子さんが前に海外を転々としていたという事実は少なくとも本当だったと分かる。

その後すぐに証拠隠滅されたせいで日付とかは分からずでした。それでも、今日子さんの記憶力然り、星の位置で自分の現在位置を割り当てるとか、常識外れだぜ…。そして相変わらず狸寝入りがお上手。

今回のbest words

67点! (p.141 掟上今日子)

→今日子さんのファッションチェックは厳しい。

あとがき

すっかり今日子さんの専門家の地位を獲得した厄介くん面白い。でも、親切さんも今日子さんから下の名前で呼ばれる事あるのかぁ。

筆者あとがきは、色について。人によって見え方が違うとか無限に色はあるとか。虹は7色とか、血液型は4種類とかそういう枠組みには口出ししない方が吉ですかね。家電製品の仕組みを知らなくても使えればOKみたいな。