心和のラノベ感想

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掟上今日子の旅行記 感想

掟上今日子の旅行記 2016.11

 

今回は、忘却探偵シリーズ8巻です。

旅行記という名の通り、まさかの外国編。それもフランス・パリ。忘却探偵らしく毛色が違うテイストで、探偵vs怪盗の構図でした。

あらすじ

ごきげんよう。近日中に、エッフェル塔をいただきに参上致します。なにとぞご用心ください。 怪盗淑女』

例によって冤罪で退職を強いられた厄介は、退職金代わりのフランス行きのチケットを手にする。降り立った空港で、思いがけず今日子さんを発見するが…。

「初めまして。怪盗の掟上今日子です」

感想

何というかボーナスステージのような話でした。肩透かし感は確かにありましたが、オチはそこそこ綺麗だったかなと。

話としては、何か弱みを握られて?今日子さんがエッフェル塔を狙う某かの予告状に対抗する為にフランスに渡り、成り行きで厄介が助手を勤める流れとなるも、怪盗淑女こと矍鑠伯爵の先制パンチで今日子さんが眠らされ、探偵の文字が怪盗に書き換えられたことで、今日子さんは怪盗サイドでエッフェル塔を盗む作戦を考えるという感じ。

矍鑠伯爵は、穏便に今日子さんの知恵を借りたかったという事らしい。スケールが大き過ぎる。

実はこの流れは全て矍鑠伯爵が思い描いた通りに進んでいたものの、策士策に溺れるが如く、奇しくも厄介を誘拐する為の分断として利用した試着室によって、鏡の反転文字から違和感を抱いた今日子さんは怪盗への猜疑心を深め、自身が探偵である事に気付くと。

肩透かしだったのは、荒唐無稽なエッフェル塔の掠盗の問題が有耶無耶で終わった所。勿論、端っから、土台無理な話ではあるんですが。テセウスの船のようにパーツパーツを取っ替え引っ替えで…というのもありきたりですし。

加えて、第三の選択肢が精神論みたいなものだったのも…。まぁ、エッフェルさんが自由の女神制作に携わってたのは知らなかったので勉強にはなりました。あとは、万博の為だけに作られたエッフェル塔が後に電波塔の役目を果たしたが故に生き残ったとか。それをエッフェルは予期していたかどうかが、矍鑠伯爵の今回の動機でもあったようです。

因みに、オチが良かったというのは、第二の選択肢の消失マジックの実現として、エッフェル塔の内部に入れば、前後左右にエッフェル塔が見えなくなるよ、という所でした。

今回のbest words

私を一晩眠らせないことが、厄介さんのお仕事なんでしょう? (p.104 掟上今日子)

→中々蠱惑的なフレーズですが、今日子さんは厄介の筋肉を愛でたのでしょうか…?

あとがき

厄介を助手にするのが今日子さんの癖か…笑。

筆者あとがきは、旅行の目的について。移動中の読書もまた趣がある。